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番外編 7

東の森


「はぁ…!はぁ…!!」


走るガルスとカッパ


「ちょ、ちょっと待って!ガルス!!」


「何だ?」


「何!?何なの!?」

「いきなり連れ出して!!」

「それに、こんなに人気のない森の中に…」


言葉に詰まるカッパ


「まさか…」

(「カッパ、会った時から好きだった…、喫茶店じゃガルスと金田が居るから出来ないだろう?」)

(「そんな!こんな所で…!!」)

「やるなら、やるって…」


「何を言っている?」

「逃げてきたんだよ」


「…あ、っそう」

「「逃げてきた」って?」


「あの水族の長は偽物だ」

「俺も直前までは気付かなかった」


「え…!?」

「長が!?」


「かなり変装が上手いと見える…」

「金田なら気付いてくれると思うが…」


「…大丈夫かな?」


「恐らくな」

「変装しているって事は、自分の弱さを映し出している事でもある」


「どうして?」


「強いなら正面突破で十分だろう?」


「あ…、なるほど」


「さて、ここからどうするか…」


「あの「イトウさん」って人の家は?」


「駄目だろう」

「俺達の喫茶店が知られている以上、イトウさんの家も…」


「…何だか、ゴメンね」


「何が?」


「私のせいで…、迷惑をかけて」


「何、依頼だからな」

「気にするな」


「…そうね」

「依頼だもんね」


「ああ、そうだ」

「それ以外の何でもない」


「…解ってるわよ」


ガルスから目を背けるカッパ


「さて、後は…」

「和風さん…、いや、ツキワさんか?」


「誰?」


「知り合いだ」

「面倒ぐらいなら見てくれそうだが…」


「ふぅ-ん…」


「…いや、やはり彼の家か」



ブラッドの家


「で?何で俺?」


「いや、お前だったら大抵の奴をぶっ飛ばしてくれそうだし」


「あのなぁ…」

「良いか!?俺も暇じゃない!!」

「帰ってくれ!!」


「何だ?治安維持が大変か?」


「伊達に地方警察庁長官をしてねぇよ!!」

「お前は何をしに来た!?あ!?」


「匿って貰いに」

「頼むよ、警察様」

「過去の不祥事を暴露しようか?」


「お前っ…!変な女を連れてきた次は脅迫か!?」


「「変な女」って何だよ!?」


怒鳴るカッパ


「言葉遣い」


「あ…、何よ!?」


「…ともかく!俺は匿わない!!」

「センリも反対だろう!!」


「美人ならOK…」


ゴッ!!


「ほら見ろ!反対じゃないか!!」


「俺にはお前が殴り倒したようにしか見えなかったが」


「気のせいだ!!」


「駄目ですか…?」


目を輝かせるカッパ


「…ッ!!」

「出てけ!情報ぐらいなら提供してやるから!!」


(チッ、惜しい)


舌打ちするカッパ


(案外、黒いな…)


「じゃ、それまで待ってる」


「何処で?」


「ここで」


「俺の家!!」


「センリの家でもあるだろ?」


「OK!美人!!」


「だ、そうだ」


「~~~~ッ!!」

「3分以内に戻ってきてやる!!」


バタァン!!


外に走っていくブラッド


「元気だなぁ-」


「アレでも、結構、照れてるんだぞ」


「そうなのか?」


「普段は「ク-ルガイ」ってヤツだが、可愛い娘が前にいるとテンションが上がる」

「まぁ、そんな風に見せてないけど分かり易い」


「だな」


(私、可愛いかな…)


鏡を見るカッパ


「心配しなくても、そこまでじゃない」


ゴスッ!!


「うぐ…!!」


「今のは、お前が悪い」

「で?ガルス」


「何だ?」


「その娘、どうしたんだ?」

「ついに人身売買に手を出したか」


「違ぇよ」

「依頼で預かってるだけだ」


「…そうか」

「「依頼」ねぇ…」


マジマジとカッパを見つめるセンリ


「本当に「依頼」だけか?」


「それ以外に何がある?」


「…皆まで言わせるか?」


「解らん」


「…なぁ、ガルス」


「何だ?」


「お前もメタルも金田もそうだが…、もう少し色恋事に興味を持ったらどうだ?」

「俺なんて興味なんてレベルじゃねぇぞ」


「…個人の自由だろ」

「少なくとも、俺に興味はない」


「過去の事件で、か?」


「…黙ってろ」

「あの事件は確かに迷惑をかけたが…、他言無用で頼んだはずだぞ」


「…そうだったな」

「あの事件は…」


静まるガルスとセンリ


(気まずい…)

「ね、ねぇ!!」


「何だ?カッパ」


「金田達…、大丈夫かな?」


「アイツ達なら心配は要らない」

「死んでも死なないような連中だ」


「そ、そうなの…」


バタァン!!


「2分47秒だ!ザマぁ見ろ!!」


息も切れ切れなブラッドが入ってくる


「…で?情報は?」


「あ、ああ、コレだ」

「センリ!そこの女と一緒に飲み物と菓子を持ってきてくれ!!」


「俺が?」


「私も?」


「良いから!!」


「お、おう…」

「台所はこっちだ」


「あ、うん」


台所に行くセンリとカッパ


「…何故、あの2人を追い払った?」


「あの女、水族だな?」

「それに…、普通の水族じゃない」


「…何?」


「皮肉な物だ」

「運命の歯車は必ず噛み合うんだからな」

読んでいただきありがとうございました

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