支配者への第一歩
よし、本格的に開始させることにしたからな。
まずは計画を立てることにしよう。
そう、俺の計画実行基準は毎回、計画、次にテスト、最後にそれを実行することだ。
つまり俺は、やる事は大体計画を立ててからやるタイプである。
ん~…まず、俺には女神か神から貰ったスキルが沢山ある。
俺一人でも世界を統一して支配する事は可能だと思う…。
すると、右目ではしっかりと周りは見えているが、左目に美しい緑色の髪色、それと同色の目をした女性が、まるで俺から見ると、スクリーンに映し出されたように見える。
精霊の補助だ。
これは、精霊の補助の代償で、片眼だけ周りが見えなくなる。まぁ、片眼だけだし、そこまで不自由じゃない。それと、昔からだし、その時も別に不自由じゃなかった。
《マスター、それは不可能に近いです。》
え?なんで?
《マスターの力の強大さは凄まじいです。ですが、世界統一支配することは困難です。理由を説明させていただきますと、この世界は三大勢力によりそれぞれ対立しています。》
三大勢力?
詳しく説明してくれ。
《この世界の三大勢力は、英雄国ユラーザ、魔国ヴィーダ、貿易国アトラス連合国の三つです。他にも小さな国々はありますが、主にこの三つとなります。この大都市ナスカラディアは、貿易国アトラス連合国の首都です。》
なるほど、つまりこの三大勢力を統一するのは難しい、っと?
《はい、特にユラーザ、ヴィーダの対立は凄まじく、百年前から冷戦ですが続いています。》
ふむ、国ごと制圧して手に入れて統一!ってのは可能?
《不可能ではありません、が、極めて困難です。先ほども言ったとうり、マスターの力は凄まじいですが、単独による国の制圧は極めて不可能です。》
不可能ではないけど不可能なのか。困ったな…。
今現在、俺はごく普通の暮らしをしている。
だから俺はストレスを感じているのだ。
普通の生活は普通の生活、つまり制限に縛られているのだ。
この世界ならそこまでだと思っていたのに、元の世界と同じくらい制限があるじゃないか!
いち早くこの生活から抜け出したい…。
支配統一は一旦置いておいて、この生活から抜け出す方法を調べなきゃだな。
何か案ない?
……あ、そーだ!
呼びにくいから名前つけようか?暇だし。
《な、名前…ですか?》
うん、ん~…そーだなー…。
精霊か…精霊…風の精霊…「風の乙女」ってどうだ?
《……ありがとう御座います…。》
ん?照れてる?
《…まぁ、私も自我はありますし…。》
そういえば昔言ってたな。
以外と可愛げがあって面白い。
それじゃあシルフィード、この生活から抜け出す方法ってある?
《転生の願望の回数は残り二つです。現在使用回数は三回です。転生の願望の使用を推奨します。》
リクタリアネーション?
《世界の神に認められ、輪廻転生を果たす際に特別な贈り物が送られます。その最高峰の特別な贈り物が転生の願望です。》
なるほど…って結構凄くね!?
俺そんな物貰ってたのか?
っと…よし、それじゃあ四つ目の願いは、隠れ家として、飛行艇だ!
《願いを承認、飛行艇の構築、召喚を開始します。……終了しました。これより召喚を開始します。》
その時、目の前にいかにも飛行艇って言うような帆船で、プロペラなどが付いている船が目の前に現れた。
……あっぶねぇーー!!
町中だったら事故所では済まんぞ?
俺は今、町から少し離れた場所居る。
何故って?町というルールや制限で固まった場所より、開けた高原でのんびりする方が良いからである。
とりあえず、飛行艇は後にして…最後の願いは、母さん達には悪いけど、俺を大人にして、この十年間俺に関わってきた人全ての俺の記憶を削除してくれ。
《願いを承認、個体名ガヴァの年齢を十六歳へ変更、変化させます。次に、繋がりのある人物の記憶を削除させます。………完了しました。これにより、転生の願望の効果は無くなります。》
ふぅ、やっと自由だ……。
《…?、マスター?何かご不満でも?》
いや、願ったのは俺だけど、やっぱり寂しいなって。
でもいいよ、母さん達が覚えていた状態で、世界の支配統一なんてしたら、迷惑が掛かったと思うし。
その時俺の体が光り出した。
俺の体がみるみる現世の姿に…って、え?十六歳?
普通成人って十八才じゃないの?
《この世界では十六歳から成人となります。》
なるほど、まぁ、馴染みある年齢の姿だし、まぁいいや。
「さてと、起動してみるか、飛行艇!」
俺は飛行艇の中に乗り込む。
おぉ~!俺が夢見た飛行艇じゃないか!
上に細長い円形の風船みたいなのが付いてる。
そして、海賊船みたいな船体!
横には両端に棒が三本が少しはみ出ていて、小さい帆が付いてて。
後には大きなプロペラ、円形の風船は、木の板で固定されていて、風船の後にはもう一個大きなプロペラが付いている。
そうして一本の柱が真ん中に付いていて、そこには小さなプロペラが四個。
俺が求めていた飛行艇じゃないか!
そして、最後に船内!
俺は扉を開ける。
お~!すげえ!かっこいいし、広いし!……広いし……ひろ…いし…。
俺は外と中を何度も確認する。
……なんか外小さく見えるのに、中めっちゃ広いんですけど!?
《結界魔法による効果です。結界魔法で作られたエリアの魔力波を感知、結界魔法の習得が可能性となりました。シルフィードの技術により、獲得が可能性です。獲得しますか?》
結界魔法か!色々と便利そうだし、よし!獲得!
《命令により、結界魔法を獲得しました。》
よし、それじゃあ早速動かしてみるか!
《マスター、連絡が御座います。》
…?、どうした?
《飛行艇と、私、シルフィードの連動及びリンクが可能性です。飛行艇匿名に、シルフィードを連動させますか?》
なるほどなるほど、Bluetoothみたいな感じか、よし!頼む!
《命令により、飛行艇匿名とシルフィードをリンクさせます。リンクが完了しました。自動運転を開始しますか?》
自動運転?
なんでそんなことが出来るんだ?
この異世界に自動運転とは、凄いなシルフィード。
《私、シルフィードによる適切な軌道で航行します。針路は変更可能です。命令による行動も変更可能です。》
便利だな~、やっぱり凄いな、シルフィード。
とりあえず頼む。
あ、でも直上だけだ。
《了解しました。》
さてと、色々とパーツは揃ってきたし、支配者として行動するときは、計画で練っていた設定でいくとするか!
ちなみに、厨二病ではない。
これは、結構団体が大きくなったときに、それが俺だってことがバレないようにするための、変装である。
あと、堂々として、かっこよくなきゃ支配者としての覇気がないからな。
俺は、少し声を低くして、この世界で初の支配者の咆吼を響かせた。
「平伏せよ!私は、この縛られし世界を解放する者……支配者…ガヴァ・ノートである!」