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番外編 6

カラ-ン、カラ-ン


鳴り響く鐘

その下を歩くのは幸せそうなガルスとカッパ


「おめでとう!ガルス!!」


「お幸せに!!」


「では、新郎新婦は誓いのキスを…」


「はい…」



メタルの部屋


「うわぁああああああああ!!」


「うるさいぞ、ガルス」


「ゆ、夢か…」


メタルの部屋で寝ているガルス


「騒がしくするのなら自分の部屋で寝てくれ…」


「好きでしてるわけじゃない」

「悪夢を…、悪夢を見たんだ」


「悪夢ぅ?」


「そうだ、悪夢」

「ああ、悪夢だ…」


「何なんだ?」

「って言うか、何で俺の部屋?」


「仕方ないだろう」

「カッパは俺の部屋で寝てるし金田は「作業が残ってる」とか言い出すし」


「まぁ、良いや」

「明日だっけ?結婚式」


「しねぇよ!!」


「カッパは乗り気だけど?」


「しないから!マジで!!」


「良いじゃん、美人だし」


「その棒読み止めろ!!」

「お前…、俺が結婚したら」


「どうなる?」


「喫茶店は閉鎖だ」

「勿論、依頼も来なくなる」

「つまり戦えない」


「…ッ!!」


(やっと事の重大さに気付いたか…)


「でも、出勤制にしたら?」


(こういう時だけ、頭を働かせやがって…!!)

「出勤制でも店の経営が…」


「お前も年だろ?」


「ジジイみたいな言い方すんじゃねぇ!!」

「まだ現役だ!!」


「え-?亜種なのに?」


「その言い方、やめろ」


「っと、悪い」


口を防ぐメタル


「むしろ、最近は「そっち」の方が多いだろ?」


「…まぁな」


亜種とは、この世界とは違う世界の食物を口にしたり、異世界の人間とのハ-フの人間の事である

亜種は普通とは違って年を取る

しかし取るスピ-ドは以上に遅く、結果的には何年生きるか定かではない


「…ハ-フでも結婚できるのか?」


「水族は水族の血を絶やしたくないだけだ」

「全滅したとされてる水族も少しなら生き残りも居る」


「…で?お前が結婚相手に選ばれた、と?」


「…そうだ」


「まぁ、頑張れ」


布団に潜るメタル


「おい、コラ」

「結婚するわけじゃねぇ」


「じゃ、どうするんだ?」

「カッパを海に放り込むか?」


「…依頼が依頼だしな」

「どうしようか…」



金田の部屋


「…やはり、な」

「裏にロクでもない組織が絡んでやがる…」


パサッ…


過去の新聞を見る金田


(大戦時、妙な男が絡んでるな…)

(西の研究医兼戦争員…、ハジャ)

(戦死した事になってるが…)


カチャン


電気を消しベットに座る金田


「…面倒な奴に目を付けられたかも知らないな」



次の日


喫茶店1階


店の扉には「貸し切り」の看板


「お待たせしました」


「いらっしゃい」


水族の長が喫茶店に入ってくる


「大変、お世話になりまして…」


「いえいえ、依頼は必ず達成するのが私達のモット-でして」


「心強いですね」


「それはどうも」


「で、本題に入らせていただきます」


「…お見合い話ですね?」


「はい」

「私達は山奥の川に隠れていますが…、男が子供も含め数人しか居ないのです」

「このままでは水族は…」


「…お気持ちはお察しします」

「しかし、ガルスも…」


「その問題だが」


ガタン


ガルスが2階から降りてくる


「結婚しても良いぞ」


「はぁ!?」


「本当ですか!?」


「ああ、良い」

「俺じゃないが」


「え?」


「ある奴が、な…」

「それじゃ、そいつを連れてくる」

「カッパ!!」


「え?」


「行くぞ」


「えぇ!?」


カッパを抱えるガルス


バタン


そのまま喫茶店から出て行く


「…誰でしょうか?」


「ちょっと、知ってそうな奴を呼んできます」

「メタル-」


ガタガタ


2階へ上がっていく金田



喫茶店2階


「メタル-」


「…おぉ、金田」


大量に流血しているメタル


「どうした!?」


「ちょっと…、笑いすぎた…」


「…ガルスか」


「…ガルスです」


「で?ガルスが「カッパと結婚させる奴を連れてくる」って言ってたけど?」


「…女性が大好きで結婚ならば即OKしそうな奴」


「アオシか」


「と、思う」


「何だ?知らないのか?」


「ガルスも「連れてくるから心配は要らない」の一点張りだったよ」

「まったく!誰かぐらい、言ってくれよな…」


「…まぁ、ガルスの帰りを待とう」



喫茶店1階


ガタガタ


降りてくる金田とガルス


「そちらの方は?」


「この喫茶店の従業員のメタルです」


「そうでしたか」

「しかし、大丈夫なのでしょうか?」


「何がです?」


「ガルスさん…、一行に帰って来ませんが」


「…」


メタルと金田の脳内に同じ言葉が響く


(…逃げた!?)


「しかし、カッパもガルスさんが連れて行ってしまうし…」


「…そうですね」

「メタル!コ-ヒ-を出してくれ!!」


「いえ!お構いなく!!」


「あ、勘違いしないでください」

「俺にです」


ドッ!!


水族の長の肩を撃ち抜く金田


「金田ァ!?」


「気付け、バカ」

「この人は長だぞ?」

「カッパじゃなく、名前で呼ぶはずだ」


「あ…!!」


「さて、言え」

「本物の長は何処だ?」


「貴様達には言えねぇなぁ…!!」

「ガルスには逃げられちまったがぁ…!貴様達だけでも…!!」


カチッ


「…あれ?」


「どうするって?」

「自爆用のボタンでも用意してたか?」


「何で…!?」


カチッ!カチッ!!


何度もボタンを押す偽長

しかしボタンは反応しない


「…この喫茶店には妨害電波が常に流れてる」

「お前達みたいなバカを死なせないためにな」


「情報を吐かせるためだろう…!!」


「…まぁ、本当は、な」

「で、どうする?」

「イトウさんの研究所行きか死ぬか」


「…両方、却下だ!!」


「残念」

「イトウさんの研究所行きね」


「強制!?」


「うん、強制」

「後は…」

「メタル!!」


「解ってるよ」

「ガルスとカッパを捜してくる」


「ああ、頼む」


読んでいただきありがとうございました

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