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番外編 10

西の都


ガヤガヤ


「賑わってるわね…」


「この都は西の国の中心で商品の流通量も多い」

「それに、旅人が貴重な水の供給に立ち寄るからな」

「従って、活気づく」


「へぇ…」

「で?誰に会いに行くの?」


「占い師の老人でな」

「貴様の未来を見て貰う」


「私の!?」

「占いなんて…、信用できるの?」


「ああ、勿論だ」

「奴の占いは俺も認めている」

「行くぞ」


「え!?あ、うん…」


カッパの手を引くガルス


(コレじゃ、カップルみたいじゃないのよ…!!)


「そこの彼氏!そこの彼女!寄ってかない!?」


ガルスとカッパに声をかける店の従業員


「彼女じゃない!!」


「え!?あ、そうなの…」


「…そうだな」


「どうしたの?ガルス」


「姿、変えるか」

「この格好じゃ目立つ」


「へ?」



洋服店


「に、似合う…?」


西洋のガンマンの様な格好をしているカッパ


「ああ、良いんじゃないか?」


雑誌を読んでいるガルス

その目線は雑誌にしか向いてない


(見てるんだか…、見てないんだか…)

(試してやる!!)


シャ-


「お客様」


店員がガルスに声をかける


「何だ?」


「お連れの方の御試着は終わりましたか?」


「いや、終わってない」

「時間をかけてすまないな」


「いえいえ!どうぞ、ごゆっくり」


「ガルス!コレは!?」


水着姿で出来るカッパ


「え…」


硬直する店員


「…流石に無理があるだろう」


ため息をつくガルス


「あ…!!」

「見ないでよ!!」


ボスッ


カッパが服をガルスに投げる


シャ-!!


「…何なんだ?一体」


「し、失礼します!!」


慌てて走り去っていく店員


シャ-


「ふぅ…」


「出てきたか」


「コレで良い?」


放浪人の様な格好をしているカッパ


「ああ、良いんじゃないか?」


「ありがと…」

(何よ…、しっかり見てるじゃない…)


「きゃぁああああ!!」


外から女性の叫び声が聞こえてくる


「何!?」

「私達を追ってきてる奴!?」


「いや…」


「痴漢よ----!!」


「何だ…、痴漢じゃない…」


「行くぞ」


「え!?」



露店通り


「離しなさい!!」


ガッ!ガッ!!


女性に蹴られている老人


「ワシほどにもなれば!蹴りなどでは引かん!!」

「この良い足を!決して離しはしない!!」


「キ-モ-イ-!!」


「離れろ、変態ジジイ」


ドガッ!!


「おぐむぅ!?」


ザザザザザザザ!!


ガルスが老人を蹴り飛ばす


「あ、ありがとうございます…」


「いや、俺の知り合いでな」


「は、はぁ…」

「では…」


逃げ去る女性


「おお!待っておくれ!我が女神!!」


「待つと思うか?この変態ジジイが」


「何じゃ、ガルスか」

「久しいのう」


「いつになったら痴漢癖が治るんだ?ゼルフ」

「そろそろ捕まるぞ」


「安心せい!ワシは簡単には捕まらん」


「ガルス…」


「何だ?カッパ」


「誰?このお爺さん」


「ゼルフだ」

「有名な占い師でな」


「「占い師」…?」


「何じゃ!?ガルス!!」


怒鳴るゼルフ


「いつの間に彼女など…」


「「彼女」じゃない!!」


「何じゃ、そうだったのか…」

「では、ワシにもチャンスは有りそうじゃのう…?」


「無いわよ!!」


「残念じゃな…」

「しかし…」


スッ…


「!!」


ゼルフがカッパの足を触る


「良い足じゃないか」


バキッ!!



露店通り、裏道


占い屋


「効いたのう…」


ボッコボコにされたゼルフ


「最低ね…!!」

「女性の足を気安く触らないで!!」


「そうじゃのう…」

「その足はガルスのための物じゃったか」


「…ッ!!」


「落ち着け、カッパ」

「ここでゼルフを殺しては意味がない」


「…解ったわよ」


「で?何の用じゃ?ガルス」


「占って欲しい」


「何を?」


「カッパの未来だ」


「何、言ってるの!?ガルス!!」

「占いなんて…!!」


「コイツの占いは特別だ」

「成功率は100%と言っても良い」


「そんなに…」


「ワシも占いだけが取り柄じゃならな」

「占ってやろう」


「頼む」


「そこに座りなさい」


「え、ええ…」


「ガルス、カ-テンを閉めてくれるかのう?」


「解った」


シャ-


ガルスがカ-テンを閉めると部屋の中は暗くなり、部屋の中を照らすのは蝋燭の光だけである


「では…、占う前に聞いておきたい」


水晶に手を当てるゼルフ


「結構、本格的ね…」


「当たり前じゃ」


「で?聞きたい事って…」


「バストとヒップのサイズは…」


「…」


ガタン


「落ち着け、落ち着くんだ、カッパ」

「ここでゼルフを殺しても意味は無い」


「いいえ、有るわ」

「この世の全ての女性のためにも…!!」


「…冗談は置いておいて」

「おぬしは水族じゃな?」


「…その通りよ」


「それも希少な戦闘部族…」

「そして、それに対して重荷を感じている」

「違うかのう?」


「…合ってるわ」


「さらに恋愛相も出ておる」

「相手は…」


ゴッ!!


「…居ない、と」


「それで良いわ」


(恐るべき瞬発力…)


「さて、肝心の未来じゃが…」

「特にないのう」


「え?」


「別に厄災もないし危険もない」

「特別に良い事も無さそうじゃ」


「そう…」


「以上じゃな」


「…そうか」

「世話になった、ゼルフ」


「ホッホッホ!構わんわい」

「そこの彼女が体で返してくれれば…」


ガタン


「落ち着け、落ち着くんだ、カッパ」

「ここでゼルフを殺しても意味は無い」


「いいえ、有るわ」

「この世の全ての女性のためにも…!!」


(デジャヴじゃのう…)

「今日は泊まって行くのか?」


「ああ、そうしよう」

「良いな?ゼルフ」


「ああ、ゆっくりしていけ」

読んでいただきありがとうございました

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