【 聞こえてくるあやかしの声 】
こんにちは!有馬波瑠海です!
(*´-`)
今回で連載小説は、四作品目です。うん。なんとも不吉な・・・。まぁ、気を取り直して、書いていきますので、最後までお付き合いいただけたら、嬉しいです・・・(*´-`)
【今までの連載小説】
1 【時雨の里】(連載中)
https://ncode.syosetu.com/n5101gr/
2 【七世と森の少年】(完結済み)
https://ncode.syosetu.com/n1320gs/
3 【闇に沈む侍】(完結済み)
https://ncode.syosetu.com/n3500gt/
4 【あやかしの国に渡る少女】←今回
夜中、里李は目を覚ます。周りはひどく散らかっていて、足の踏み場もない。部屋を見れば、壁にもたれて眠る半雪と座布団の上で気持ち良さそうに眠る座敷わらしの姿。里李は、乱れた長い髪を頭の上の方で、ギュッと結び直すと、懐から数珠を取りだし左手で数珠を持ち、右手で人差し指と中指を合わせ念じ、半雪の額にあて、そして次に座敷わらしの額にも同じことをし、部屋部屋の中を探して出てきた二枚の羽織を半雪と座敷わらしに一枚ずつかけると、誰にも気づかれないように屋敷を出た。
違う部屋で、時雨は客人である大天狗と茶を飲んでいた。
【大天狗】
「・・・。時雨。お前もいい加減、腹を決めろ。戦わなければ、銀扇が長の座につく。そうなれば、この黒狐の国は終わりだ。都へ行け、そしてあのアホ銀狐と勝負をつけて来い。」
時雨は、ゆっくりと茶を飲み干す。
【時雨】
「よく言うぜ・・・。頭ならまだしも、半妖の俺があいつに力で勝てるかよ・・・。」
すると、大天狗は全てを見透かしたように、クククククッと笑う。
【大天狗】
「何を言ってるだか・・・。お前、アレを持ってるだろう?」
お茶を飲もうとした、時雨は手を止める。その場に長い沈黙が落ちる。すると、誰かがこちらへ走って来る音が聞こえる。そして、自分達のいる部屋の前で止まると、勢いよく扉が開いた。そこにいたのは、この屋敷に使えるあやかしの一人であるカラスだった。
【カラス】
「大変です!人間の娘が逃げ出しました。」
昨日娘がいた部屋は、荒れるにあれ、障子から襖の壁紙までビリビリに破かれていた。そして、その中で気持ち良さそうにに眠る二人のあやかし。
時雨は、チッと舌打ちをすると、ため息混じりに言う。
【時雨】
「何をどうすれば、ここまで散らかせるのかねー。あのじゃじゃ馬女。ガキでこんなに散らかさねぇーぞ。ったく・・・。」
時雨は、持っていた羽織を着込む。
【大天狗】
「行くのか・・・。」
【時雨】
「あぁ・・・。遊びってのは、片付けするまでが遊びだってのをちゃんと教えなきゃなんねぇー。」
・・・・・・その頃・・・・・・
どうしてこうなるかな・・・。アタシは自分の無能さに飽き飽きしていた。いや、途中まではうまくやっていたのだ。変装も完璧だった。ただ、どうしても気になってしまったのだ。自分が入って来たあの鳥居が本当に無くなってしまっているなかなと・・・。
何せ、時雨達の言っていることが本当かどうかアタシには確かめるすべもなかったわけだったから。
しかし、鳥居のあった場所には、結局鳥居など無かった。諦めて屋敷に戻ろうとした時、何者かに背後から襲われ気がつけば、見知らぬ小屋の中に閉じ込められていた。
手足は紐で縛られている。口には猿ぐつわ。
もう・・・こんな姿見られたら後で何を言われるか分かったもんじゃない。
アタシは、ゆっくりと手足を動かし綱を緩めていく・・・。
まったく、ずいぶんとキツく縛ったものね。全然緩まないわ!それでも、諦めずに手足を動かしていると少しだけ縄にゆとりが出来た。よし・・・
里李は、首にかけた瓶に入った矢の刃を頭を下にしてなとか落とす。
そして、神経を集中させ、近くにアヤカシの気配がしないことを確認すると、瓶を割りその中から矢の刃を取り出す。そして、その矢の刃を手で持ち、少しずつ縄を切っていく・・・。
すると、外から声が聞こえた。
【???】
「時雨様が来ているらしいぞ・・・。」
【???】
「なんだって?とうとう、銀扇様と対決することに決めたのか・・・。」
外では、一匹ではない何びきもあやかしがいて、時雨のことを話しているようだった。この小屋にいては、どんなあやかしなのかは全く想像もつかないが、今いるあやかしは男だけのようだ。
【???】
「いや、時雨様は争い事が嫌いな方だ。多分、この人間を返してもらいに来たのだろう。」
【???】
「だが、銀扇様は時雨様も、この人間も殺す気だぞ。」
えっ・・・時雨を殺そうとしているの?アタシが捕まったせいで・・・。しかも、時雨、アタシのこと助けに来てくれたのに・・・。アタシは、外にいるあやかし達声に耳をすませる。
【???】
「だが、人間はともかく、時雨様が決闘を受け入れなければ、殺すことは出来ない。長決めの掟があるからな・・・。」
【???】
「じゃあ、銀扇様はどうするつもりなんだ?」
【???】
「こうするのさ、銀扇様は、人間の女を返す代わりに、自分と決闘しろと時雨様に取引をもちかける。」
・・・嘘でしょう?半妖である時雨が真っ向から、本物のあやかしである銀扇に立ち向かったところで、殺されてしまう・・・。どうしたら・・・。しかし、事態はさらに悪くなる。
【???】
「だが、そんなことをしたことが、周りに知られれば大事だぞ。」
【???】
「あぁ・・・。だが誰も知らなければ問題ない。全て銀扇様の館の中で行う。外のやつらは誰も中で何があったのか、知らない。知ることもない。館にいる時雨様に毒の入った茶を飲ませるのさ。そうすれば、銀扇様と時雨様の間でどんな取引が行われたか、知るものはいない。時雨が正々堂々銀扇様に、勝負を申込んで来たから、正々堂々と殺したと言えば良いのだ。そして、騒ぎが収まった頃合いを見計らって、人間の女もあの世へ送るというわけだ・・・。」
【???】
「だ、だが・・・。時雨様がお茶を飲まなかったらどうするのだ?」
【???】
「その時は、無理矢理にでも飲ませるまでよ。刀で斬りかかっては、血の臭いを嗅ぎ付けてあちこちから、いろんなやつらが集まってしまう。」
アタシは、背筋が氷つくような思いだった。なんて!卑怯な!ただでさえ半妖でハンデを背負っているっていうのに、よってたかって時雨を殺そうなんて!!
このままでは、時雨が殺されてしまう・・・。時雨が茶を飲む前にこの小屋から、なんとしても抜け出して、時雨が茶を飲むのを防がなくては・・・。このままでは、自分のせいで、時雨が死んでしまう・・・。
読んでくださり、ありがとうございました!(*´-`)次回は、明日の午前9時です!よろしくお願い致します!(*´・∀・)ノ
Twitter始めました!(*´・∀・)ノ
@xGUlpsT6bU6zwi1
投稿のご連絡、小説内で扱かったイラストなどをツイートしています!( ・`ω・´)




