【幸せなヒトが誰も居ない空間】(俣彦『短編ぼくのまち』)
フォークリフトの免許を取得するのに
大抵4日の月日を必要とするのでありますが
その4日の内
最も大きな関門となって
そびえ立つのは
実は最初の日でありまして
筆記試験の日なのではありますが
筆記試験自体は
試験の1時間前に
出る問題とその答えとなるモノを
それとなく教えてくれるため
それ程、大きな関門とはなっておりません。
では何が最も大きな関門となっているのか?
と申しますと
朝から始まります
『力学に関する講座』を聞くこと。
でありまして
フォークリフトの免許を取得しよう
と志しているかた
となりますと
偏見
と言われるかもわかりませんが
どちらかと言いますと
『座学よりも経験』
で生きていこうとされているかたが多いこともありますので
基本。興味がわかなくて面白くない。
に対しまして
講師として来られる先生のほうはどうであるのか?
と申しますと
その日の中で
講師の先生が
最も使われたフレーズは何であったのか?
と言いますと
『……ここからが面白くなるんですけどね』
と講師の先生が躍動する
五十歩ぐらい手前のところをなぞるだけでありまして
なんて言えば良いのでありましょうか……
レベルの違いはありますけれども
講師の先生。
受講生共々
必ずしも幸せでは無い
半日以上の時間を
同じスペースを共有しながら
無駄な時間を過ごす……。
これが終わったあとに
筆記試験が来るのでありますが
その講座の時間で語られた事柄からは
まず問題は出て来ません。
問題は
各自で購入しました参考書と
直前に試験官が壇上で述べられる
独り言
から出題されることになる。
最初に
この資格を取得するまでのプロセスを考えられたかたの
意図とは全く異なる方向に
発展(!?)し
現在に至っているのが
フォークリフト免許にございます。