【 たまには、兄弟水入らずで、面妖な茶でも・・・ 】
こんにちは!有馬波瑠海です!
(*´-`)
今回で連載小説は、四作品目です。うん。なんとも不吉な・・・。まぁ、気を取り直して、書いていきますので、最後までお付き合いいただけたら、嬉しいです・・・(*´-`)
【今までの連載小説】
1 【時雨の里】(連載中)
https://ncode.syosetu.com/n5101gr/
2 【七世と森の少年】(完結済み)
https://ncode.syosetu.com/n1320gs/
3 【闇に沈む侍】(完結済み)
https://ncode.syosetu.com/n3500gt/
4 【あやかしの国に渡る少女】←今回
【銀扇】
「お前が俺のところに尋ねて来るとはな・・・。何百年ぶりといったところか・・・。」
玄関先に立つ腹違いの弟を見て、まるで宿敵に放つような憎らしげな口調で銀扇は言った。しかし、時雨はまったく動揺することはなくその表情には、余裕すら感じられた。
【時雨】
「とっとと、人間の女を渡せ、俺はお前に会いたくて来た訳わけじゃねぇーんだよ。」
時雨は、面倒くさそうに言う。
【銀扇】
「まぁ・・・上がりな。」
銀扇は、時雨を客間に案内し、座らせた。美しい雪女がお茶を持って来て、時雨の前に置く。そのお茶を前にして、時雨はふっと笑った。
【時雨】
「これはなんとも、美味しそうな茶だな・・・。こんなに大勢の見物人に見守られて・・・。」
時雨は、客間と庭の間にある廊下や、天井などに目を向けて言った。そして、銀扇に再び向き直ると艶やかに笑い、まるで試すかのように言う。
【時雨】
「そんなにこの茶は、珍しい物なのかい?」
気配で感じる。自分がいる部屋の周りを囲むあやかし達の存在と、そのあやかし達が己に向ける殺気・・・。
【銀扇】
「時雨、俺と決闘をしろ・・・。さもなくば、あの人間を殺す・・・。」
暫しの沈黙の後、時雨は言った・・・。
【時雨】
「やれやれ・・・・。血気盛んな兄貴を持つと、苦労する・・・・。だが、まあ・・・そうだな。」
そう言うと時雨は不適に笑った。そして、 「そうだな。」今、確かに時雨様はそう言ったぞと周囲を取り囲んでいたあやかし達は、思った。
ついに、時雨様は銀扇様の決闘を受け入れたとそう確信した。後は、時雨がお茶を飲んで死んでくれれば・・・。そう思った時だった。時雨は、湯飲みに口をつけた。
すると、庭から何かが飛んで来る。その何かは真っ直ぐに時雨が茶を飲もうと口をつけた湯飲みの元へと飛んで来た。時雨は、何かが飛んできたのを感じとり、湯飲みを素早く下へおろす。すると、飛んできた何かは目の前を通りすぎて、襖に突き刺さった。それは、一本の矢だった。
庭を見れば、里李が弓を持ち真っ青な顔をして、こちらを見ている。
・・・数分前・・・
アタシは、矢の刃を使って綱を切った後、小屋の中にあった材木を持ち、小屋の戸を蹴破った。すると、見張っていたのか、一匹のカエルの妖怪が襲いかかって来たため、懐に隠し持っていた塩をカエルの顔面目がけて、投げつける。するとカエルは目を押さえもだえ苦しんだ。その隙にアタシは逃げようとしたのだが、近くにあった石につまずきそうになる。
おっとととと・・・あぁ・・・これは、転ぶな。
そう思った時、綺麗な女の人の手がアタシの腕を掴み転ばずにすむ。しかし、しまった・・・。そう思った。アタシは、その手を振り払う。目の前を診れば、藤紫色で桜が描かれた雅な着物を着た、黒髪の美しい女性が立っていた。
【初花】
「落ち着きなよ・・・。アタシは初花。アンタの敵じゃない・・・。時雨ならほら、あそこにいる。早く行くと良い・・・。」
見た目は人の形をしているけど、この人・・・独特な感じがする・・・。多分、この人もあやかし・・・。初花と名乗ったその女のあやかしは、アタシの後ろを指差した。見れば、大きな屋敷の中に時雨が入って行くのが見えた。
【里李】
「時雨だ・・・。助けに来てくれたの?あ、あの、あなたは一体・・・。」
振り向いた時には、もうその初花と名乗ったあやかしはいなかった。敵ではないって言ってたけど昨日の話からすると、時雨派についているあやかしかな?でも、だとしたらなんでこんな所に・・・?
あたしは、そのあやかしのことが気にかかったけど、今は時雨のことが先だ・・・。アタシは、近くの倉庫から弓矢を取り出すと、庭を使って回りこみ時雨の案内された部屋へと辿り着いたのだった。
【里李】
「時雨!良かった・・・。間に合った・・・。」
思わず笑みがこぼれる。良かった間に合った。これで、時雨は、お茶を飲まない。本当に良かった・・・。ホッとして足の力が抜けて、その場にた折れ込む。
ふと、顔をあげると、時雨は今までに見たことのないような冷めた目でアタシを見ていた。そして、そのまま下にさげた湯飲みを再び持ち上げ、中にあるお茶を飲み干す。
【里李】
「ええぇー!!!!!!!ちょっと!あなた、バカなの?何やってんのよ!今までのアタシの葛藤返しなさいよ!!」
しかし、時雨はさらっとした口調で言う。
【時雨】
「お前こそ、何、青くなってんの?赤鬼になったり、青鬼になったり忙しいやつだ・・・。」
しかしまぁ・・・
そう言うと、時雨は銀扇に向き直って、不適に笑った。
【時雨】
「珍しい割には、ずいぶんとまぁ・・・まずい茶だったな・・・。そうだな。考えておいてやるよ。決闘のこと・・・。いつかは、片付けないといけない問題ではあるからな・・・。」
そう言うと時雨は立ち上がる。
【銀扇】
「貴様・・・」
銀扇は、渋い顔をし、憎らしげに時雨を見る。時雨は、パイプタバコをとり出し、一服吸うと、言い放った。
【時雨】
「銀扇・・・。俺のことが憎いのは分かるが、関係ないやつに迷惑はかけちゃいけねぇーよ。次やったら、ぶっ殺す・・・。」
時雨は、そのままその部屋を出た。アタシは、庭をづたいに、玄関口まで回りこむと、玄関口から時雨が出てく来る。
【里李】
「時雨・・・。あの・・・。」
アタシは謝ろうとしたのだけど、時雨はアタシに見向きもせず、黙って庭を歩いて行ってしまう。
怒っているのだろうか?申し訳なくなって、下を向く。しかし、ふと思った。あれ?毒は大丈夫だったの?普通に歩いてるけどこの人・・・。毒を入れ忘れたのかしら・・・。不思議に思った。
時雨はあるところまで行くと、立ち止まった。見れば、先程アタシが塩をかけたカエルがいまだに顔を押さえて苦しんでいる。時雨は、そのカエルを優しく抱き起こす。
【時雨】
「顔から手を離せ・・・。」
顔を覆っていた両手を離すと、真っ赤に腫れたカエルの顔が現れた。時雨はそっとそのカエルの顔に右手を触れるとみるみるうちにその腫れが引いていき、きれいな緑色の顔へと戻る。
【カエル】
「ケ・・・ケロ・・・時雨様・・・。」
カエルは、時雨に何か言いたそうだったが、時雨はそのまま屋敷の出口へと歩いて行く。アタシは、その後を追いかける。屋敷を出ると、昨日の街だった。花魁でも、歩いてそうなあの街は、昼間に来ると少し違ったように見える。なんというか、普通の江戸の街並みのようだった。時雨は、ふとこちらを振り向く。
【時雨】
「アンタ、あんまり弱いものいじめをするのはよしなぁ。お前、本当に人間か?悪魔の間違いじゃねぇーの?」
時雨は握られた右手を開くと、さらさらと白い粉を落とす。どうやらアタシがさっきあのカエルに投げつけた塩のようだった。人の世界でも、霊やあやかしに塩はよく効くと言われているが、どうやら、こちらの世界でもそうらしい。
【里李】
「あ、悪魔って!」
【時雨】
「それに、人ん家来て散らかしたまま出てくんなんざ、礼儀のなってねぇーやつだな。片づけろ。」
時雨はすごい剣幕で畳み掛けるように怒って来る。そのあまりの迫力に泣きそうになる。
【里李】
「な、何よ!うぅ・・・人がせっかく心配してあげたのに!そんな言い方ないじゃない・・・」
【時雨】
「お、おい・・・。」
時雨は、なんだかあたふたしていようだった。しかし、その様子を見ているうちになんだか、腹が立って来て。アタシは、時雨の胸ぐらを掴むと右手に力をこめて。
【時雨】
「えっ・・・?」
【里李】
「この、バカ狐がぁーーーーーー!!!!!!」
李は、思いっきり時雨の頬を殴り飛ばした。
読んでくださり、ありがとうございました!(*´-`)次回は、明日の午前9時です!よろしくお願い致します!(*´・∀・)ノ
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