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セカンド ガーデン  作者: さんまぐ
ゼロガーデンの章○新旧集合。
108/339

第108話 私はメリシアと2人で話がしたいんだよね。

ルルが青い顔をして私のところに来る。

「マリオン…、お前はキヨロスが怖くないのか?」

「え?別に?昔はもっと凄かったし」


「はぁぁぁ…、私はさっきみたいな時には逃げ出したくなる」

そう言ってルルはアイツを見る。


かつて私が惚れた男は少し離れたところでリークに睨みをきかせている。

リークの甘ったれた気持ちを取り払う為にも今回の依頼を受けたのは良かったのかも知れない。

マリーもそこをわかっているからああやって喜んで送り出したのだろう。

お爺ちゃんの見立てではリークの筋はいいのにどうにも拘りとかが足りないらしく及第点で満足してしまうらしい。

これで鍛え直されたらそれでもいいのかも。


ルルは「怖くないのか?」と言ったが私はあの怖さと優しさの絶妙な匙加減が堪らなく好きだった。

そんな私からすると今のアイツは物足りなかったりする。

確かに「時のタマゴ」を持っていた時の怖いアイツと今の怖い時のアイツは似ているがどこか違う。

ルルはそこが怖いのかも知れないなと思った。


「ねぇ、ルル。今日のご飯は誰が作る?

私でもいいしルルでもいいよ」

「んー、どちらでも良いのだがな…」

そう言ってルルがアイツを再び見る。


「リーク?

君の実力はこんなものなの?

ペック爺さんが作ってくれた右手と比べたら君のはまだまだ指の太さとか色とかイメージのメリシアと違うよね?」

アイツは絶賛説教中でリークは泣いていた。


「出来たら赤毛のジチを呼べぬか…?料理上手でキヨロスの扱いに長けている。怒った時に1人嫁さんが居てくれるというのは心強いのだ」

「神様が良いなら良いんじゃない?どうかな?」


「ジチが良いと言えば構わないよ」


「ありがとう」と私は言ってアイツの所に駆けていく。


「ねぇ、ご飯なんだけどジチ呼んでくれない?」

「え?ジチさん?」


「うん、私もちょっと会いたいしルルも仕事があるって言うし。聞いてくれない?」

「いいけど…、でもリークが…」


「大丈夫、時間はあるから。リーク、1人でもやれるよね?」

「は…はい!」


「ほら」と言って私は通信球を用意させる、

ジチは事情を知っていたので快く来てくれる事になった。

後ろで残り2人の奥さん達が一緒に来たがったが子供の世話があるので諦めていた。


本来はコイツが瞬間移動で迎えに行くのだがやる事全部非常識なので「千里の眼鏡」と言うアーティファクトをかけて奥さんの姿を確認すると迎えに行かずにここに呼び付けた。


「アンタ、本当非常識だよね」

「そう?」

コイツはそう言って笑う。

だが私達は散々コイツに助けて貰っている。

私もコイツが居なかったら人間になれていなかっただろう。


「お姉さん参上!」

ジチは嬉しそうに登場した。

手には神様から授かった調理道具のアーティファクトを沢山持っている。


「助かったぁぁぁ」とルルが安堵の表情を浮かべる。


「ルル、どうしたの?」

「こっちの話。アンタはリークを見てあげてよ。そろそろ手のひらが出来るみたいだよ」


そう言ってアイツを追いやった私はジチのところに行く。

「ジチ!」

「マリオン!久しぶりだねー。お姉さん呼んでくれたのマリオンなんでしょ?ルルはなんか助かったとか言っているけどどうしたの?」

私は「それはね」と言って説明する。



「あはは、ルルはキヨロスくんが怖いんだ。

それでご飯係兼制止役でお姉さんが呼ばれたのね!」


「ジチは怖くないのか?」

「ルル、それって変な質問だよ。怖かったら結婚しないってぇ」

そう言ってジチが笑う。


「あ、違うか。怖いんだよ。

怒った私の旦那様はとても怖いけど、旦那様は仲間の為に、大事な人の為に怒るから。

だから大丈夫だしそこが好きなんだよ」


「ふむ…、私としては怒らないでいてくれた方がいいのだがな…」

「そうも行かない環境だったからね。15で「時のタマゴ」を授かって、サウスの為に性格変わるくらいに戦わなきゃいけなくてさ、でも根底の彼は優しいから。優しさで色々なものに怒るから。

ほら、今だってツネノリくんの大切な人の為、彼女の為に怒っているんだろ?

それにリークはナックとマリーの子供だもの鍛えたくなるって」

そう言って私達は視線をアイツに向ける。


「ほら、やればできただろ?何で最初にやらないの?自信を持って本気で臨みなよ」

「は…はい!ありがとうございます!!」

リークが恐怖か感動かわからない顔でありがとうと言っている。


「ほらね?」

「そうだな…おっと、ジチ。少しいいか?」


「何?お姉さんは皆にご飯を作る以外は時間があるから平気だけどどうしたの?」

そう言ってルルが「魂の部屋」を出す。


「この中にツネノリの大切な人が居る。メリシア挨拶をしなさい」


「はい。はじめまして私メリシアと申します」

「はい、はじめまして。お姉さん…って言っても年はもうおばさんなんだけどね。お姉さんはジチって言います。よろしくね。

でも残念。姿を見てみたかったけどそれは人形が出来るの待ちかな?」


「ああ、見るか?」

ルルがそう言ってジチに「魂の部屋」を刺してメリシアが【アーティファクト】と唱える。


「おぉお!!相変わらずルルはいい仕事するねー。これがメリシアかー。可愛い子だね。改めてよろしくね」


そんな事を言っていると怒号が聞こえてきた。

「ちょっと認めたらすぐに手を抜くの?昔からナックは甘いんだ!子供の頃からもっとこだわりを持たせてあげないから!ペック爺さんを見習いなよ!!」


「あらら…、これかー…。いくらリークやツネノリくんが可愛いからってこれはねぇ。

じゃあちょっとお姉さんはあっちに行ってくるよ」

そう言ってジチはアイツの所に行ってしまう。


「良かった…ジチが居てくれて良かった」

ルルはしみじみと喜んでいる。


「ねえルル?」

「なんだ?」


「ルルも作業があるんだよね?」

「ああ、これから水槽の代わりになる物の用意と黄色い水の精製を始めないとな。食事までの間にそれを始めようかと思っておる」


「じゃあさ、私はメリシアと2人で話がしたいんだよね。いい?」

「何?何を話すのだ?」


「そりゃあ、元人形として人間化の心得とかかな?」

「ふむ…それでは仕方ないからメリシアを任すがくれぐれも「魂の部屋」を壊さんでくれよな?」


私はわかっているってーと言ってルルからメリシアを預かる。

「神様、ちょっといい?」

「なんだいマリオン」


「神殿の屋上って0と1の間?」

「一応そうしてあるけどなんでだい?」


「ゼロガーデンの景色をメリシアに見せてあげたくてさ」

「ああ、そういう事かい。いいんじゃないかな?」


私は神様の許可を貰ったのでメリシアに「ちょっと外に行ってみようよ」と誘って屋上を目指す事にした。

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