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縛られない支配者になるために…!  作者: 八風ゆず
魔国前哨戦編
17/31

開発者の誕生と戦艦

「………っというこという訳なんです」


男は切ない顔をしてノートに言う。


「なるほどな」


俺は顎を撫でながら頷く。


「申し遅れました。俺はフェラン。フェラン・スティーンです。深淵狂気の森から助けて下さり、有難う御座いました」


「…………」


俺は少し考える。


「今日は有難う御座いました。村に帰って、村長に謝らないと…」


考えた後、俺は口を開いた。


「お前、得意分野とかあるか?」


フェランは少しキョトンとしていたが、答えた。


「武器とかの設計とか……ですかね?」


ほぅ、ビンゴ!

やっぱしなぁ~。


俺は、フェランの居た村について少し考えた。

まず、そこまで発展はしていなかったと踏む。

そうすると、何故デッドスケルトンのコアを貫くほどの精密で強力な武器を持っていたのかという疑問が上がる。


そしたら、五つの可能性が出てくる。

一つ、国から輸入していた。


二つ、商人からの購入。


三つ、冒険者や魔物の遺品。


四つ、伝統的な物。


五つ、フェランが作った。


これらの中で、俺が確実だと思ったのは、五つ目のフェランが作った。である。


理由は、以下の四つ。

一つ、金がない。

二つ、商人は国への直行の方が儲かる可能性があり、寄っていなかった可能性。

三つ、デッドスケルトンにほとんど奪われていた。

四つ、フェランが持っていたのはおかしい。

っと考えると、フェランが作ったの可能性が高い。


「それじゃあ。ここに留まって開発者をしてくれないか?」


「え?」


「だって、深淵狂気の森からまた出られるなんて保証はないはずだ」


「それは……」


「別に、無理にとは言わない。だが、約束を守ってくれたら俺も一つ約束を守ろう」


「約束…?」


「それは…フェリアさんを生き返らせてやる」


「………!?」


「どうだ?」


「……………」


フェランは、悩んでいる。

顔を覗かなくても分かる。

俺はそう確信した。


「分かりました。やりましょう。助けて下さった恩義も返さずに帰るなんて、今思えば失礼にも程があり過ぎましたし」


「それじゃあ、交渉成立かな?」


「はい!これから、よろしくお願いします!」


フェランは跪く。


「あぁ、よろしく」


「所で、私の仕事内容を少しでも良いので教えて欲しいのですが…」


「あぁ、それはね、俺達はこの国の建物や武器、ほとんどが魔力水と言う物で作られている」


「……え?!嘘だろ…これが、全部?!」


フェランは部屋を見渡しながら言う。


「でも、動かない物だと良いのだが、動く物になると大変設計が複雑になる。機械的な物じゃなくても、歯車などでも魔力水で作るとなると可能だ。でも、歯車の位置などの設計が困難。そこで、君の出番だ開発者」


俺はフェランに指を指しながら言う。


「なるほど…分かりました。やりましょう」


「いいね。根気が良い」


俺は、空き部屋にフェランを案内した。


「そして、これをどう動かせばいいかを考えて欲しい」


俺は、まず五枚の資料をフェランの机に置く。


「これは…」


「戦艦全五隻だ」


そう、戦艦全五隻、その名は…。


戦艦 大和

戦艦 武蔵

戦艦 信濃 

戦艦 紀伊  

戦艦 尾張

である。


「これは…凄いですね。四十六インチの大砲三門が三つ、分かりました。お任せください」


「その戦艦、大和型の解析開発が終わったら、俺独自の新型戦艦達を作って欲しい」


「え?これはノート様が作った物じゃないのですか?」


あ、そっか。こっちの世界は知らないんだ。


「あ~、いや、そうなんだが…それよりももっと強いやつを作るって事だ」


「なるほど…で、その艦船とはどのような?」


「戦艦美作、九十二インチ四連装砲六基二十四門の戦艦だ」


「なるほど…所で、そのやまと…?みまさか…って何ですか?」


「とある場所の名前だ。因みに、このオーバーローズは王花(おうば)って感じだな。この部屋は自由に使って良い。頼むぞ」


「分かりました!ともかく、此方を終わらせなければ」


因みに、何故戦艦を作るかというと、この国オーバーローズの近く、ここアトラスの首都ナスカラディアの北側は海が広がっている。


つまり、オーバーローズを挟んでいる山々の向こう側にある訳だ。さらに山を貫通するようにオーバーローズの城の後には、水だまりがある大きな洞窟があり、繋がる先は海。

これはもう…戦艦作るしかないよな!



「あぁ、よろしく頼む」


そして、俺はそう言い残しフェランの部屋を去った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


俺は、俺の部屋兼王座の間へ戻り、シリウスを呼んだ。


シリウスがドアを開けながら言う。 


シリウスの目の前には、王の椅子に座り、足を開き頬杖をついているノートがいた。


「お呼びでしょうか?」


「あぁ、シリウス。一つお願いをしたい」


「何でしょうか?」


「……五芒星を集めろ。今夜までにだ」


俺は目を細める。


「っ……!」


それに連れ、シリウスは目を大きく開いた。

それもそのはず、五芒星が完全に揃うのは約半年ぶりの事。

五人が全員任命された日以来一度も集まることがなかったのだ。

報告などで会うことがあっても、揃うことはなかった。


「承知いたしました。皆に連絡をして参ります」


そう言い、シリウスは王座の間から出た。


「五芒星、全員揃うのは久しぶりだな」


俺は一人、誰も居ない王座の間で呟く。


◆◇◆◇◆◇夕方◆◇◆◇◆◇◆


「……さま」


誰かの声が聞こえてくる。

誰だ?人が気持ちよく寝てるってのに。


「……さま!……主人様!」


「ん…あ?あ、あぁ、ベガか」


「主人様、言われたとおり、皆様揃いましたよ」


そうだった。シリウスに言って頼んだきり何もすることがなくて寝たんだった。


ベガが俺が座っている椅子から離れ、五芒星の皆が立っている所へ向かう。


「主様」


ベガが戻ったことを確認すると、シリウスが口を開いた。


「只今をもちまして、私シリウス、カノープス、アルファード、アーク、ベガ、揃って…」


シリウスが言い終わると、五人が口を開く。


「「「「「五芒星、集結いたしました!」」」」」


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