日常
ル…ルカ…ルカ!!
「……おはようアル、朝から元気だね」
「もうお昼過ぎだよ」
夜更かしをしていたせいか昼過ぎまで寝てしまっていたようだ
今日の仕事内容を確認する
「今日も畑仕事か?」
「人一倍眠ったんだからいつもより働いてもらうよ」
俺はルカ 今年で大体15歳になるらしい
らしい、というのは物心付いた時には既にここで生活をしていて親が誰なのか、いつ生まれたのか、それさえも分からないからである
3人の大人達と50人近くの子供で郊外のこの古風な塔で生活している
「今日も暑いな」
照らす太陽の下で畑を耕す、これが子供達の仕事だ
「ルカくん、今日も頑張るね」
そう声をかけてきたのは大人の1人、ジェド爺
「多く寝た分頑張らないと」
そういって作業を続けていると頬に冷たい感触が伝わった
「今日は特別暑いから水分はしっかり摂りなさい」
そう言ってジェド爺は冷えた水をくれた
「いつも助かるよ、ありがとう」
「それはお互い様じゃ、老いぼれには激しい運動はできんからのぉ」
ふぉふぉふぉ と笑いジェド爺は他の子供達の方へ向かった
・・・・・・・
「今日も働いたな」
今日の仕事を終えた俺は自分の部屋のベッドで時間を潰している所だ
そんな時にパタパタとこちらへ向かってくる足音が聞こえる
「お疲れ、アル」
「ありがと、いつものことだけどよく僕って分かるよね」
笑顔がかわいいこいつはアル、何故か俺に懐いている弟みたいな奴だ。
「大人以外に話かけてくるのはアルだけだからなぁ」
「まったく、困った兄ちゃんだよ」
アルはそう言って笑った
「そろそろ夕飯の時間だよ」
ぐぅう と腹が鳴る。そういえば寝過ぎて食うのを忘れていた
「急に腹が減ってきたな、早く行こう」
そう言いながらベッドから起き上がって早足で食堂へ向かう
「今日は寝過ぎたから食べ逃したもんね」
「明日からは気をつけるよ」
そんな他愛のない話をしていると食堂の方から誰かが走ってきた
第二話になります!
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