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セカンド ガーデン  作者: さんまぐ
ツネノリの章⑥覚悟と好意。
73/339

第73話 俺の方こそこれからもよろしくお願いします。

宿に戻るとメリシアではない別の女性が出迎えてくれる。

「おかえりなさいませ」

「ただいま帰りました!」

千歳が元気よく挨拶をする。


部屋まで通されながら女性が話をしてくる。

「成果は如何でしたか?」

「まずまずです。私の分の一泊分ですが宿泊代は稼ぎました!」


「まあ、凄い!」

女性は千歳を褒める。

千歳も満更では無い顔でえっへんと胸を張っている。


「娘とは大違いです」

「そんな、メリシアさんは私より立派ですよ!!」


!!?


何?

メリシアの母?

言われてみれば似ている気もする。

メリシアより面長と言うか痩せ形の顔。

より完璧を重んじる感じの風貌…


「ツネノリ?」

「え?あ、ああ…」


「もしかしてだけど、ツネノリってメリシアさんのお母さんって気付いてなかったでしょ?」


…うっ…迂闊だった。


「あら、そうでしたか。はじめましてツネノリ様。メリシアの母です」

「は、はじめまして。妹や父がお世話になっています」


「本当、すみません。ふつつかな兄ですがよろしくお願いします」

「ふふふ、いえこちらこそ、ふつつかな娘ですがよろしくお願いしますね。千歳様」


ふふふと笑った顔は確かに彼女に…メリシアに似ていた。


「千歳、いつから気付いていたんだ?」

「え?昨日、2度目のお風呂の時に女湯にいたんだよ。

おじさん誘ったら奥さんも連れて行くって言って」



な…なに?

なんだと?

あのやり取りをメリシアのお父さんだけでなく、お母さんにも聞かれていたと言うのか!?


「あ、ツネノリ顔真っ赤」

「千歳!誰のせいだと思っているんだ!」


「あははは。でも昨日聞かなかったじゃん。ちゃんと他に誰が居たのか聞かれたら私は答えたよ」

「うっ…」


確かにそう言う聞き方はしなかった。


「あらあら、ツネノリ様は私に聞かれて何かお困りですか?」

「あ、いえ…別にそう言う訳ではないんです。ただ恥ずかしいというか…」

本当に顔から火が出てしまいそうだ。


「うふふ、母としては娘の事を真剣に悩んでくださる方が居て嬉しいですよ。

しかもそれがツネツギ様の息子さんだなんて、本当にありがたいです。

ツネノリ様、本当この先は何があるか分かりません。別にどうこうなって欲しいと言うのはありません。ただ母として娘とは仲良くしてあげて欲しいなと思います」


「はい、俺の方こそこれからもよろしくお願いします」

「照れるなって、大丈夫だって私が居るんだから」


「千歳は何をしてくれるんだ?」

「ああ、酷い。私が昨日の夜に頑張らなかったらツネノリなんていつまで経っても挨拶一つ出来ていないんだからね」


ああ、確かに千歳の活躍と言えば活躍なのだが、素直に褒めて良いものなのだろうか?

俺は言葉に詰まってしまう。


「ふふふ、本当に仲がよろしいご兄妹ですね」

そう言ってメリシアの母が笑う。


俺達は部屋に着くと風呂に行く事にした。


「千歳、今日は他の宿泊客も居るんだから変な真似はするなよな」

「はーい」


そう言って風呂の前で千歳とは別れる。

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