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セカンド ガーデン  作者: さんまぐ
伊加利 千歳の章⑨神に選ばれし少女。
122/339

第122話 勇者の娘を甘く見ないでね!

「千歳…、千歳…」

誰か私を呼んでいる。

物凄く眠くて起きたくない。


「千歳、行かなきゃいけない。起きてくれ」

私を呼ぶ声は諦めずにずっと私を呼ぶ。


「起きるよー…」

起きた私は目の前が真っ暗な場所に居た。


「何ここ?…あー…夢か…、夢の中で起こされるって何だろ?腕輪の力を使いすぎたのかな?

よし、寝よう」


「いや、半分正解だけど起きてくれ千歳」

そう言って私の前には東さんが現れた。


「東さん?夢?」

「ここは夢の中だけど僕は本物だよ。

千歳、この前話した地球の神様との謁見に行こう」

そう、私はこの前東さんからジョマのこと、サードガーデンのことで地球の神様に会ってほしいと言われていた。


「何で今なの?」

「丁度千歳がアーティファクトの使い過ぎで倒れているからね。

生半可なことでは目覚めないからちょうど良い」


神様だから時間も何も関係ないと思うのだが…


だが断る理由も無いのでついていくことにする。


「どこに行くの?」

「神の世界さ」


そう言って東さんは私の手を引いて神様の世界?に私を連れて行く。

神様の世界と言っても別に絶景の先の山奥とかでもなければ伝説の獣とかが現れるでもなく普通の民家だった。

まあ、日本とは違っていて何処か異国のホテルみたいだった。



その部屋に1人の男の人が居て東さんはその人に「お時間いただきましてありがとうございます」と挨拶をする。


「この子が貴方の世界の子ども、伊加利 千歳です」と東さんが紹介するので私は「はじめまして」と挨拶をした。


「やあ千歳。私はお前の神。お前が初めてだとしても私はお前を知っている」

神様はそう言った後に話が続く。


「だが、一人一人の細やかな事までは知らない。

今日初めて知る部分もある。

ガーデンの神の子供と結婚をした私の子供の子供…、面白い感性だ。

確かにお前なら望みはあるだろう」


そうして東さんと地球の神様が話を始める。

話はサードガーデンに対してで、私はソレを聞いてしまって良かったの?と言う話だったが2人は気にしないで続ける。

地球の神様は「私の子供が正しく罰を受けて死なないのであれば好きにしてくれ」と言っていた。


「千歳、常継の案が通ったよ。これでサードガーデンを作っても問題が無くなる」

「…私、聞いても本当に良かったのかな?」


「大丈夫、北海には覗けなくしておくから。後は千歳が残り数日を黙ってくれれば問題無いさ」

それが心配なんだけどなぁ…


「さて、千歳。お前がここに来た理由の話をしよう」

地球の神様が私を見て話し始める。


「ジョマのことだって聞いてる」

「そうだ、あの女神の話だ。千歳、お前の見解を話すのだ」


「見解?」

「彼女をどう思うかと言う話だよ千歳」

東さんが横で優しく説明してくれる。


「ジョマは別に東さんの世界を壊したくて無茶苦茶をしているわけじゃ無いの。

東さんの世界の事を東さん以上に考えてより良くなればと思ってアレコレしてくれている。

皆それに気付いてなくて目の敵にしているからとても可哀想」

そして私はこの数日のジョマについて説明をする。


「見事な認識だ」

地球の神様が普通に私を褒める。


「そう、あの女神はこの数日で変わったと思わないか?」

「確かに、初めて会った時は気持ちの悪い怖さがあったけど今はそれが無いかな」


「そうだ。今の女神が本来の姿に近い。まだ本質まで届いていないがこの日々が本来の姿に戻しつつあると言える」


そうなのか…

私には今のジョマは気持ち悪く無い存在としかわからない。


「千歳、何故今女神の話が出たかわかるか?」

「…ガーデンにちょっかい出さないでって言うには少し違う気もするんだよねー。でも情報が少ないから今の私にわかるのは東さんが地球の神様に仲裁を頼んだのかな?」


「成る程、情報不足か。

あの女神が滅ぼした世界の話は聞いているか?」

「確かお父さんと東さんがしていた気もするけど、100個くらいの世界を滅茶苦茶にしたんだっけ?」


「そうだ」

「でもジョマが悪いなら、なんで地球の神様は傷を癒す為に地球に住まわせたの?」

私は疑問をぶつける。


「千歳…、そうだそれこそが彼女の本質に気付かなければならない話だ。

今、私の元には女神に世界を無茶苦茶にされた神々が談判に来ている。

それもそこのガーデンの神の差し金だがな」

「談判?」


「女神がこれ以上世界を滅茶苦茶に出来ないように創造の力を剥奪して欲しいと言ってきた」

「何それ!?ダメだよ!!」


「千歳?」

「東さん?何を言っているの?東さんはジョマの何に気付いているの?ダメだよそれ!気持ち悪い!!」


東さんに怒る私を見た地球の神様は私に笑うと「合格だ千歳」と言った。


「合格?」

「ああ、これでもし千歳があの女神の本質を見抜ければ私は力を貸す。

だが剥奪ではなく、本質を見抜いた千歳が願う形でだ」


私の願い…

その瞬間に漠然とだが願いは生まれた。


「やはり千歳は面白い。

本質を見極めてその後で願えば私が力を使う。

その為の試験を行おう」


「試験?」

「今からガーデンの神達とあの女神と過ごしてもらう。

その中で本質を見極めるのだ。

女神は創造の神ではない。

別の神なのだ。

それを見つけよ」


そう言われた時に世界が暗くなり夢の中みたいな場所に戻って東さんと2人きりになる。


「千歳…」

「東さん、私がジョマを助けるから」


「助ける?」

「みんなジョマを勘違いしている。

だから私は正解にたどり着いて剥奪ではない別の方法でジョマも助ける。

それで?何をするの?」


そして東さんの説明があった。

これから私は東さんの力でお父さんの勤め先に遊びに来たことになる。

そこには東さんとお父さん、お母さんとジョマ…ジョマは北海道子さんと呼ばなければいけないらしい、その4人が居てその4人は全員本物で地球の神様の力でおかしな事に気付かない事になっている。


「東さんは?」

「僕は千歳のフォローがあるから意識はあるさ、ボロを出さないように頑張るよ」

いつもの笑顔でそう言っている。


「ジョマは?」

「彼女はこの間だけ神様から力を奪われて神である事を意識していない状況になっている。言わば嘘偽りのない本質の彼女だ」


私は「わかった」と言って少し考える。

その間に東さんが参考になればと言って東さんがジョマと出会ってガーデンを作るところからジョマがガーデンを離れるまでの歴史を見せてくれた。


歴史の中のジョマにもやはり何か違和感がある。

東さんに話しかけた時のジョマは今のジョマに近いが、魔界を作って東さんが嫌がるアーティファクトを用意して、6人の使いにガーデンを滅ぼせと命令したジョマは最初に会ったジョマに近くて、それでいてこの前のメリシアさんを殺してしまった時の顔をしていた。


「ねぇ東さん、設定とか出来るかな?」

「どんな設定だい?」


「私は何回も仕事場にお邪魔しているの。

後は東さんが話を合わせてくれて、私が欲しいものは東さんが都度出してくれるだけでいいの」


「構わないよ」

「じゃあやろう!2人でジョマを助けるの!!」


「助ける…か、千歳は凄いね」

「勇者の娘を甘く見ないでね!」

そう言って私は笑う。

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