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【あやかしの国に渡る少女】  作者: 有馬波瑠海
4/25

【 ー 派閥 ー 】

こんにちは!有馬波瑠海(ありまはるか)です!

(*´-`)



今回で連載小説は、四作品目です。うん。なんとも不吉な・・・。まぁ、気を取り直して、書いていきますので、最後までお付き合いいただけたら、嬉しいです・・・(*´-`)



【今までの連載小説】


1 【時雨の里】(連載中)

  https://ncode.syosetu.com/n5101gr/


2 【七世と森の少年】(完結済み)  

  https://ncode.syosetu.com/n1320gs/


3 【闇に沈む侍】(完結済み)

  https://ncode.syosetu.com/n3500gt/


4 【あやかしの国に渡る少女】←今回

()()()()()ってのは、狐に嫁入りをした狐の話じゃなくて、人間が、あやかしの世の狐の元に嫁入りをしたって話なんだ。でも、まぁ・・・あやかしに嫁ぐ人間がいたなんて、あまりにも珍しいことだったからな、時代と共に人ではなく狐同士の結婚だったんだろうと解釈され、そう呼ばれるようになったのさ。

と、半雪(はんせつ)は、言った。



半雪(はんせつ)

「そんでもって、その人間の女と黒狐(こっこ)の間にできた子が、時雨(しう)ってわけさ・・・。」


里李(さとり)】 

「じゃあ、時雨(しう)って・・・。」


半雪(はんせつ)

「そう。人間でも、妖怪でもない存在。・・・・・・半妖だ。」


ふぅーとパイプタバコを吹くと、時雨(しう)は、面倒くさそうに語り出す。


時雨(しう)

「迷惑な話だ・・・。俺は、ただ・・・。この山の上にある静かな屋敷から、この綺麗な月を見て時間と共に移り行くあやかしの世と、人の世を眺めていたいだけだってのによ・・・。」


 時雨(しう)の言っていることが、よく分からない。相変わらず月ばかり見ていて、時雨(しう)はこちらを見ようとしないが、里李(さとり)時雨(しう)に問いかける。


里李(さとり)

「長になるの、辞退できないの?あ、まって、時雨(しう)が辞退したら、アタシ死ぬことになるのか?あれ?えーと・・・。ちょっと、状況が飲み込めないんだけど・・・。」


 時雨(しう)は、呆れた顔をしてようやく、こちらを振り向いた。そして、こっちを見てふぅーと大量の煙を吹き掛けてきた。


 ゲホッ ゲホッ ゲホッ ゲホッ ゲホッ


里李(さとり)

「な、何するのよ!」


 時雨(しう)は、何も言わずため息をつく。話すのも、説明するのも面倒臭いそんなところだろうか・・・・・・。ムカつく・・・・・・。みかねた半雪(はんせつ)が説明を続ける。


 黒狐(こっこ)と女との間に時雨(しう)が出来てから、(銀狐)ぎんぎつねは、ひどく荒れた。銀狐(ぎんぎつね)は自分が大妖怪の息子であることを誇りに思っており、黒狐(こっこ)である父親を心から尊敬していた。


 そして、白虎である母親を心から愛していたのだ。しかしある時、黒狐(こっこ)は人間の女を嫁に迎え、自分には人間の血を引く弟が出来てしまったのだ。そして、黒狐(こっこ)はその人間の女を心から愛しているようだった。


 銀狐(ぎんぎつね)はそれが許せなかった。父親の心を奪った人間の女も、その女の子供も殺してしまいたいくらい恨んだ・・・。しかし、父親である黒狐(こっこ)の手前、そんなことをするわけにもいかなかった。


 しかし、銀狐(ぎんぎつね)にとって、朗報が飛ぶ。人間の女はある時、突然死んだのだ。人間の女は、黒狐(こっこ)の長の座を奪おうとした鎌鼬(かまいたち)によって殺された。その後、黒狐(こっこ)鎌鼬(かまいたち)との間で長の座をめぐる激しい戦があり、両者はお互いの命を削り合うと、力を使い果たしてしまった。


 鎌鼬(かまいたち)は、深手をおったまま、森の中で姿を消した。だが、黒狐によって、左胸から右腹にかけて、大怪我をおわされていたため、死んだとれている。その後、致命傷をおった黒狐も時雨の腕の中で、亡くなった。そうなると、銀狐(ぎんぎつね)にとって憎き邪魔物はたった一人・・・。


 そう・・・時雨(しう)だけだ・・・。黒狐(こっこ)も、鎌鼬(かまいたち)も消えた今、新しい長を決めるのに、大妖怪である黒狐(こっこ)の血を受け継いでいる子は二人、前妻、白狐(びゃっこ)との間に生まれた銀狐(ぎんぎつね)と、人との間に生まれた時雨(しう)だけだった。


 力が全てのあやかしの世界で、大妖怪の血を色濃く受け継いでいる銀狐(ぎんぎつね)が長になるのに、誰も文句を言わないだろうと、銀狐(ぎんぎつね)自身、そう考えていた。しかし、事態は銀狐の思うようにはいかなかった。銀狐(ぎんぎつね)は、憎しみから長になった際には人間の世界を滅ぼそうとしていた。そのことを知ったあやかし達は、黒狐(こっこ)の遺言を思い出す。


 黒狐(こっこ)は死ぬ間際に、「人の世に手出しをするべからず」との遺言を残すと、残された最後の力を振り絞って、人の世とあやかしの世を繋ぐ鳥居を人の国で行われる祭りがある日以外をもって、全て閉ざし、その命に幕を下ろした。


 黒狐(こっこ)を慕っていた多くのあやかし達は、銀狐(ぎんぎつね)のやり方に疑問を持ち、また、生前、人間の女があやかし達にとても親切にしていたことや、その息子の時雨(しう)が半妖ながらも仲間思いの懐の深いやつであったことから、時雨(しう)派と銀狐(ぎんぎつね)派に別れ派閥が生まれてしまった。


 銀狐(ぎんぎつね)は、怒りに狂った。なぜなら、このあやかしの国では、長を決める際、ちゃんと段階を踏んで殺し合いをしなければならない。つまり、突然押し寄せて時雨の首をとるわけにはいかないのだ。


 まず、第一に必ず長候補同士が互いの了解を得ること。第二に、戦いを始めるにあたって、3日間の準備期間をもうけること。互いに了承を得る前は、戦いの準備をしてはいけない。了承を得てから、3日間の間で戦いの準備をするのだ。


 具体的には、仲間集めたり、武器を調達したり、罠をはったりと、そんなところだ・・・。そして、長不在のまま黒狐(こっこ)が納めていた黒狐(こっこ)の国は170年が過ぎた・・・。



時雨(しう)】 

「やれやれ・・・。全く、あいつの人間嫌いなんざぁー知ったこっちゃねぇーつーのによ。」


ポロポロと、涙がほほをつたう・・・・・・。

二人は驚いてアタシの方を見た。


半雪(はんせつ)

「なぜ、泣いてるんだ?」

半雪(はんせつ)は不思議そうに聞いてきた。


里李(さとり)

「うぅ・・・だって、兄弟同士で殺し合いをしなくちゃ、いけないんでしょう・・・? なんとか、ならないの?」


 時雨(しう)は、呆れた顔でふぅーとパイプタバコの煙を吹き掛けてきた。


  ゲホッ ゲホッ ゲホッ ゲホッ



里李(さとり)

「あなた、さっきからなんなのよ!こっちは心配してあげてるってのに!」



時雨(しう)】 

「アンタ・・・。頭、大丈夫か?」


里李(さとり)

「あなたに言われたくなーい!」


 アタシは、かんかんになって怒ったのだが、最初でこそ二人は驚いていたのだが、途中で時雨(しう)はくくくっと笑い始めた。


里李(さとり)

「な、何が可笑しいのよ!」


 時雨(しう)は、何も言わず、立ち上がると部屋を出て行こうとする。


里李(さとり)

「ちょっとー!」


すると、部屋を出る間際、時雨(しう)は振り替える。


時雨(しう)

「アンタ、自分の顔、鏡で見てみろよ。」 


 なんだろう?と思って部屋に置かれていた全身鏡を見ても特に変わった様子はない。


時雨(しう)

「知らなかったぜ。アンタ、人じゃなくて赤鬼だったんだな。よく人間に変化(へんげ)しているじゃねぇーか。」


 そう言うと、時雨(しう)は部屋を出て行ってしまった。


それってつまり・・・。怒ってが赤くなった顔が鬼のようだって言いたいわけか・・・。



     ・・・・・・・・・。




     ・・・・・・・・・。




 えっ!?何あいつ、すごいムカつくんだけど!




里李(さとり)

「信じられない!なんなのあいつ!」


パキンッ!ガシャン!!!!バタン!!!!


半雪(はんせつ)

「いや、まぁ・・・落ち着けよ・・・。まぁ、銀狐(ぎんぎつね)の銀扇は、時雨に戦いを早く了承するように迫って来ているが、時雨はまったく了承する気配がない。つまり、君は、何もしなくても来週になれば帰れるってわけだから・・・。」


里李(さとり)】 

「こっちが心配してあげてるってのに!」


 ドタンッバタンッ!ガッシャーン!!!


 半雪が、何か言っているようだったが、怒りで何も入ってこない。


【座敷わらし】 

「どうか、しましたか・・・?」


半雪(はんせつ)】 

「わらし!すまないが、この人間取り押さえるの手伝ってくれ!」


 この日の夜遅くまで、客間からは、何やら騒がしい音が響いていたそうだつた。

読んでくださり、ありがとうございました!(*´-`)次回は、明日の午前9時です!よろしくお願い致します!(*´・∀・)ノ




Twitter始めました!(*´・∀・)ノ

@xGUlpsT6bU6zwi1  


投稿のご連絡、小説内で扱かったイラストなどをツイートしています!( ・`ω・´)

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