第331話 何か言おうものなら斬り刻む。
ビリンの番になって皆がビリンを見守る。
ビリンの修行はシモーリから見せてもらったし僕自身神如き力でよく見ていた。
カムカの所で基本的な身体能力が飛躍的に向上し、更にマリオンから剣技を教わったので十分に強い。
だが多分カムオとガリルの後では見劣りをするだろう。
覗き変態趣味の神と言えばみんなの攻撃で猿ぐつわが外れてしまっている。
何か言おうものなら斬り刻む。
「おぅ、お前。よくも俺の女を辱めたな。
チトセはな、あの女はこれから俺に惚れて俺の嫁になるんだよ。
よくもそれを辱めたな」
そう言うと覗き変態趣味の神は「くくっ」と笑った。
神様とジョマが手を出そうとしたが僕がそれを止める。
何かあれば僕が斬り刻む。
「あ?何だよお前。話せんのか?」
「ウヒャヒャ…、何が嫁にするだよ。
どうせお前なんてあの子に見向きもされないだろ?
そもそも嫁にするって、知ってんのか?
お前よりオラの方が詳しいかもな、あの女はなぁ、く…」
僕の剣で奴の舌を削ぎ落とす!
僕はそう思ったし、一瞬も気を抜いていなかった。
だがビリンは僕が剣を飛ばすより先に動くと奴の口にショートソードよりも短めの剣…短剣を差し込んでいた。
「お前、今俺の女を侮辱しようとしたな?」
あの動きは「瞬きの指輪」の力か?だが唱えもしなかったぞ?
そして、なんだあの剣?
「へへっ、爺から孫へのプレゼントだ。ペックから材料を貰ってな。ビリン専用の擬似アーティファクトを作ってやったんだよ。切れ味はアニスやレンカには劣るが間違いなくそこら辺の剣には遅れは取らないぜ。
更にな…」
「お前は喋らせねえ!【アーティファクト】!」
ビリンが唱えると剣先が爆発を起こす。
「爆発?」
「おうよ、千歳が爆発する攻撃を好むって聞いたらビリンも頼んできたから作ってやったんだよ。名前は「爆破の小剣」な。
いやー、いい仕事したぜ」
「ふごぉぉぉ…!?」
覗き変態趣味の神は口中を血だらけにして泣く。
「ちっ、頭ごと吹き飛ばすつもりだったのにダメか。
これが神の力…。
まあいい、あっという間にそんなものは壊してやる。
お前は俺の女を侮辱したんだ。
この俺が後悔させてやるよ!
【アーティファクト】!」
そう言うとビリンの姿が消える。
「【アーティファクト】【アーティファクト】!」
吹き抜けの天井からビリンの声がする。
ビリンは落ちてくるとまた天井に移動を繰り返していた。
何度も落下速度を上乗せして威力の底上げをしているのか?
僕はビリンが気になったので意識を向ける。
「そろそろ殺せるか?」
そう言ったビリンが覗き変態趣味の神の頭に向かって落下をしてくる。
そのまま頭に剣を刺した。
「弾け飛べ!【アーティファク…」
「そこまでよ。それこそ殺してしまうわ」
そうジョマが割り込んできてビリンを止める。
「ちっ、こんな奴は死んだ方がマシだろ?」
ビリンがそう言って覗き変態趣味の神に向かって「俺の女を侮辱したら殺す」と吐き捨てると「次どうぞ〜」と言いながらこっちにくる。
「爺ちゃん、この剣ありがとな」
「おう、バッチリじゃねえか!」
「父さん、どうかな?」
「ああ、僕は感動したよ」
そう言うとビリンは「へへっ」と笑ってカムカとマリオンに報告に行く。
「次は僕たちだねヤグル」
「ああアニス兄様」




