1:はじめての出産!(こんにちは!)
処女作です。
変なところがあったら指摘してください。
「運がない人生だったな……草も生えねえよ」
道端に転がりながら俺は思う。
「金のない家に生まれて、日々家計を助けるためのバイト漬けで勉強する余裕もなくて。当然大学にもいけず、高卒で最悪のブラック企業に入っちまって……」
そこで疲れ果て、結果が今だ。
民家も付近にない真夜中の帰り道。
疲れ果てていた俺は爆走してくる車にぶつかり、地面に血だらけで転がっていた。
……もう幾ばくか経つが、救急車は来ない。
「ははっ……運転手の野郎、そのまま逃げていきやがったからな」
もし今が真夜中でなければ、通行人が見つけてくれただろう。
そもそもふらつくほど会社で酷使されていなければ、車を避けられたかもしれない。
そしてもっと良い生まれなら、あんな会社に入ることもなくて……。
「あぁ、もう眠くなってきたな……」
当初は感じていた痛みも、今はもうさっぱりだ。
「後悔しかない人生だったよ。はぁ……俺にもっと、運があれば……」
あるいは、
「どんな不運も壊せるような、『力』さえあれば……――!」
――そのつぶやきを最後に、俺の意識は落ちていった。
◆ ◇ ◆
そして。
「アナタ、生まれました……っ!」
「おぉ男の子か! よくやったぞ、無事に女の役目を果たしたな!」
「っ、女の役目、ですか……いえ、そうですね……」
「あぁよくやったよくやった!」
気付けば俺は、見知らぬ男女に抱き上げられていた。
(は?)
な、なんだ?
なにがどうなっている?
俺はたしかに車に撥ねられ死んだはずだが?
「ぁ、あうぅぁ?(あ、アナタたちは一体?)」
「おおっ、生まれたばかりだというのにもう泣き止んだ上、儂らを見て何やら喋り出したぞ? これは強く賢い子になるなぁ!」
「ふぁ!?(はぁ!?)」
だ、駄目だ。
舌が短くて全然回らない!
それに、“生まれたばかり”だと?
その口ぶりからしてもしや……俺って今、赤ん坊になっちまってるのか!?
「励めよ、我が子よ。お前は呪術師の名家『大文字』一族の跡取りなのだからな」
「あぁ? るしゃぁ?(はぁ? 呪術師?)」
この壮年の父親らしき男、一体何言ってんだ!?
おいおいおい。パッパが中二病とかマジかよ。
「か、かれはじゃい……!(そ、そんなの草も生えないぞ……!)」
舌ったらずすぎて言葉が変になってしまうが仕方ない(赤ちゃんだから)。
いやこれ、さすがに何かのドッキリだよな? 舌は痺れさせられてるとかで。
「みずはらいっぺい……!?(俺は騙されてるのか……!?)」
そう思ったがしかし、いつまで経っても『ドッキリ大成功』と札を出す者は現れない。
それどころか、ふと手を見れば、俺の手は赤ちゃんの肉団子おててになっていた。
これは完全に赤ちゃんだ……!
「みけ、ねこッ……!?(もしや、転生ってヤツなのかッ……!?)」
驚愕する俺。そんなこちらに両親は気付かず、呪術とやらについて話していた。
「さて、この子が受け継ぐのは我が斬属性の『草薙呪法』になるか」
「それともわたくしの『破砕呪法』になるのか……」
謎の会話をする両親。
一体全体、俺はどんな世界に生まれちまったんだ!?
「びぎゅもたぁ~!?(どうしてこうなった~!?)」
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