37:はじめての雇用!(はっぴーれでぃさんしまい!)
初投稿です。
大地主になった後のこと。
街の平和を守りまくってる正義超人ウタくんだが、
「ちょっとウタ様! 地元のブラック企業の数々で、暴行事件が起きまくってるんですけど!?」
和服メイドのクレハさんに朝から怒られてしまった。
「わろた(あーその件ね)」
「いやなに笑ってるんですか!? 奥様似で顔だけは無駄に超絶可愛いんですからやめてくださいよ!」
顔“だけ”はってなんだ中身も可愛いわ!
「こんるし~!(ほら俺の笑顔を見ろ。中身まで可愛いとわかるだろう?)」
「地雷系女子みたいですね」
誰が地雷系女子じゃッッッ!
「ぷりぷりうすうす!(俺はキレたぞ!)」
「はいヤクルトあげますから怒らないで」
「めんきょへんのう……!(許したぞよ……!)」
俺は平和な心を取り戻した。
この身体になってから甘いものがマジ美味いわ~。
「ふぅ。それでブラック企業(物理的)壊滅事件の話ですが、暴走した者たちをそそのかしたのってウタ様ですよね?」
懐から事件書を取り出して見せてきた。
そこには、
『被告人は被害者たちと同会社の社員。2階フロアで係長を殴打後、3階フロアで課長、4階フロアで次長、5階フロアで部長、6階で専務、そして7階で社長を半死半生に追い込み、ビル屋上で高らかに拳を突き上げていたところを確保した』
とあった。
やってんね~。
「いやなに後方師匠面してるんですか!? どの犯人も過剰な『肉体再生』でガンギマってたそうですけど!? 『ウタ様やりましたよォッ!』と叫んでたそうですけど!?」
「きおくにございません(さぁなんのことだか)」
「しかもウタ様、土地管理術師の権限で裁判に割り込み、犯人たちを不起訴にしちゃってますよね?」
「ふぁ!?(ふぁ!?)」
おおぅ、そこまでバレていたか。
クレハさんには書類業務を手伝ってもらってるが、その件は秘密裏にやってたんだけどな。
裁判所にも変装して出向いてさ。
「ふしぎはっけん(なぜバレたんだ……)」
「いや、変装しようが赤ちゃんは赤ちゃんでしょ」
ってたしかにそうだー!?
「かれはまーく(やるなクレハさん)」
「かれはじゃなくてクレハですよ! はぁもうまったくっ」
クレハさんは溜息を吐き、「まぁこの件をきっかけに、各企業の業務体制が取りざたされて改善することになったそうですけど……」と呟いた。
「じゃいあん(じゃあいいじゃん)」
「よくないです。今度からはこう、もっと平和的にやってください!」
クレハさんも具体案が思いついてないようである。
じゃあ案が思いつくまでは暴力解決でいきますか。
悪いヤツ全員が復讐されてけば周囲もまぁよくなるだろたぶん。
「わかりましたねウタ様? 平和的にですよ!?」
「おかのした(検討させていただきます)」
「うーんダメそう……。そのブラック企業への憎しみはどこから来るのやら……。まぁその話は置いといて」
クレハさんは咳払いすると、別の紙を見せてくれた。
なんぞ?
「今月の収支書です。妖魔を討伐した場合、『周辺店舗からの徴収』+『敵妖魔のランクやその市の税収に応じた報奨金』が支払われますが、ウタ様は前者を断ってますよね」
まぁな。
法に定められた報奨金と違って前者は『謝礼』ってことで、呪術師によっては多額の金をせびってるらしいが、そういう真似はしたくないからな。
「びんぼっちゃま?(やっぱり稼ぎが悪い感じか?)」
「いえ、ご覧ください。これまでの敵は雑魚妖魔ばかりでしたし、たしかに一討伐あたりの報奨金は微妙です。ですがウタ様は献身的に土地を回り、次々と妖魔を狩ってらっしゃいますからね。稼ぎも結構なものですよ」
ほうほうほう。
そりゃ毎日パトロールしてる甲斐があるってもんだ。
「四条イラガと違って快く対応してくださるウタ様はかなり信用が厚いです。そのため、妖魔を発見次第即連絡してくる住民も多いじゃないですか。徴収も行ってないことが大きいかと」
あーそりゃデカいな。
いざ呪術師を呼びつけても金取られるとなりゃ、放置しちゃうよなぁ。
「一般人も呪力皆無というわけではないですから、呪術師にカネを取られるくらいならと勝手に戦う人は多くいます。そうして怪我をしてしまう場合も……」
む、そりゃいかんな。
「はい。なので民衆の懐を考えたウタ様の方針は、非常に良いものと思っております」
やったぜ褒められたぜ!
「ブラック企業社員を復讐鬼にしていくのはどうかと思いますが」
速攻で怒られたぜ!
「おかのしたー(検討させていただきますー)」
「だからその返事は信用できませんって……。それで収支もいい感じですからね。家の従者を増やしてもいいんじゃないですか? 先ほど言った電話の対応係に、税務処理もできる人に、ウタ様の宣伝活動をできる人とか。私も書類仕事までするのはキツいですし、あととにかくまともな同僚が欲しいっていうか……!」
おぉぅクレハさんってばかなり苦労してる感じだ。
まぁそうだよな。
ウチが没落した時から、ずっと頑張ってくれてるもんな。
よし決めたぜ。
「しすたーくれあ!(クレハさんに同僚をプレゼントだ!)」
「くれあじゃなくてクレハですが」
舌が回らないんだからしょーがねぇだろ。
ともかく俺はキッズ携帯を取り出し、ある三人の女性の番号をピ・ポ・パと。
「こんるしー(かくかくしかじかで来てくれるか?)」
『『『すぐに伺いますッッッ!』』』
即答で応じてくれたぜ。
というわけで数分後、
「「「ウタ様に雇われて来ましたァッ! ブラック上司全員ボコグチャにしてクビになった三姉妹ですッッッ!!!」」」
「ギャーッ最悪の同僚きちゃったーーーッ!?」
楽しい職場になりそうだな!!!!!
・アットホームな職場完成――!
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