表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

電波くんと会話したけどやっぱり電波だった

作者: めみあ

2022.6/27

不揃いの部分を揃えました。

内容は変えていません



電波くんと呼ばれる同級生がいる。

無表情でガタイがよく、なんとなく恐くてほとんど話したことはなかった。

接点もないし変な人がいるんだな、くらいだったのに……



「電波くんって呼ばれる理由がよく分かった」

「そうか」

 電波くんは気にもとめず飄々としている。


「ねぇ、好きな子が他の男といるの嫌じゃないの?」

「気にしない。あいつはいつもああだ。娼婦をしていた事もある。」

「……それはさっきから言ってる前世…で?」

「そうだ」


 電波くんは、学年で一番人気のある高野麻理につきまとっていることで有名だ。

 でも少し話してみて分かった。彼は高野麻理と前世からずっと一緒だと言い張る電波系ストーカーだと。



「その…前世では高野さんとはどんな関係だったの?」

 刺激しないよう、彼の話にのる。


「いつもそばで守る関係が多かった。護衛や用心棒だ」

「へえ」

 ――どうやって逃げようかな……


「沢田さん、あいつに男を寝取られたからといって気にしなくていい。あいつは昔から誰も好きにならない」

「……デリカシーないし、なんの慰めにもなってない」


 電波くんの言う通り、元彼は今、高野さんと付き合っている。たしかに高野さんは男を取っ替え引っ替えで有名だ。しかも大体が略奪。 


「電波くんは他の子に目がいかないの?」

「そうだな」

「それって何?運命ってやつ?」

「そうだな、多分。報われたことはないが」

「へえ」

 ――嘘でもホントでも趣味わる。


「でもさ、電波くんこのままだと警察に捕まると思うよ」

 これはずっと言いたかった。つきまとわれて嬉しいならとっくに付き合ってる。


「……それは……」

 電波くんは初めて口ごもり大きな拳を握ったり閉じたりしている。

 ――やばっ!踏み込み過ぎた?


「初めてなんだ……そばにいられないのは」

 電波くんは悔しそうな顔をした。


 ――そんな顔してるけど自業自得だよ。


「ねえ。異世界みたいなとこにいたの?だったら召喚されてウェーイみたいなの見た?」

 軽く聞いてみただけなのに、電波くんの顔色が悪くなり手が微かに震えている。

 ――やばっ!また余計なこと言ったかも


「俺のいたところは、異分子は全て排除するところだった。だから……」

 電波くんの手の震えが大きなものになる。

「いっ…いいよ言わなくて!! ていうか言わないで!!」

 ――もう噓とかホントとかどうでもいい!


「もう行くね!あいつらもいないし」


 実は高野さんと元彼がイチャコラしている前を通らないと帰れず、困っていたところを電波くんから声をかけられた。


「そうか。また明日な」

 電波くんはさっきまでの態度が嘘のように飄々と手を振る。


 ――あれ、もしかして元彼を見て落ち込んでたから慰めてくれたの……? 

 

 なんてキュンとしないよ!

 マジでこわっ




 電波くんはそれからも相変わらずだ。

 ただ私の事を、前世で家族だったとか言い出し始めた。やめてーー




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ