表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンド ガーデン  作者: さんまぐ
女達の章○女達の活躍。
103/339

第103話 もっと一緒に居たかったな。

私は何処かを漂っている。

さっきまであった身体の痛みは嘘のように消えている。


多分…、いや間違いなくあの時死んだのだ。

瓦礫が直撃した時、間違いなく死んだと思ったのに何故か一瞬目が開いた。

そしてそこにはツネノリ様が居た。


彼は泣いていた。

私の為に泣いてくれていた。


私は名前を呼んで泣かないでと言いたかったのだが言えたのだろうか?

それすらもわからない。


死んだ今でもツネノリ様を想うと胸が熱くなる。

この気持ちは恋なのだろうか?

愛なのだろうか?

本当なら今日も無事に戻ってくれたであろうツネノリ様と話して気持ちを確かめたかった。

住む世界の違いなんか関係無くて、そばに居たかった。笑顔でいて欲しかった。

私は死んでしまったが、あの赤メノウがツネノリ様を守ってくれると信じてここで無事を祈ろう。


「もっと一緒に居たかったな」

つい思いが口に出る。


「せめて夢の中でくらい逢えないかな?」

それなら寂しいけどまだ我慢も出来る。

夢のひと時でも一緒に居たい。

私はそう思ってしまう。


「遠慮深い娘だな。素直に生き返りたいと言えば良かろう?」

突然聞こえた声に私は驚いて前を見る。

前にはツネノリ様と同じ綺麗な紫色の髪の人が立っていた。


「見つけたぞメリシア!」

「はい?」


「お前はメリシアだろう?」

「そうですが…」


「よし!流石ツネノリ!私の指輪をつけていてくれたおかげで見つけやすかった!

それにしてもツネノリも遠慮深いのぉ、どうせなら指輪は薬指に付けてやらんか?」

「え?え?指輪?ツネノリ様?まさか…」


「ああ!はじめましてだな。

私はルル。ツネノリと千歳の母だ!」

「ツネノリ様と千歳様のお母様?なんでお母様がここに?

まさか!!?」


「私は死んでなんかいない。

メリシア、お前を迎えにきたのだ」


「え?迎えに?」

「ああ!元の身体にと言うのは無理だが遜色ない状態で生き返らせてやる!」

生き返る?


「え?…でも朝…神様と千歳様の会話で蘇生は無理だって…」

「またそれか、それは神が力を使えないと言うだけだ。

だから私達が人の手でそれを可能にする!」


この方は何を言っているの?

私には考えの及ばない話をしているのはわかる。


「そんな…、そんな事が?」

「ああ、出来る!だから行くぞ!

ん…?そう言えば確認していなかったが嫌か?」




「嫌じゃ…ありません…」

私は嬉しさのあまり泣いてしまう。

また会える。

ツネノリ様にまた会える。

会ってこの気持ちが何なのかを確かめられる。


「なら行こう。ひとまず身体が出来上がるまでここに入ってもらう」

そう言ってお母様が出したのはブローチだった。

「ブローチですか?」

「ああ、私の作った人工アーティファクト「魂の部屋」だ。

今のままだとガーデンに帰ってもまたここに戻されるらしいしな」


「……」

「なんだ、不安か?」


「いえ…、私の常識では考えられない事ばかりで…、凄いです…」

私は思ったままを口にする。


「凄い!?そうだろう!そうだよな!そうなのだ、この「魂の部屋」にはな、魂を入れるだけではなくな!…」

お母様が怒涛の勢いで話し始める。


「ルル、そこまでだよ」

そう言って現れたのは神様だった。

「神様」


「やあ、メリシア。こんな事になって済まないね。僕自身が力を使えれば良いのだがそうも行かないのは今朝見ていたよね?」

「はい」


「だからこのルル達に君の事を任せたんだ。

あ、後ルルに「凄い」は禁句だよ。

一度言うと話が止まらなくなるからね」


「神様!私は今メリシアに「魂の部屋」の説明を!」

「素晴らしいアーティファクトなのはわかっているよ。後は上手くいったらツネノリとツネツギに存分に話してあげると良い」


「むぅ…、時間が惜しいのは承知しています。ではメリシアよ「魂の部屋」に手を翳せ。

そしてアーティファクトと唱えよ」

「はい、お母様。よろしくお願いします」


私は躊躇なく手を伸ばす。

生き返れたらツネノリ様に今の気持ちを伝えよう。

その事ばかりを考えてしまう。


「【アーティファクト】」

私の目の前は光った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ