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悪役令嬢アルベルティーヌの優雅なる日常

『悪役令嬢アルベルティーヌの優雅なる日常・四 』―王である前に、人やろ―

作者: 月白ふゆ
掲載日:2026/02/10

正直に言います。

あまり伸びていません。


でも――

アルベルティーヌが好きなので、第4弾です。


数字や流行よりも、

この公爵令嬢が「ここで吠えるべきだ」と思ってしまったので、

そしてそれを止めずに見届けたい侍女が隣にいるので、

書きました。


今回は優雅さも理知も一度横に置いて、

アルベルティーヌが“我慢しなくていい相手”に向かって、

全部ぶつけています。

好き嫌いは分かれると思いますが、

作者としては、これ以上ないほど彼女らしい回です。


合う方だけ、どうぞ。

 王都の朝は、いつもどおりにうるさかった。


 窓の外では馬車の車輪が石畳を叩き、門前では行商人が声を張り上げ、屋敷の中では使用人たちが小走りに廊下を行き来する。その全部が「平常運転」で、だからこそ妙に安心できる――はずだった。


 しかし、マルタはその「うるささ」に混じる異物を嗅ぎ取っていた。音の反響がやけに軽い。笑い声が高い。誰かが何かを期待して、落ち着かない時の空気だ。


(見世物の日ね)


 思っただけで、表情は動かさない。侍女に必要なのは顔ではなく段取りだ。マルタは二階へ上がり、主の部屋の扉を一定のリズムで叩いた。


「お嬢様、朝です」


「ええ、入って」


 返事はいつもより柔らかい。つまり、主は自分の機嫌を「整えている」。アルベルティーヌ=ヴァルモンは鏡の前に立ち、淡い色のドレスの襟元を指先で直していた。髪は低くまとめられ、宝石は最小限。見た目は完璧に“優雅”で“お淑やか”――なのに、目だけが少し鋭い。


 彼女は噂の中心に立つ令嬢だった。断罪騒ぎを、論理と迫力でひっくり返した――そんな尾ひれのついた話が王都中を踊っている。虎が吠えた、と。


 当人は吠えた自覚をあまり持っていない。持っていないからこそ危険で、そして魅力的で、周囲が勝手に熱狂する。


「今日の予定を」


「午前は王宮です。陛下より、お嬢様に直接のお話があると」


 アルベルティーヌのまつげが、ほんの少し揺れた。驚きではない。嫌な予感を正しく受け取った時の、静かな反応だ。


「……王が、私に?」


「はい。名目は“先日の混乱の鎮静化のため”と」


 アルベルティーヌは鏡越しに、マルタを見た。視線が問うている。鎮静化という名目で、何をするつもりだ、と。


 マルタは机の引き出しを開け、小さな包みを二つ取り出した。薄紙に包まれた硬い飴。喉の負担を減らすための、苦味のある蜂蜜飴だ。王都の菓子職人に作らせた、味は上品だが効き目は実務のそれ。


「備えです」


「私が何かを言う前提で?」


「陛下が“直接”と仰る時点で、前提です」


 アルベルティーヌは小さく笑った。笑い方だけ見れば、花瓶の前に飾っておける令嬢そのものだ。


「あなた、ほんとうに現実的ね」


「現実は、こちらを待ってくれません」


「その言い回し、好きよ」


 褒められてもマルタは眉一つ動かさず、包みを主の鞄の内側に忍ばせた。目立たず、取り出しやすい位置。舞台袖に置く小道具と同じだ。


 馬車が王宮へ向かう間、アルベルティーヌは窓の外を眺めていた。王都は華やかで、噂が早い。噂が早いということは、誰かの失言や失態もまた早く流れるということだ。


 王宮の門をくぐると、空気が変わる。音が吸われ、視線が重くなる。石と権威で作られた場所の匂い。


 応接の間に通され、アルベルティーヌが椅子に腰掛ける。マルタは半歩後ろに立つ。いつも通り。けれど今日は、半歩の重みが違う。


 陛下が現れたのは、予定より少し遅れてだった。王冠を被る男は、年齢に似合わぬ疲れを顔に貼り付けている。隣には宰相、さらにその後ろに重臣が二人。雰囲気が“話し合い”ではなく“通達”寄りであることが分かる布陣だ。


「ヴァルモン公爵令嬢」


「お招きいただき光栄に存じます、陛下」


 アルベルティーヌは完璧なカーテシーを作り、声も柔らかく落とした。前半のお淑やかは、ここまでは完璧だった。


 王は椅子に腰を下ろし、茶も口にせず言った。


「先日の一件で、王都は混乱した。余計な噂が飛び交い、王家の威信が揺らいだ。これは由々しき事態だ」


 最初に“王家の威信”が出る。つまり、真実ではなく体面の話が主題だ。マルタは内心で嫌な音を立てた。


 王は続ける。


「そこでだ。混乱を鎮めるため、公式に“誤解があった”と発表する。王太子の行動は若さゆえの早計だった。だが、お前もまた、場をわきまえなかった」


「……陛下、私が場をわきまえなかった、とは」


 アルベルティーヌは微笑んだまま問い返した。声はまだ柔らかい。質問の形をした刃が、丁寧に鞘から抜けている。


「王太子を公衆の前で追い詰めた。声を荒げ、貴族の品位を――」


「陛下。私は、事実確認と手続きの不備を指摘しただけです。声の高低が問題なら、今後は書面で――」


「そういう言い方だ」


 王が苛立ったように遮った。自分の言葉が効いていない時に、権力者がよくやる遮り方だ。


「理屈はよい。国は感情で揺れる。民も貴族も、分かりやすい“落とし所”を求めている」


 落とし所。その一語で、マルタは理解した。誰かを丸め込み、誰かに被せ、誰かを黙らせるための会談だ。


 王は机の上に紙束を置いた。


「この文書に署名せよ。内容はこうだ。『ヴァルモン公爵令嬢は、誤解を招く言動をしたことを反省し、王家への忠誠を改めて誓う』」


 アルベルティーヌの指先が止まった。ほんの一瞬。だが、その一瞬が重い。


 反省と忠誠。つまり、無罪の者に罪の形だけ被せる。王家の体面のために。


 マルタは一歩、ほんの僅かに主へ寄った。止めるためではない。支えるための距離だ。


(まだ。まだ吠える必要はない。今はまず、逃げ道を探す)


 アルベルティーヌはゆっくり息を吸い、柔らかい声で言った。


「陛下。お言葉ですが、この文言では、私が事実に基づかず騒いだように読めます。あれは手続きの――」


「手続きの話はもういい!」


 王が声を上げた。王宮の壁が震えるほどではない。だが“王が苛立つ”というだけで、場の力学が歪む。


「王太子はすでに、しかるべき形で収める準備をしている。お前は協力するだけでよい。公爵家が王家に逆らう気か?」


 宰相が小さく咳払いをした。止めたいのに止められない合図。重臣の片方は視線を逸らし、もう片方は机を見ている。全員、分かっている。分かっていて、王の機嫌と体面の方を優先する。


 その時、扉の向こうがわずかに騒がしくなった。控室からの声。王宮は情報が早い。悪い話ほど早い。


 侍従が入ってきて、宰相に耳打ちした。宰相の顔色が変わる。


「陛下……ローゼンタール公爵家のご息女が、廊下でお待ちだと。『公爵令嬢アルベルティーヌに正式に学びたい』と」


 王は不快そうに眉を寄せた。


「なぜ今だ。追い返せ」


 宰相が言いよどむ。


「しかし……今追い返せば、余計に噂が――」


「噂噂、うるさい。噂を鎮めるためにここにいるのだ」


 王の言葉は矛盾している。噂を鎮めたいのに、噂が増える手段を選ぶ。


 アルベルティーヌの微笑みが、ほんの少しだけ薄くなった。目が冷える。声はまだ柔らかいが、気配が変わる。虎が檻の中で身じろぎした時の、空気の鳴り。


 マルタは鞄の内側に触れ、包みの位置を確かめた。主が手を伸ばせばすぐ取れる。飴は“喉の薬”であり、“合図”でもある。


 王は苛立ったまま、最後通牒のように言った。


「署名しろ。そうすれば王家はお前を許す。拒めば、公爵家にとっても不利益になる。理解できるな?」


 許す。無罪の者に向かって、許すと言う。そこに王の傲慢が凝縮されていた。


 アルベルティーヌはゆっくり立ち上がった。カーテシーではない。椅子から立つ“対等の立ち姿”だ。


「陛下。私は、王家に逆らうつもりはありません」


「なら――」


「ただ、国の秩序に逆らうつもりもありません」


 王が言葉に詰まる。宰相の目がわずかに開く。重臣の片方が微かに頷いた。秩序、という言葉は王家の専売特許ではない。むしろ、王家こそが守らねばならないものだ。


 王は苛立ちを隠さず、机を指で叩いた。


「言葉遊びはよい。署名しろと言っている」


 その瞬間だった。


 王が紙束を掴み、アルベルティーヌの前へ乱暴に突き出した。ペンも同時に放り投げる。――“命令”の所作。貴族への扱いではない。まして公爵令嬢へ向けていい動作ではない。


 アルベルティーヌの目が、完全に変わった。


 変わったのに、微笑みは消えない。消えないまま、口元だけが静かに尖る。優雅な仮面を被ったまま、仮面の裏側だけが獣になる。


 マルタは半歩前へ出た。止めるためではない。これ以上、主が“王の無礼”に晒されないように距離を取るため。


 そして、机の端に、包みをひとつ――音を立てず置いた。


 アルベルティーヌはその包みを見た。見て、取った。口に含んだ。飴が砕け、甘さと苦味が喉を覆う。


 次に出た声は、王宮の空気そのものを切り裂いた。


「――はぁ? 何様のつもりや、あんた」


 猛虎弁だった。逃げも飾りもない、完全な発動。だが下品ではない。言葉の筋が通っているからだ。荒いのに、理屈が芯にある。


 王が顔を真っ赤にした。


「き、貴様! 王に向かって――」


「王やったら何してもええんか? 順番すっ飛ばして、証拠も見んと、面子守るために人ひとり罪被せて、はいサインしろ、で終わり? それが王の仕事か? ただの横暴やろ」


 宰相が息を呑む。重臣の片方が青ざめ、もう片方は逆に目を伏せて耐える。誰も割って入れない。割って入った瞬間、自分も“共犯側”に立つと分かっているからだ。


 アルベルティーヌは笑顔のまま、一歩踏み込んだ。ドレスの裾が床を撫でる音すら、場に響く。


「ええか。秩序っちゅうのはな、手続きや。確認や。責任の所在や。王が一番それ守らなあかん立場やのに、真っ先に壊してどうすんねん」


「黙れ! 不敬罪で――」


「不敬? 便利な言葉やなぁ。都合悪い時に“罪”って札貼るだけで相手黙らせられる思てるやろ。せやから王太子も、紅茶に塩で断罪ごっこできたんや。上がそれで許される空気作ってるからやろが」


 王の顔が引きつった。“王太子の失態”を王の責任に繋げられた瞬間、矛先が自分に戻ってきたからだ。


「貴様は王家を――」


「王家を守りたいんやったら、まず王が王らしくせぇや。面子守りたいからって嘘の書面作って、無罪の人間に“反省”の判子押させる? それ、鎮静化ちゃう。隠蔽や。あとで必ず腐って噴き出す。民も貴族も舐めたらあかんで」


 宰相が、ついに口を開こうとした。


「公爵令嬢……言葉を――」


 アルベルティーヌは宰相に視線だけ向け、息も止めず切り捨てた。


「宰相も分かってるやろ。今ここで私がサインしたら、“王家に逆らった令嬢が折れた”って物語が出来上がる。そしたら次は誰が生贄や? 王太子の尻拭いのたびに、都合のええ女が吊るされる国になるんか?」


 クラリスが廊下で待っている、という言葉が、ここで効いてくる。若い名門の令嬢が“学びたい”と言うのは、王家の外にも目があるということだ。王が今ここで間違えれば、その目に焼き付く。


 アルベルティーヌは、机の紙束を指先で押し返した。触れるのも不愉快だと言わんばかりに。


「私はサインせぇへん。理由は三つ」


 指を一本立てる。


「一つ。書面が事実と違う。嘘に私の名前を貸したら、公爵家の信用が死ぬ」


 二本目。


「二つ。手続きを飛ばして“落とし所”作ったら、次から国のルールが空気になる。空気は責任取らへん」


 三本目。


「三つ。王がそれをやったら、誰も王を信用せぇへんようになる。――王様、自分で自分の首絞めてるで」


 王が言葉を失った。怒りで震えているのに、論理で殴られて動けない。権威は、筋を通すことで強くなる。筋を捨てた権威は、ただの大声に落ちる。今の王は、その境目に立っていた。


 アルベルティーヌは一拍置き、さらに低い声で言った。


「陛下。王である前に、人やろ。恥ずかしい真似すんな」


 空気が凍った。


 それは罵倒ではない。格下げだ。王冠を剥ぎ取り、“人間の責任”に引きずり降ろす言葉。最も効く。


 宰相が、ようやく息を整えたように進み出る。


「……陛下。公爵令嬢の言葉は荒い。しかし、筋は通っております。今ここで不敬罪にすれば、王宮が“証拠より面子を優先した”と確定する。噂は鎮まりません」


 重臣の片方が続ける。


「陛下。文書の文言を改めましょう。“誤解があった”ではなく、“手続きの再確認を行う”と。王太子殿下にも、正式な調査の場を設けるべきです」


 王は顔を歪めた。だが、拒めない。拒めばこの場の全員が“王の横暴”を見た事実になる。王宮の内側での事実は、外へ漏れる。漏れないと思っている者ほど危うい。


 アルベルティーヌは、そこで初めて息を吐いた。猛虎弁の熱が、飴の苦味に押さえられている。喉はまだ守られている。マルタは内心で小さく頷いた。段取り通りだ。短く、確実に。


 そしてアルベルティーヌは、最後の一言だけ――標準語に戻した。


「……以上です。陛下。手続きを壊した判断には従えません」


 その切り替えが、さらに刺さる。猛虎弁が感情ではなく“道具”だったと示すからだ。怒りで言ったのではない。必要だから言った。王に対して。


 王は沈黙し、やがて歯噛みしながら言った。


「……分かった。宰相、調査の場を設けよ。文書は破棄する。新たに作り直せ」


「承知しました、陛下」


 その瞬間、王宮の空気がわずかに戻った。完全には戻らない。戻らないのが正しい。今日の出来事は“傷”として残るべきだ。傷が残らねば、同じ過ちが繰り返される。


 謁見の間を出ると、廊下の先にクラリスが立っていた。深緑のドレスのまま、背筋を伸ばし、こちらを見ている。怖がっているのに逃げない目。若い名門は、折れない。


 アルベルティーヌは彼女に近づき、今度は完全に優雅な笑みを作った。


「お待たせしましたわ、クラリス様」


 クラリスは一瞬、言葉が出なかった。廊下越しでも、さっきの声は聞こえたのだろう。王宮の壁は厚いが、噂よりは薄い。


「……あ、あの。私は……学びたいと――」


「学ぶのは良いことですわ。けれど、学び方を間違えないで。伝統は守るもの、でも――」


 アルベルティーヌはそこで一度、クラリスの瞳を真正面から見た。


「伝統は“誰かを黙らせる棒”ではなく、“続けるための道具”ですの。覚えておいて」


 クラリスは唇を噛み、やがて小さく頷いた。


「……はい」


 馬車に戻る道中、アルベルティーヌは窓の外を見たまま言った。


「……私、今、結構ひどい言い方した?」


 質問はお淑やかだった。猛虎は檻に戻り、令嬢はまた優雅に戻っている。戻れるところが、彼女の強さだ。


 マルタは即答した。


「必要でした」


「王にあれは……」


「王が先に順番を壊しました。壊れた順番を戻すには、強い言葉が要ります」


 アルベルティーヌは少しだけ笑った。


「あなた、怖いわね。冷静すぎて」


「現場は冷静が勝ちます」


「……ねえ、マルタ」


「はい」


「あなたが飴を置いた時、私、分かったの。『あ、ここからだ』って」


「合図ですから」


「合図ね。あなたが“出していい”って言った気がした」


 マルタは視線を前に固定したまま、淡々と言った。


「止めるべき時は止めます。出すべき時は出します。今日は後者でした」


「つまり、私の猛虎はあなたが飼ってる」


「飼っているのではなく、運用しています」


 言い切ったマルタに、アルベルティーヌは吹き出しそうになって堪えた。上品な咳に変えるのが、令嬢としての矜持だ。


「運用、ね……」


「喉の運用も含めて」


「まだ言うのね、それ」


「喉が壊れたら虎は吠えられません」


 屋敷に戻ると、使用人たちの視線が一斉に集まった。噂はもう王宮から飛んできている。早い。早すぎる。王都は本当に面倒だ。


 若い侍女が廊下の陰から小声で訊いた。


「……お嬢様、今日は……?」


 マルタが視線だけ向けると、侍女は背筋を伸ばした。マルタは低く言った。


「備品庫。蜂蜜飴を補充。水差しも。次はもっと長い戦になる」


「は、はい!」


 侍女が走り去る。現場は回る。回さなければ生き残れない。


 夜。アルベルティーヌは部屋の椅子に腰掛け、喉に手を当てた。


「……ちょっと痛い」


「当然です。王相手ですから」


「そういう問題?」


「そういう問題です」


 マルタはいつものように薬草茶を用意し、温度を確かめてから差し出した。主が受け取る指先が、少しだけ震えている。緊張の反動。今日、彼女は“王を人に戻した”。それは快感ではなく、疲労として残る。


 アルベルティーヌは茶を一口飲み、静かに言った。


「……でも、やらなきゃ駄目だった」


「はい」


「私が黙ってサインしたら、きっとまた誰かが吊るされる」


「はい」


「王が王でいられなくなる」


「はい」


「あなた、全部分かってたのね」


 マルタは少しだけ首を傾げた。肯定でも否定でもない、ただの“確認”の動作。


「分かることと、やることは別です。やったのはお嬢様です」


 アルベルティーヌは微笑んだ。前半のお淑やかに戻った微笑み。その奥に、猛虎が眠っている。


「じゃあ、これからも運用してね。私、吠えたい時があるから」


「吠えるべき時に吠えられるように。――それが私の仕事です」


 マルタは机の上に、飴の包みをもう一つ置いた。いつもの位置。いつもの距離。いつもの段取り。


 見世物のためじゃない。


 秩序のために。勝ち続けるために。


 王都の夜は静かで、だからこそ、次の噂が生まれる気配がよく聞こえた。


挿絵(By みてみん)


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


今回はアルベルティーヌに、全部言わせました。

優雅に、ではなく。

遠回しに、でもなく。

必要だと思った言葉を、必要な相手に。


正直、数字を取りに行く話ではありません。

でもこの回を書かずに先へ進むのは、

作者としてどうしても出来ませんでした。


アルベルティーヌは強いです。

ただ怒るからではなく、

筋を通すことをやめないから。

そして、その強さを成立させているのがマルタです。


ここまで付き合ってくださった方には、

心から感謝を。

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