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番外編 5 下

地下倉庫


「はぁ、はぁ…!!」


縄で縛られているカッパ


カツ-ン、カツ-ン…


革靴が地面を蹴る音が辺りに響く


ガチャン


「よう、元気かぁ?」


立派な身なりの男が部屋に入ってくる


「テメェ…、捜したぜぇ?」

「何処に居た?」


「アンタに関係ないでしょ!!」


「ほ-ぅ、女らしいしゃべり方だ」

「誰に教わった?」


「「関係ない」って言ってるでしょ!!」

「そもそも、アンタ達、誰よ!?」


「あぁ?知らないのか?」

「ずっと俺達は狙ってたのに?」

「傷付くねぇ…」


煙草を吸う男


「俺達は密輸組織だ」

「お前を売りさばくためのな」


「な…!!」


「まぁ、お前を匿ってた喫茶店が無人で助かったぜ」

「連れ出しやすかった」


「何で私を狙うの!?」


「おいおい、絶滅した水族の生き残りだぜぇ?」

「戦闘に使うも良し、実験に使うも良し、夜の相手にするも良し」

「最高の「道具」じゃねぇか」


「…ッ!!」


「さて、売りさばく手続きを…」


ジリリリリリリ!!


「何だぁ!?」


突然、鳴り響く警報


「し、侵入者です!!」


「馬鹿野郎が!見張りは!?」


「全滅です!!」


「はぁ!?」

「…仕方ねぇ!全フロアを封鎖!後に爆破だ!!」


「し、しかし!仲間が上に…」


「この取引を逃すわけにはいかねぇ!!」

「仲間の換えなんざ、幾らでも用意できる!!」


「最低ね…!!」


「黙ってろ!道具!!」

「早くしろ!!」


「は、はい!!」


ガァァァァン!!


「来やがった…!!」


銃を取り出す男


「なぁ、金田」


「何だ?」


「呆気ないな」


「仕方ないだろ」

「イトウさんに頼んでシステムジャック、カッパが連れ去られることも計画」

「ただ、こんなに弱いのが腑に落ちねぇな…」


「ガルスは「手練れ」って言ってたぞ?」


「それだよ」

「コイツ達は「手練れ」より「ヘタレ」だな」


「そうだな!!」


爆笑する2人


「ふざけるな!!」

「貴様達!何の目的で…!!」


「カッパを連れ戻しに」


「戦いに」


「なぁ…!!」


「帰るぞ、カッパ」

「依頼主が待ってる」


「待ちやがれ!!」


ガッ!!


カッパに銃を突きつける男


「コイツは商売道具だがぁ…!!」

「俺の豚箱行きが免れるのなら構わねぇ!!」


「うわ-、汚れてるな」


「俺、こんな奴になりたくない」


「お前は手遅れだと思う」


「あぁ!?」


「ゴチャゴチャうるせ…」

「え?」


宙を舞う男


「メタル、金田、この基地は壊滅させた」

「もう帰っても大丈夫だぞ」


「よっしゃ!暇つぶし、終わりっと!!」


「帰ろうぜ-」


ダァァァァン!!


地面に叩きつけられる男


「何だぁ…!?貴様達…!!」

「何処の組織だ!?」


「組織じゃねぇ」

「何でも屋だ」


ガタァァァン…


地下倉庫から出て行く4人


「くそがぁ…!!」


ダンッ!ダンッ!!


地面を強く叩く男


「くそっ!最悪だ…!!」

「取引もパァ!俺は豚箱行きだ…!!」


「心配するな、そうはならない」


「アンタは取引先の…!!」


「貴様の失態、ハジャ様はお怒りだ」

「死を持って償うか、実験台になるか」

「どちらだ?」


「どっちもクソ食らえだ!!」


パァン!パァン!!


「銃?俺にとっては無意味」


カキィン!!


むなしく弾かれる銃弾


「化け物かぁ…!?」


「化け物…、間違っちゃいない」

「蜘蛛と同化させられ、名を捨てた俺は化け物だ」

「だが、後悔はしていない」

「むしろ感謝すらしているよ、ハジャ様に」


「このっ…!!」


ドスッ!!


「あが…」


「…悪い、お前に選択権が有ったのにな」

「ついつい、殺しちまった」


「貴…様…」


「しぶといな」

「それだけなら奴達とも張り合える」


「ごぇ…」


バタン


力尽きる男


「「メタル」、「金田」、「ガルス」…」

「ハジャ様の障害にならなければ良いが」



喫茶店


「で?そろそろ説明してくれ」


「ん?ああ」


コ-ヒ-を飲んでいるガルス


「依頼主は水族の生き残りだ」

「「密輸組織によって水族が危険にさらされたため、カッパを保護して欲しい」だとよ」


「…そうだったのか」

「カッパは?」


「部屋で寝てるよ」

「疲れたんだろう」


「…で?いつまで匿えば良いんだ?」


「そんなに長くはない」

「水族も保護したし、後は依頼主がカッパを受け取りに来るのを待てば…」


「その件だが」


「何だ?」


「ガルス、「ご愁傷様」としか言い様がない」


「あ?」


金田がカウンタ-に手紙を置く


「何々…」

「「この度は彼女を匿い、さらに組織を壊滅していただき感謝の極みでございます」」

「「しかし私達水族は跡取りに困っており、彼女の相手を捜しています」」

「「そこで…」」


ガルスが読むのを止める


「ガルス?」


その目は死んだ魚のように濁っている


「…?」


手紙を覗くメタル


「「そこで、彼女とガルスさん、結婚していただきたいのですが」」

「ぷっ…!!」


笑いをこらえるメタル


「…マジで?」


「マジで」


「…え?マジで?」


「マジで」


読んでいただきありがとうございました

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