【 あやかしの世 】
こんにちは!有馬波瑠海です!
(*´-`)
今回で連載小説は、四作品目です。うん。なんとも不吉な・・・。まぁ、気を取り直して、書いていきますので、最後までお付き合いいただけたら、嬉しいです・・・(*´-`)
【今までの連載小説】
1 【時雨の里】(連載中)
https://ncode.syosetu.com/n5101gr/
2 【七世と森の少年】(完結済み)
https://ncode.syosetu.com/n1320gs/
3 【闇に沈む侍】(完結済み)
https://ncode.syosetu.com/n3500gt/
4 【あやかしの国に渡る少女】←今回
・・・どうゆうことなの?どうして、こんなことに・・・?後ろを見れば、沢山のあやかし達が、迫り来る・・・。アタシは、かの江戸時代のような町並みひたすら走る・・・。このまま大通りを走っていては、いずれ追いつかれる。そう思ったアタシは、裏の小道へと入り何度も何度も、右へ左へと道を曲がるうちに、後ろからずっと聞こえていた声が聞こえなくなっていった。それでも、アタシは、走り続ける。そして、体力が完全にもう切れた、そう思った時、足が縺れ転んでしまった。
・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
疲労で立ち上がれない。
おい、アンタ、大丈夫か・・・?
誰か?いや、何か?が、自分の前にしゃがみこむ。
【里李】
「うわー!!!!!!」
アタシは、とっさに目の前に座ったものを突き飛ばし、突き飛ばしたものを見る。
「イッテ・・・。やれやれ、いきなり突き飛ばして来るはな・・・。・・・とんだじゃじゃ馬娘だ。」
見れば、先ほど財布を落とした男性だった。隣には、もう一人色白の若い男性。先ほどの男性は、アタシが勢よく押した腕を軽くさすりながら、切れ長の目を伏せて、少し不機嫌そうにそう言った。
【里李】
「ご、ごめんなさい・・・。ちょっと、勘違いしちゃって・・・。」
「何と?」
その男性は、可笑しそうに言う。
【里李】
「そ、それは、えぇーと・・・。」
アタシが回答に困っていると、その男性は言った。
「あいつらと?」
男性が、目を向ける先には、先ほどまで追いかけて来ていた化け物達の姿。アタシは、立ち上がろうとするが、その男性はそれを止めた。
「・・・動くな。逃げれば、事態がややこしくなるぞ・・・。」
その男性は、アタシにそう言うと立ち上がって、あやかし達に向き合う。
【黒鬼】
「時雨。お前、それが何なのか分かっているのか・・・。人だぞ。」
【時雨】
「・・・そうだ。それで、それがどうかしたか?」
時雨と呼ばれたその男性がそう言うと、周りにいたあやかし達が静かになる。
【時雨】
「まぁ、良い・・・。俺と喧嘩したいなら、かかってきな・・・。覚悟は出来てるんだろう?人の世でもない、あやかしの世でもない・・・あの世に行く覚悟が・・・。」
時雨と呼ばれたその男は、目の前にいるあやかしを睨みつける。
【時雨】
「忠告は、一度までだ。二度目はない・・・。」
すると、あやかし達は、不満げな様子ながらも、暫くすると散り散りになってどこかへ行ってしまった。
【時雨】
「アンタ、名前は?」
【里李】
「え?あ、アタシは、里李。」
【時雨】
「なるほど。俺は、時雨。隣にいるのは、半雪だ。そしたら、里李。行くぞ。」
時雨は、そういうと半雪と歩いて行ってしまう。時雨と半雪は江戸時代の花街のような町を抜け、近くの森にアタシを連れて行く。森の中は、とても美しく、月の光森の中を照らし、木々やその葉が青く輝いて見えた。
しかし、森の中を歩くに連れ、アタシは不安になった。
・・・・・どこへ行くのだろう?・・・・・
【里李】
「ねぇ・・・。どこに向かっているの?」
すると、時雨はゆっくりこちらを振り向き不適に笑った。
【時雨】
「・・・。どこだと思う?」
【里李】
「えっ・・・。」
アタシが戸惑っていると、時雨は再び背を向けて、歩き出すしてしまう。そして意地悪そうに言った。
【時雨】
「ついて来たくなければ、来なくて良いぜ。アンタの自由だ。一人で花帯街に帰るが良い。」
時雨は森の中を進んで行ってしまう。
【里李】
「そんなこと言われたって・・・。」
それから暫く歩くと森の中に大きな日本邸宅だった。時雨は、客間にアタシを案内し、座らせる。
縁側に座って月を、眺めがらパイプタバコを一服・・・。そこへ小さなオカッパ頭の女の子がこちらへお膳を持って来て、ご飯をアタシの前に置かれた机に置いた。
・・・この子は・・・座敷わらしだわ。一度だけ、家族で繁盛していると噂されてる旅館に行った時、真夜中に廊下で見たことがある・・・。あの時と同じ・・・赤い着物にオカッパ頭、それに位の高い妖怪がもつこの独特な気配・・・。
【座敷わらし】
「お姉ちゃん・・・。あの時のお客さんだね・・・。あやかしの世界へようこそ・・・。」
そう言うと、その女の子は姿を消した・・・。
【時雨】
「まぁ・・・食え。」
時雨は、アタシにご飯を食べるように進めた。
アタシがそのご飯を見る目がいかにも、怪訝そうだったのだろう。時雨は言った。
【時雨】
「毒なんか、入ってねぇーよ。安心して食え。」
アタシは、ご飯を一口食べる。なんだ・・・。普段食べている家のご飯となんら変わらない。ご飯をすべて食べるとアタシは目の前にいる男に問いかける。
【里李】
「あなたは、あやかしなの?・・・。」
時雨は何も答えない。
【里李】
「いいえ。そんなはずはないわ。あやかしなら、神社に入れないはず・・・。あなたはアタシの家の神神社に普通に入って来た。それに透けてもいなかったし、あやかし特有の気配もしない・・・。じゃあ、人間・・・。でも、あなたからは・・・。」
アタシが言い終える前に時雨は不機嫌そうに言う。
【時雨】
「お前は、俺が何に見える・・・?」
時雨は、アタシの目を真っ直ぐに見て聞いてきた。でも、アタシは時雨の真意が掴めなくて、黙ってしまった。すると、時雨は少しがっかりしたようだった。
【時雨】
「・・・まぁ、俺から言えるのは、ここは、あやかしの国だ。お前達が住む人の国と隣接してある世界・・・。たまにいるんだよ。お前にみたいに霊力が強い人がここに迷いこむことが・・・。」
【里李】
「元の世界に、戻ることはできるの?」
【半雪】
「戻れるさ・・・。一週間後に・・・。」
半雪が襖を開けて入って来た。
【里李】
「一週間後!嘘でしょう!?なんで一週間後なの?」
【半雪】
「一週間後に再び、人の国で祭りがある。それにあわせて鳥居が再び現れるのさ・・・。」
【時雨】
「まぁ・・・それまで、頑張って生き残るんだな。」
一周間、なんと長い時間だろうか。アタシは絶望した。しかしそんなアタシの思いとはう裏腹に半雪は、このあやかしの国の今状況を説明した。
半雪の話からすると、あやかしの国には長が存在していて。近々あやかしの中から、新しい長を決めるらしい・・・。そして、時期長候補は二人おり、その長候補の一人に時雨は入っているという。
【里李】
「長を決めるって、どうやって決めるの?」
【半雪】
「戦って決めるのさ・・・。お互いに殺しあって、生き残った方が、長になる。簡単な話さ・・・。それで、まぁ・・・一周間いないにの長決めの争いが起きないことを祈りな。まぁ・・・時雨が勝てば問題ないけど、銀扇が勝てば多分、お前、殺されちゃうから・・・。」
半雪は、さらっと恐ろしいことわや言った気がする。
【里李】
「えっ?どうゆうこと?」