第334話 神殿中が静かになり俺の耳にはキーンと言う耳鳴りが残る。
「じゃあ解散かな?」
「私と東は開発室と南のお城にも居ますからこの場はこのゴミカスを神の世界に連れて行きますね」
東さんとジョマは一通り済んだ事を確認するとそう言った。
「あ、まだダメだよ」
突然キヨロスさんがそう言って東さん達の帰る空気を止める。
「はい?」
「キヨロス?」
「ガミガミ爺さん!ガミガミ爺さんの順番がまだだよ」
「何!?俺かよ小僧?」
「そうだよ。ガミガミ爺さんは城でチトセを見て怒って居ただろ?カムカやツネノリの攻撃で少しは気が晴れたかも知れないけど、チトセの為にも一発殴ろうよ!」
「いや、頭には来て居たがよぉ」
「大丈夫、神殺しの方法は今教えるよ!【アーティファクト】」
「ほほぅ、こうすりゃあ攻撃が通るのか…。
あー、神様、ジョマよう。
俺にも時間をくれないかな?」
「ああ…構わないよドフ」
「ええ、私も気になるから見てみたいですし」
「では済みませんね」
そう言ってドフさんが嬉しそうに前に進む。
「うわっ、爺ちゃんが怒るぞ!」
「アン、離れて!」
「ガイさん、ガルも離れるんだ」
なんだ?急にアニス達が離れて周りの連中にも声をかけている。
「ツネノリさん!離れて!いや…逃げて!」
「何?」
だが遅かった。
「テメェ!このクソガキ!」
神殿中に響く勢いの怒号と共にドフさんは「混沌の槌」で視覚の神の頭を殴打する。
ゴツッと言う鈍い音が神殿中に響く。
「何、十四の娘っ子相手に気持ちの悪い事をぬかしてんだバカヤロウ!!」
ゴツッ
「何を履こうが何を着ようがどんな身体をしていようがテメェには何の関係もねぇだろうがボケナス!!」
ゴツッ
「それを揶揄って!辱めて!侮辱して!恥ずかしくねえのかテメェはよぉ!!!」
ゴツッ
ゴツッ
ゴツッ
「よくも俺の孫を泣かせやがって!
千歳が流した涙の一万倍の血を流せ!!!」
ゴツッ
「テメェは面白半分でもなぁ!やられた方は一生心に傷を負うんだよぉ!!」
ゴツッ
「死ね!死にやがれ!死んで詫びやがれ!!」
ゴツッ
ひとしきり殴って神殿中が静かになり俺の耳にはキーンと言う耳鳴りが残る。
終わったのか?
そしてドフさんの攻撃は見事に視覚の神に当たって居て視覚の神は頭からドクドクと流血をしている。
「ふー…
…
……
………言いたりねぇ!」
ゴツッ
何!?
まだ終わらないのか?
「覗かれる方が悪いだと?ふざけんな!神様の力を下らねえ事に使うなゴミカス!」
ゴツッ
「困っている人間を探して助けるくらいやって見やがれゴミカス!」
ゴツッ
「それでも男か!ゴミカス!!」
ゴツッ
「オラ!何とか言ってみやがれゴミカス!」
ゴツッ
「テメェ!無視するつもりか?ダンマリか?」
そう言って殴ろうとした手をジョマが止める。
「気絶しているんですよ。やり過ぎです。もう瀕死ですよ」
「何ぃ?俺ゃあまだまだ言い足りないし殴り足りないぜ?」
「もう、戦闘用のアーティファクトでもないしご高齢なのにあっという間に瀕死に追い込むなんてやり過ぎです」
ジョマがそう笑いながら言う。
ドフさん…もしかして強いんじゃないのか?
「まあいいや、二度とすんなよなゴミカス!」
ドフさんは少しだけスッキリした顔で笑うと神様に何かを聞いている。
「こっちですか?はい。ありがとうございます」
そう言って神様の方を向いたドフさんが「おう!千歳!見てっか?爺がコテンパンに敵討ちしてやったからな!やり足りなかったらまたやってやるから遠慮なく言えよな!
あんな奴は男じゃねえ!今日の事で男を悪く思う必要なんてないんだからな!」と言う。
え?千歳?
「東さん?千歳?」
「ああ、ツネノリ達には言っていなかったね。ジョマと千歳を励ましたくてね。神殿の光景をずっと城で見せているんだよ」
その声で湧き上がる面々が「千歳さんが見ているの?なら俺はもう一回この変態を切り刻む!」「よし!ガルよ行け!千歳に良いところを見せろ!」「チトセ!惚れ直したか?頼って良いんだぜ?」「チトセ、あの気持ち悪い神は滅茶苦茶に痛めつけたから安心して、一緒にお風呂で流しっこしましょう!」「チトセさん!俺たちが守るから安心して!」と口々に話す。
「あらら、これはチトセに会わないと皆落ち着かない奴だね。チトセは明日休み?今日はゆっくりして行きなよ」
マリオンさんが嬉しそうに言う。
「じゃあキヨロスに城まで連れて行って貰おうぜ!後はウチの子供達も頼むぜ」
いつの間にか大宴会の様相になっている。
俺はメリシアと覚悟を決める事にする。
「え!?みんな待ってよ!」
キヨロスさんが驚いた顔でみんなを止める。
その声で皆がシーンとなる。
「どうした?何か問題か?」
「小僧?」
皆が口々に驚く。
「まだ僕の番がきてないよ!
僕が覗き変態趣味の神をメタクソに痛めつけるから待ってよ!!」
え?
まさかの申し出に一瞬何も言えなくなった。




