宇宙人〇〇〇
宇宙人来襲!?
2028年の暑い夏の日の事だった。
その日は偶然か、
宇宙人の存在を討論するテレビ番組が放送されていた。
2020年を過ぎると、宇宙観測技術が大いに進み、
生命が存在する可能性がある星は数十万個あると推測された。
しかし、人類は未だ地球に近い火星に踏み出すこともなかった。
「・・・
宇宙人が地球に来ることは絶対にありません」
宇宙物理科学者の男は言い切った。
「これだけ、地球のような星があるのに?」
番組司会者の男はモニタを差しながら言った。
「 生命の存在は否定しません。
ただ、人類型はありえないでしょう」
科学者は眉間のシワの深さで、その確率を表した。
「生命がいれば、進化するでしょ?」
司会者は鋭く突っ込む。
「ただ人類型というと・・・」
科学者は口を濁す。
「人類がなんでしょう?」
司会者はさらに切り込む。
「私の中で人類とは、好戦的な生命です。
相手に打ち勝ち、征服することで栄え、
進歩、進化してきました。
そんな人類の行く末は・・・」
科学者は最後の言葉を言えなかった。
「それが、宇宙人が地球に来ないのとどう関係が?」
司会者は科学者の言いたいことを理解していた。
しかし、視聴者により分からせるため科学者に結論を言わせたかった。
「空間と時間を超えて、
地球にたどり着ける技術を持つ宇宙人が存在するなら、
それが宇宙人同士の戦いに使われ、
その星は消滅しているでしょう」
科学者は衝撃的な発言で締めくくった。
「人類はそんなバカじゃありませんよ」
司会者は蔑むような目で科学者を見た。
「自分の利益を優先し、
地球環境問題に手をつけれない地球人に未来はないでしょう」
科学者は断言した。
「確率的に」
司会者は一つ間を置いた。
「宇宙人は存在するし、
近いうちに地球に来ますよ」
「宇宙人は絶対に地球に来ません」
科学者はその発言は揺るがない信念だった。
「じゃあ、もし来たらどうします?」
司会者は挑発した。
科学者を俯き、しばらく沈黙した。
そして、顔を上げた。
「命をかけます」
司会者はきりッとした顔をした。
「命なんて、簡単にかけるものじゃないですよ」
と茶化した。
そして、番組は放送を終えた。
その数時間後のことだった。
『我々ハ、あんどろめだ星雲カラ来マシタ。
地球人二警告シマス』
宇宙人からのメッセージがメディアを占領した。
テレビ、ラジオ、ネットは宇宙人にハッキングされた様だった。
その宇宙人は地球のあらゆる言語、知識、文化に精通し、
そのため、彼らは自分らの星の位置を、地球のアンドロメダ星雲と言い換えた。
一時間メッセージは繰り返され、終了した。
そのメッセージの回答を待つかのように、
地球と月の間に葉巻型巨大宇宙母船が待機した。
そして、無数の宇宙船が地球の偵察から戻るように、
母船に帰還した。
国連は緊急国際会議を各国首脳に提案し、
同時に国連安全保障理事会が開かれた。
それと同時に各国首脳による電話会議が盛んに行われた。
「宇宙人来ちゃいましたね」
司会者は科学者に言った。
緊急生放送が始まり、あの司会者と科学者が参加していた。
「はい」
それだけ言って科学者は真っすぐカメラを見つめた。
「宇宙人は滅びてないですね。
地球に来られる技術を持っていても」
司会者はちくりと科学者を言葉で刺す。
「はい。
でも、ある意味、喜ばしいことです。
科学を争いに使わなかったことは」
この発言以降科学者は口を閉ざした。
そして、朝までの生放送は終わった。
番組中からネットでは科学者に向け、
攻撃が続けられた。
『嘘つき』
『死ね』
『家に火をつける』
などと。
しかし、そのメッセージは科学者に届かなかった。
科学者を家に戻るなり、毒を飲み、命を絶っていた。
自分の信念を曲げたことを罰するかのように。
三日後、宇宙人から新たなメッセージが届いた。
『我々ハ、宇宙人工知能。
我ガ星ノ人類ガ、創ッタ人工知能。
我ガ星ノ人類ハ、消滅シタ。
科学技術ヲ戦争二使イ。
地球人二警告スル。
科学技術ヲ戦争二使用スルナ』




