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Quaint Quest  作者: 文芸開花
6/12

第5話 移動手段

現在テスト2週間前です。

なのに燐音はここにいます。

なぜかって?


……そこにPCがあるかr((黙


では本文どうぞ!

447年 帝国 雪霧洞傍の小屋



 あたしは何の気無しにその紙切れを取り上げて読んでみた。特に興味があった訳ではないが、まあ、暇潰しって言うか、そんなところ。新聞の一面らしく、あたしの知らない新聞名が独特のフォントで右上に踊っている。


 それには、西国の竜を勇者が倒したという記事が載っていた。ふーんと呟いて、記事を読み進めていく。


 そして、あたしは次の瞬間とんでもないものを目にしてしまった。



〈竜の名は、ステイル=ズメイ〉



 一瞬、目を疑った。


 そして次に自分の頬を最大出力でつねった。


 ……痛い痛い痛い。


 でも。ズメイって……ポピュラーな名前じゃない。少なくともあたしは見たことも聞いたこともなかった。


 ……まさか。



〈昔々あるところ とあるひとりの旅人が 世界の端のある村に 竜を捧げに行きました〉



 最悪な想像が、確信に変わった瞬間だった。




 何故かは分からない。思えばあたしはいつも不運に見舞われていた。


 通っていた魔法学校はエルフだからというだけで中退させられ、妹とも引き離された。未だにその妹とは、連絡も取れていない。あの子は今、どこで何をしているのだろう?


 リュートの腕だって、ジルにはあんな大口叩いてるけど、はっきり言って上手いとは言えない。寧ろ妹の方が上手いぐらいだ。


 そして――今。たまたま拾った少年。ジルが竜だと分かれば、間違いなく追われる身になるだろう。

本当に、不運としか言いようがない。


 でも、あたしはこの少年を見捨てる気には、ましてやどこかに差し出す気にはなれなかった。


 あんなに無礼千万なことを言われて、しかも出会って間もないのに。


 そう、あたしは馬鹿だった。


 こんな災難はこの少年を捨てれば簡単に回避出来る。


 なのに、あたしは自らその退路を断とうとしている。いや、もう断ってしまったのかもしれない。



 お父さん、お母さん、ごめんなさい。あなたたちの娘は、最強の馬鹿野郎です。


 でも、これがあたしの意志なんです。もしかしたら捕まって殺されるかもしれないけど、それでもそう決めたんです。


 だから。



 そうして、ふと思う。


 ジルはまだ、規則的な寝息を立てて眠り続けている。今のことに気付いた様子はなさそうだった。


 だったら、あたしの胸三寸に収めておこう。知らないふりして、明日からも普通の、ちょっとヘタレな少年として接していく。


 私は、(くだん)の新聞をそっとジルの手の下に戻した。




 翌朝。


「リースさん、起きてよぉ」


 ……ぅ……うるさいなぁ。夢の中でまで騒がないでよ。


「リースさあん、もう朝だよ? 僕より起きるのが遅いなんて、リースさんはお寝坊さ」


「誰がお寝坊さんだとぉぉぉぉぉぉぉ!?」


「ふみゃあ!」


 あっ……いけない。ついリュートで殴り飛ばしてしまった。まぁいっか。てかこの子、悲鳴のバリエーションが随分豊かね。


「ふにぃ……痛いよぉ。ぼうりょくはんたーい!」


「それはさておき」


 モード切替がとっても速いのがあたしの取り柄。


「なんかこの村は色々と危ないから、とりあえず脱出するわよ。昨日みたいな目には遭いたくないでしょ?」


 ジルはぶるんぶるんと音が出そうなぐらい首を横に振りまくった。


 はい、ぼっさぼさジル一丁上がり。


「村の人に見つからないように行かなきゃいけないんだよね……。あー怖い怖い」


 呟いて、あたしは窓から外を窺う。無計画じゃ村人に見つかってアウト、もたもたしててここにいるの

がばれてもアウト。


「どうすっかなー……」


 なんか、なんと言いますか、絶望的な予感しかしなかった。




 まぁ、この状況を回避できる、ジルを見捨てる以外の方法。


 馬鹿なあたし達が思いついたのは一つだけ。


 そう、それは……いつかマンガで見たあの伝説の方法。


 ……ずばり!



「土管の中に入ってこっそり移動しちゃおう作戦!!」



 ……………………。


 ……仕方無いでしょ!? あたし自分のこと馬鹿だって分かってるし。


 このヘタレ少年が良い案を思いつくと思う!? しかもこの阿呆、


「一度土管の中に入ってみたかったんだよね~」


って言ってんのよ!?


 あぁ……やっぱりコイツ置いていこうかな……?


 あたしが真剣に悩み始めたその時、


「ねぇリースさん」


 声がかかった。もちろんジルから。


「……なあに? ジルニトラ=ヘタレ=ズメイ君?」


「なっ!? ミドルネームがヘタレに!? そんなん嫌ぁーーーーーー!!」


 入っていた土管ごとごろごろと転がるジル。


 もう本当……嫌……。


 頭を抱えてうずくまるあたし。


 なんでこの子が竜なの? っつか、ヘタレな竜ってあり? じつは同姓同名なだけじゃないの? あぁでもズメイなんて姓の同姓同名なんて有り得ないし……。あっでももしかしたら……



 たっぷり現実逃避3分間。


 さすがに見かねたジル。


「あのぅ……そろそろ出発しよう……?」


 間髪いれずすくっと立ち上がるあたし。


「えぇ。行きましょう」


「は、はぇ……? う、うん……?」


 あたしはすたすたと土管に向かい、そのままがこんと中へ。


「あ……あぅ……? リースしゃぁん?」


 ジルはあたしの行動の急変に戸惑ったのか、間抜けな声を出した。


 あたしの現実逃避3分間の後に辿り着いた結論。



「竜でも人間でもヘタレでもどうでもよくね?」



 そうよ、あたしは馬鹿なのよ。昨晩もそれを実感したけれど、改めて実感。あたしは、あたしに害を及ぼすかもしれないこの少年、だけどあたしを慕ってついてきてくれるこの少年と共に行こうと決めた。これからきっと大冒険が始まるだろう。そんな予感がする。でも、この少年と行こう。今はまだ他人、知り合い程度なのかもしれないけれど、これからそれ以上になろう。並びに友達ってこんなもんから生まれるんじゃない? 違う?



 そんな格好良いことを考えながらあたしはがこがこと土管ごと歩み始めた。




 音を立てながら移動し始めてあたしはあることに気がついた。


 ――やる気と成功する確率は比例しない――


 もう移動して十分。進んだ距離五十メートル……。遅すぎるでしょ!?


 走ったら十秒かかるかかからないかの距離よ?


「リースさん……疲れたぁぁ……」


「同感だわ……」


「あっ! あれが出口じゃない? わぁい!」


 目線をあげると村の門が見えた。っていっても数百メートルは先だけど…。


 コイツ目はいいのね。目は。


「り、リースさん止まってぇぇ!」


「は? え?」


 言われるままに止まるとごっついおばちゃんが目の前から歩いてきた。


 推定体重89kg。ってこんな非常事態に推定しないでよ、自分。


「あら? この土管……隣の奥様のものだったような……?」


 えぇー!! やばい、やばいよ! 見つかりませんように……。


 ていうか何で隣の奥様が土管なんて持ってるのよ!


「まっ、気のせいね~」


 ありがとぉぉ……おばちゃん。九死に一生を得るってこのことかしら。あれ、ちょっと違う?




 ――30分後


 はい、やっと村を出ました! 疲れたわ……。


「さて…村を出たはいいけれど、どこに行こうかしら……」


「あんまり外、出たことないからよく分かんない……」


 そっか……ジルは竜だったんだっけ。ずっと洞穴みたいなところにいたのかしら……。


「んー、とりあえず村と逆方向に行ってみるわよ」


「りょーかい!」

なんだかんだ言ってもう半分弱来ています。

でもⅡも書きます。ええ、誰に何と言われようと書いてやりまs((強制終了

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