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セカンド ガーデン  作者: さんまぐ
伊加利 常継、伊加利 千明の章①結婚までの道のり。
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第34話 3人でお話ししましょう。

「そんな事できる訳が無い!!」と言う伊加利さんの怒号が聞こえてきた。

私が開発室に入ると伊加利さんはガーデンに入って居た。


「やあ、おはよう」

「おはようございます」

そして私は東部長に何があったのかを聞いた。


東部長は私との生活で伊加利さんが変わり始めている事の反動だよと教えてくれた。

そして伊加利さんの家が手狭になってきた事を話すと、東さんは会社が少し援助するからと言って私の家と伊加利さんの家の真ん中くらいの駅にある家を勧めてくれた。


「常継が戻ってきたら話をしてみよう」

「はい!」


家が近くになってくれたら今までと同じ時間まで伊加利さんと一緒に居ても早く帰れるから両親は安心してくれる。

休みの日はいつもと同じ時間に家を出ても早く逢える。

そう思うと私は心躍った。


だが、私もこのままでいいとは思っていなかった。

徐々に進む事も大事だが、このままでは変化で伊加利さんが早々に参ってしまう。

私は意を決して東部長を見る。


「部長、お願いがあります」

「うん、良い考えだね」


そう、部長は神様なので私の考えを話す前に読み取ってくれて賛成をしてくれた。


「今日の常継は機嫌が悪いけど今日でいいかな?」

「え?今日ですか?」

私は驚いてしまった。


「うん、どうせ機嫌のいい日に執り行っても常継の機嫌は悪くなるからどうせなら悪い日にやってしまおう。

ちょっと待っていて」


そうして東部長は少し黙ると「うん、向こうの奥さんはOKをしてくれたよ」と私に言ってくれた。


「ありがとうございます!…で、伊加利さんは?」

「怒っているよ~。凄く怒っている。

「俺のこっちでの生活を奪うな!」って怒鳴られたよ」


「え、すみません」

「いやいや、いいよ。代わりに今度の土曜日は休日出勤を認める事になったから常継も良かったんじゃないかな?

春日井さん、なので今週の土曜日は常継と一緒に居られないけどごめんね」

そう言った東部長はVRの端末を出してきて私に持たせる。


「本当は登録とか必要なんだけど、今回は常継と同じで普通に魂、意識をガーデンに運ぼう」


VR端末を装着した私はあっという間に意識がなくなる。

そして次に気が付いた時には目の前に凄い景色が広がっていた。


「わぁ…綺麗」

見たことのない大自然が広がっていて、心が洗われる気持ちになる。

吹いた風がとにかく心地よい。


「春日井さん、この先に家がある。そこにツネツギと奥さん、そして息子が居る。

心の準備は良い?」

「はい」


そして5分くらい歩いた所に家が一軒建っていた。

ここに伊加利さんのもう一つの生活がある。


家の前に一人の綺麗な女性が待っていた。

「彼女がツネツギの妻だ」


私は彼女の前にかけていき挨拶をする。

「はじめまして!私、春日井 千明といいます。よろしくお願いします」

「ああ、はじめまして。私はルル。あなたの事はツネツギから話は聞いているし、そこの神様からも紹介を受けている。さあ、何もない家だが入ってくれ」


ルルさんが私と神様を家に通してくれる。

家の中では伊加利さんがお子さんと遊んでいたが機嫌は良くない。


「ツネツギ、来たぞ」

「…」


「まったく、子供ではあるまい…」

そう言ってルルさんは伊加利さんを椅子に座らせる。


「来ました」と言って挨拶した私を伊加利さんが睨む。

ここまで怖い顔で睨まれたのは初めてなので私の動悸は激しくなる。


「ツネツギ…彼女を睨まないでくれないか」

東部長がそう言ってくれる。


「東…そうだな、彼女を睨むのはお門違いなのかもな。お前の差し金だろう?」

そう言う伊加利さんの顔はとても怖い。


父親の異変を感じ取ったのだろう。

お子さんが泣いてしまう。


「何をしているツネツギ!!」

ルルさんが伊加利さんを怒る。


「ルル、僕がツネノリを見るよ。

さあ、ツネノリ外に行こう!

僕とならこの世界中どこでも行けるぞ!」

そう言って東部長がお子さんを外に連れて行くと3人が取り残される形になってしまった。


「ツネツギ、私と彼女に共通した人間はお前だ。お前が場をとりなさんでどうする?」

お茶を淹れてきてくれたルルさんが伊加利さんにそう言うが伊加利さんは憮然としている。

ここは私が頑張るしかないのだ。


「3人でお話ししましょう」

私が立ち上がってそう言うとルルさんが笑いながら「そうだな話をしよう」と言ってくれた。

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