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【あやかしの国に渡る少女】  作者: 有馬波瑠海
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一通の手紙 最終決戦へ

手紙が届いた。一通の手紙。


半雪はんせつ

時雨しう・・・。」


時雨しう

「やれやれ、もう逃げられないか・・・。」


里季さとり

「うそでしょう・・・。」


 銀狐から届いたその手紙には、3日後に糸雨の元へ千鬼ほどのあやかしを引き連れ、攻めいるとのことだった。


半雪はんせつ

時雨しう、どうすんだ?」


時雨しう

「もう・・・。逃げるのは、やめた・・・。もう、逃げるのも疲れたからな。」


 時雨しうは、そのまま立ち上がると、羽織をまとっていう。


時雨しう

「屋敷中のあやかしに告げろ!」



里季さとり

「ま、待って時雨しう!た、戦うの?」


 時雨しうは、まっすぐ里季さとりを見ると、言った。


時雨しう

里季さとり。お前は、人間だ。戦いの間、俺のそばを絶対に離れるな。行くぞ。」


 そう言うと、時雨しうは部屋を出て戦の準備へと向かおうとする。しかし・・・。


里季さとり

「バカァー!!!!!!!」


 悟は、近くにあった座布団をとり、時雨しうに投げつける。


時雨しう

「何するんだ!!!?」


 時雨しうは、振り向きざまにムカつきながら言った。


里季さとり

「言う、言葉が違うの!そこは、人間とかじゃなくさ・・・。アタシのことが好きだから!って言いなさいよ!」


時雨しう

「はぁー!!!?????アンタ、何言って・・・。」


里季さとり

「・・・言いなさいよ。」


 里季さとりは、今にも泣きそうな顔で言う。 


 時雨しうは、ゆっくりと里季さとりに近づくと頭きそっと手を置いて、里季さとりの顔を覗きこむように言った。


時雨しう

「戦いに勝ったら、言ってやるよ。」


 里季さとりは、心臓の鼓動が速くなるのを感じながらうん。と小さく答えた。


 戦い3日の間に、戦争の準備は着々と進められた。時雨しうの方にも百鬼のあやかしがついた。


半雪はんせつ

「チッ・・・。」

 半雪はんせつは、月を見ながらイライラとしている様子だった。


時雨しう

「何をそんなにイラついてるんだ?」


半雪はんせつ

「当たり前だろう?」


時雨しう

「なぁ、半雪はんせつ。人とあやかしはどっちが強いと思う?」


半雪はんせつ

「はぁ?そりゃあもちろん。妖だろう?」


時雨しう

「確かに。ただ、呪術や妖術だけで言ったらそうだろう。だが、人間には人の心がある。人の心とは、何よりも強いものだと俺には思うのさ。つまり、その人の心とあやかしの強さを兼ね備えた俺達は誰よりも強いということになる。それは、たった百鬼でも、千ものあやかし達を倒せるくらいにな。」





【次の日】

怪しげな提灯ちょうちんを持ち、1番先頭に狐の黒い耳と九つの尾を生やした時雨しうが歩いていく。時雨しうの後ろには、巫女の衣装に着替え、弓矢を持った里季さとりが歩く。座敷わらしが里季さとりの手を握る。


【座敷わらし】

「大丈夫だよ。私、座敷わらしだから。絶対にうまくいくよ。」


里季さとり

「ねぇ。狐の弱点ってどこなのかなぁ〜」











【座敷わらし】

「うーん。でも、雨花が言っていたのは、あやかしと言えども狐は狐だって言ってた。それと、9つの尾は9つあって初めて意味があるって言ってたかな。」


里季さとり

「それって!」


 すると突然、ドカーンと音がする。それは、目の前に火が赤々と燃え上がりその中から銀狐が現れる。


銀扇ぎんせん

「お前が逃げないとはな。ようやく、決着をつけれる。ようやく、この世が俺のものになる。あぁ、はやくお前を俺に殺させろ。時雨しう・・・。」


 銀狐は、目をギラギラと光らせやっと獲物を追い詰めた獣のような眼差しで時雨しうを見た。


時雨しう

「俺は、殺されるつもりはねぇーけどな。それと・・・。」


 時雨しう銀扇ぎんせんを囲うように青い火が現れる。また、その火の円の外側には両者の味方が互いに攻撃できないように青い火が壁のように燃え上がった。


時雨しう

「ここから先は、何人たりとも戦いに口出しするこは、許さない。この狐火の中にいる半妖の俺と、銀狐どちからの勝敗が決まるまではな。そして、この戦の勝敗もまたどちらの大将が勝ったかで決めるものとする。」


銀扇ぎんせん

「良いだろう。原型が残らないほどにめためたにしてるやるよ。」

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