44:はじめての呪法融合!(ゆうきじゅうだい!)
襲い掛かってくる術師集団。
まずは先方の三人がその呪法を解放させた。
「“殺賊・大妄・我が統べるは鋼の器”! 我が身に力をッ、『羅漢呪法』!」
一人は膂力増強能力。
筋肉に呪力のラインが奔る。
「“韋将・八艘・我が統べるは地の鉄鋲”! 駆けるぞッ、『韋駄天呪法』!」
一人は瞬発強化能力。
足の回転が不自然に上がった。
「“別魂・勧請・我が統べるは骨肉の華”! 生まれよ、『六臂呪法』!」
一人は、部分分身能力といったところか?
元の両腕とは別に、周囲に四本の腕が浮かび上がった。
「「「死ねぇ特等赤ちゃんッッッ!」」」
敵の中でも最も近接戦闘力に優れていると思しき三人。
こいつらを前に、俺は楽しくなってくる。
「えーあいえしぃ……!(お前らの能力、全部パクるぞ)」
まずは地を踏み『破砕呪法』発動。
瞬間的に俺の周囲に小地震が起き、三人の足がわずかによろけた。
決して倒れるほどではない。
が、加速状態の瞬発強化能力者は大きくバランスを崩しかける。
「うぉおっ!?」
「ゆりこ(甘いぞ)」
隙が出来た瞬間にこちらから接近。
懐に飛び込み、『衝撃強化』を纏った拳をどてっぱらに当てた。
「ぐがはぁああーッ!?」
まずは一人。
「て、てめぇッ!」
「仲間をよくもっ!?」
残る二人が俺を挟むように襲い来る。
だが遅い。
「ぷりうす、ろうじんとうさい(疑似発動『韋駄天呪法』)」
瞬間、俺はかき消える。
超高速ハイハイで男たちの間を脱し、部分分身能力者の頭上に立った。
「これはっ、能力コピー!?」
「みんしゅせいけん(正解だ)」
そして一蹴。
衝撃強化された蹴りを頭に食らわせ、その意識を一瞬で奪った。
これで二人。
「ふっ、ふざけるなぁッ!」
最後に膂力強化者が襲い掛かる。
そいつを前に、俺は面白いことを考えた。
さてまずは。
「しゃくらいすずきなるみるにゃ(疑似発動『六臂呪法』)」
俺の周囲に四本の腕が現れる。
自身の手を分身させる技なのかちっちゃい赤ちゃんハンドだ。
「へっ、リーチもクソもねぇな!」
鼻で笑い飛ばす筋肉男。
だが別にいい。
ここでさらに、
「こらぼ!(呪法融合!)」
俺は呪法を組み合わせる!
「『いほうどうじん』だうんろーど、“にじしゃんじろーれん”!(疑似発動『獣身呪法』、モデル“大顎鮫”!)」
手のコピーを四つ浮かばせる『六臂呪法』。
そこに、己が手足を獣に変える『獣身呪法』を組み合わせたのだ。
結果、
『『『『シャァーーーーーーーーーッ!!!』』』』
「なぁにぃいいッ!?」
体長二十メートルを超える巨大鮫が四体現れた!
「てんばいやー(さぁ行け鮫たちよ)」
「やっ、やめろぉーーーーーッ!?」
宙を泳いで敵に群がるメガロドンたち。
史上最大の鮫相手にはなすすべもなく、筋肉野郎は噛まれまくるのだった。
これで三人だな。
「流石はウタ様、私に夢をくれた人♡」
ユキネママ様が側に来た。
その手には、複数の手術器具が。
「倒れた者たちはお任せを。全員性転換させていきます♡」
『ひッ――!?』
残る敵の術師たちが一斉に顔を引き攣らせた。
尊宝家、お前らようやく誰を敵に回したかわかったようだな……!
血と金玉の雨が降るぜ。
「さぁ、最終目標は屋敷奥のキリカ様を保護することです」
「っ、させるものかっ!」
尊宝家当主・ワラジは急いで屋敷のほうに駆け出した。
「俺はキリカを連れて退避する! 家臣たちよッ、決してこいつらを通すなっ!」
『おうッッッ!』
壁のように揃い立つ術師たち。
さらにワラジの逃げ込んでいく屋敷奥からも、「当主様お怪我は!?」「救援に参りました!」と、追加の者たちが現れた。
「これはずいぶんと厚い肉壁だこと。ウタ様、アナタはどんどん敵を倒していってください」
もちろんそのつもりだ。
もっと術を奪い取って、色々組み合わせてみたいからな。
たとえば、
「やーーーーーーー!!!!(疑似発動『羅漢呪法』)」
俺は筋力増強の呪法を発動させた。
普通に考えれば腕っぷしが上がる程度の能力だ。
しかしここで解釈を広げて、分身させた腕でもあるモノに対象を広げたら?
『『『『ギシャァーーーーーーーーーッ!!!』』』』
成功である。
俺の分身腕から変化した大顎鮫たちは全身バギゴギになった。
超巨大筋肉鮫チームの完成だ。
「ひっ、なんだありゃぁ!?」
「なんだよあの赤ちゃん! こんなの勝てるか!」
「でも負けたら女の子にされるんだろ!?」
絶望顔になる術師たち。
その様にユキネママ様がくすりと笑った。
「ではウタ様、彼らを倒しながら進んでいってください。私はイラガに守らせながら、追い性転換していきますので」
「追い性転換ってなんだ……!?」
メスを輝かせる彼女と、そんな奥さんにドン引いているイラガ。
こうして俺とママ様は、げらげら笑いながら屋敷へと突っ込んでいった!
屋敷「こないで・・・!」
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