【縦笛の子守唄】
こんにちは!有馬波瑠海です!
(*´-`)
今回で連載小説は、四作品目です。うん。なんとも不吉な・・・。まぁ、気を取り直して、書いていきますので、最後までお付き合いいただけたら、嬉しいです・・・(*´-`)
【今までの連載小説】
1 【時雨の里】(連載中) https://ncode.syosetu.com/n5101gr/
2 【七世と森の少年】(完結済み) https://ncode.syosetu.com/n1320gs/
3 【闇に沈む侍】(完結済み) https://ncode.syosetu.com/n3500gt/
4 【あやかしの国に渡る少女】←今回
チッと不機嫌そうに月を見ながら、時雨はパイプタバコを吸う。
アタシは、そんなことを気にするそぶりを見せず、半雪と座敷わらしと共に障子やら、襖やらを張り替えて行く。
【里李】
「ごめんなさいね。半雪。手伝ってもらっちゃって。」
【半雪】
「まぁ、気にすんな。あいつはあぁーゆうやつだから、気にくわない気持ちも分かる。」
座敷わらしが、うんうんとうなずく。アタシは、半雪に気になっていたことを聞いてみた。それは、あの銀扇の屋敷で出会った初花というあやかしについてだった。しかし、ここ何百年か、そんなあやかしを見たことも聞いたこともないという。あやかしの世も人の世と同じく、国のようないくつかあり、その初花というあやかしは、他の国から来たのではないか?ということであった。謎が解けたところで、アタシは、もう一つ気になっていたことを聞く。
【里李】
「ねぇ、どうして時雨は毒を飲んでも大丈夫だったの?」
あぁ・・・それは、と言って半雪は口をつぐみ、時雨の方を見る。すると、時雨は、ふぅーと
タバコを吹くと言った。
【時雨】
「半雪、別に気を使わなくていい。俺は別に半妖だってことを嫌だと思ったことは一度もねぇー。何度も言ってるだろーが。」
時雨は、そういう客間を出て行ってしまった。時雨が出て行ったのを見て、半雪が言う。
【半雪】
「毒って言ってもね・・・。里李は毒が、なんだったか分かるか?」
【里李】
「え?毒って毒でしょう?ほらトリカブトとか・・・?」
【半雪】
「あぁ・・・それは、人間にとってはだね。妖怪にとっての毒は塩だよ。あの茶に入っていたのは、塩・・・。妖怪が飲めば毒になるが、時雨は、半分人間だからか大丈夫なんだ。」
なるほど。確かにカエルの顔を治療した時に、時雨は塩を触ってても、なんともなかった。
【半雪】
「時雨はね・・・。昔から苦労がたえなかった。人でもあやかしでもない存在。人とは比べ物にならないくらいの寿命を持つあいつは、人として生きることはできない。かと言って、あやかしとして生きるには、優しすぎる・・・。基本あやかしは、力が全ての生き物。自分以外のモノに対して、思いやりや情なんてもんは持ち合わせちゃいない。そんな中であいつは人としての優しさを持ってしまっている。そんなあいつが、このあやかしの世界でいくんだ。さぞかし冷たい世界に、あいつには見えてるだろうよ。」
あぁ・・・。そうか。時雨と自分は似ていたのだろう。最初に出会った時に感じた違和感。あやかしでもない、人間でもない感じ・・・それは、自分自信にも似たような感覚。どこか寂しくて、切ない、自分が自分に感じている感覚を時雨からも感じたんだ・・・。
【里李】
「人間の世界だって、冷たい世界よ。自分達とは違うモノを認められないんだから・・・。自分達とは違う異質な存在を、まるで自分達とは違うモノを見るような目で見るんだから・・・。でも、どこの世界にも理解者になってくれる人がいるものね・・・。時雨にとっては、あなたは良き、理解者になってるはずよ・・・。」
アタシは笑う。そっか・・・。自分だけではなかった。どこの世界にだって、誰だって、孤独と戦っているんだ。そう思うと、なんだか素直に時雨にしたことが申し訳ないと思えて来る・・・。
【里李】
「半雪、わらしちゃん・・・。アタシ、時雨のところに行って来る・・・。」
アタシは、時雨を探す・・・。しかし、屋敷の中にはいないようだった。
外に出て行ってしまったのだろうか?
アタシは、2階の露台から時雨が森へ入って行くのが見えた。アタシは、屋敷を出て、時雨が消えて行った方へと向かう。すると大きな池の辺りで、時雨が岩に腰かけて、縦笛を吹いている。その縦笛の音色は、とても美しく、一瞬何をしに、外へ出て来たのか忘れてしまっくらいだ。しばらくすると、白い魂が時雨の周りに沢山集まってくる。一瞬、蛍などの類いかと思ったが、蛍にしては光が大きいかった・・・。
・・・時雨様が、人間の女の子を連れ来た・・・
・・・本当だ・・・
・・・本当だ・・・
その白い魂から聞こえて規定ようだった。時雨は、アタシに気がつく。
【時雨】
「ん?まだ、逃げ出すつもりか・・・。逃げても良いが、ちゃんと何だづけてからにしろ・・・。」
【里李】
「この白い魂達は・・・?」
【時雨】
「人間になれなかった、人間の子供達だ・・・。母親の中で死んでいった子に、生まれてからすぐに死んでしまった子・・・。そういう子は、ここの池にやって来るのさ・・・。」
ここの池に来れば、時雨様が縦笛を吹いて子守り歌を歌ってくれるのだと、その白い魂達は言った・・・。
【里李】
「時雨、今日は・・・ごめんなさい。アタシあなたのこと、疑ってた・・・。」
里李は、丁寧に頭を下げる。
【時雨】
「・・・分かれば良い。」
案外すんなり、受け入れたなと呆気にとられてしまう。よほど不思議そうな顔をしていたのか、時雨がこちらを不機嫌そうに見てくる。
【時雨】
「・・・なんだよ。俺は、鬼じゃないんだから、人はくわねぇー。それに、アンタみたいに弱いものいじめするような悪魔じゃねぇー。」
【里李】
「ア、アタシだって、悪魔じゃないわよ。アタシはただ・・・。あやかしは全て悪だと・・・そう教えられて、そういうものだと思ってたから、自分の身を守ろうと思って、正当防衛をしただけよ・・・。」
時雨は、ふぅーんと興味なさそうに言った。アタシは、そんな時雨に聞く。
【里李】
「ねぇ・・・。良いかな?アタシも笛を聞いていても・・・。」
・・・・・好きにすれば・・・・・?
時雨は、そう言うと再び縦笛に口をつけ、美しい音色を奏でるのだった。
読んでくださり、ありがとうございました!(*´-`)次回は、明日の午前9時です!よろしくお願い致します!(*´・∀・)ノ
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