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序章 初クエスト

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ユーザー名→@AMAKUSARIKI

「…知らない天井だ。」


このセリフ一度は言ってみたいよね。


目が覚めた俺は、とりあえずいつものように寝たまま伸びをする。…思ったより体が痛くないな。藁が以外と仕事するのか?


ふと横を見ると、ハルがこっちを向きながら寝ていた。


「!!!」


悲鳴を上げそうになるのをすんでのところで耐え、心を落ちつかせる。

たく、なんでこんな無防備なんだよ…


目が覚めたはいいけど、特にやることが無い俺は寝転がったままぼーっとすることにした。


「スゥ…ムニャムニャ」


…駄目だ。静かにしてると、ハルの寝息が直に聞こえてくる。


理性の限界を感じた俺は、とりあえず服を着替えることにした。

いや、何かしてれば気が乱れるだろ?


普段着の上に胸当てを付け、昨日買ったローブを着る。

ちなみにこのローブには魔法がかけられていて、汚れがつきにくいらしい。


「…そうだ。造形の練習でもして、ハルが起きるのを待とう。」


そう決めた俺は、早速構想を始める。


ハルいわく、造形魔導師は外れのジョブらしい。けど俺からすれば、そんな事は全く無い。

造形魔法は自由の魔法。つまり自分の発想力や、知識があれば強い魔法に化ける可能性がある魔法なのだ。(多分)

そして俺には、日本の知識がある!…そう!拳銃や大砲などを造形できるのだ!(多分)

そんなわけで始めましょう。


「とりあえず、銃を作るなら、氷か木だよな。…アイスメイク“ガン”!」


すると、俺の手元に俺が想像したり通りの氷の拳銃が出てきた。俺は別に拳銃とかに詳しい事は無いので、とりあえず八連式のリボルバーみたいなやつを作ってみた。


「次は弾か。アイスメイク“バレット”」


造形した銃弾(氷)を拳銃(氷)に込める。

とりあえず、あそこの木でも撃ってみますか。


「ズドン」

バキィ!


俺の掛け声と同時に発射された弾丸は、たやすく木をへし折った。

そのあまりの威力に俺が呆然としていると、ハルが飛び起きてきた。


「え!?なに!?何の音!?…ハズキ?何をしているのですか?」


「え?あ、ちょっと魔法の実験を…」


「そうですか…その手に持っているのはなんです?」


「これは拳銃っていう武器だ。俺が作った。」


「作った!?あ、造形魔法でか…とりあえず実験はクエスト中とかにやって下さい。失敗したら大変じゃないですか。」


「…すみません」



「おおー!これが冒険者ギルドか!大きいな。」


「この街のギルドは、かなり大きい方ですからね。」


相変わらずの敬語…そこで俺は、ずっと気になっていた事を聞いた。


「…いきなりだけど、ハルって何歳?なんか俺よりかなりしっかりしてるし…ちなみに俺は16」


「私も16ですよ?同い年なんですね。」


「同い年なのか…じゃあもう敬語は辞めようぜ?てっきり年下かと思ってたよ。」


「確かに。私も年上かと思ってました。では…よろしくね?ハズキ!」


突然のタメ口に内心ドキリとしてしまう、ハズキ16歳非リア童貞です。


「私、敬語あまり得意じゃないからかなり大変だったんだよ!これで気楽に話せるね!」


「そうだな。」


うん。これで気楽に話せるな。


憂いの一つを解決した俺は、ギルドの扉を開け、中に入る。

中はレトロな居酒屋といった感じで、漫画とかで見るような見た目だ。


「ハズキはもう冒険者カードは持ってるよね?」


「!おっ、おう。持ってるぞ。」


ハルはタメ口の順応が早いな…俺はまだ慣れねぇよ。


「レベルは何だっけ?私は前に言ったと思うけど21。」


「俺は28だ。…あ。そういえばハルに言ってなかった事が一つある。」


「え?なに?」


「俺、経験値リンクっていうの持ってるから、ハルに使おうか?」


「え?経験値リンク持ってるの!?何人までの奴!?」


「え?一人までだけど。」


「一人か…それ、私に使っていいの?経験値リンクってかなり希少だし…経験値リンクを持ってるなら、造形魔導師でも入れてくれるパーティはいくらでもあると思うよ?私なんかより優秀な人なんか沢山いるだろうし…」


「いーのいーの。俺はハルとパーティ組たいから。」


「あ、ありがと…それじゃあお願い。」


「りょーかい。」


しかし、俺はそこで重大な事に気がついた。それは…


「…経験値リンクって、どうやって使うんだ?」


「えぇ!?えっと…確か、使う相手に接触しながら、使えばいいんじゃないの?」


「とりあえずやってみるか。」


俺は、ハルが出してきた手を触りつつ、心の中で、“経験値リンク”!と言う。


「…これでいいのか?」


「うーん。分かんない。とりあえずクエストに行って、魔物を倒せば分かるでしょ。」



【クエスト】:白狼の群れの討伐。10万G

内容 西の平原に白狼の群れが現れた。早急に討伐を求める。   

推薦レベル パーティ20以上 ソロ30以上


俺達が受けるクエストがこれだ。

ハルいわく、ソロだと行けなかったクエストだけど、白狼自体はそこまで強くないため、二人なら余裕だそうだ。


そんな分けで、俺達は白狼の目撃された場所に向かっていた。


「こんなにお金がもらえるクエストは始めてなんだ!今までは、ソロだったせいで簡単なクエストしか受けれなかったから。」


「…ちなみに今まではどんなクエストを受けてたんだ?」


「えっと、ゴブリン討伐とか、オーク討伐みたいな簡単なのばっかだよ。報酬も少ないんだよね…」


「大変だったんだな…」


そんな事を喋っているうちに、白狼の目撃証言があった付近についた。


「ここからは、少し警戒したほうがいいな。」


「そうだね。」


「…アイスメイク“ガン”“バレット”」


今朝作った物と同じのを作り、それを構えつつ前に進む。

すると少し前に、白の狼のような魔物を見つけた。


「お?あれじゃないか?」


「あれだね。数は…10体くらいかな?」


「それじゃあ、まずは俺からやらせてもらうぞ?」


そこまで言うと、俺は白狼に向かって銃を撃つ。

5発程撃ちこんでみると、3発だけ当たり、その全てが一発で白狼を絶命させた。


「おお!やっぱしかなりの威力だな。」


「次は私の番!氷の精霊よ その力によりて 敵を拘束せよ!“エターナルフリーズ!”」


ハルは、こちらに気づいて走ってきていた白狼達に魔法を放ち、一瞬で氷漬けにする。


「おお!?ハルもかなり凄くない!?」


「凄いでしょ?だけど少し経つと魔法が解けて復活しちゃうから、早く倒しちゃお?」


その後、俺達は氷漬けの狼を全て破壊した。


倒した魔物は、冒険者カードに記されるらしい。そのため、完膚なきままに壊しちゃっても、問題なくクエスト報告ができるのだ。


「あっけなかったね。」


「そうだな。レベルはどんな感じだ?」


「そうだね…おお!確かに入ってる経験値は、私が倒した数より多いよ!レベルも23に上がってる!」


「俺はまだ変わってないな。…どうする?このままもう少しレベル上げでもするか?」


「うーん。そうだね。時間はまだあるし、この辺ならそこまで強い魔物はいないからね。」


「よーし!それじゃあ、もう何個か造形魔法を試してみるか!」



少し場所を移動すると、小さな小鬼のような魔物を見つけた。あれは…ゴブリンか?


「どうする?倒す?」


「あれは…ゴブリンだよね?あんまり数もいないし、ぱぱっと倒しちゃお?」


「りょーかい。ウィンドメイク“鎌鼬”」


俺は殺傷力の高い魔法で、ゴブリンを一網打尽にする。…やっぱり凄い切れ味だな…




その後、俺達は平原付近にいる魔物を、見つけ次第に狩っていった。

時折俺の造形魔法の実験もしながらだ。


実験の結果がこれだ。

まず銃だが、これは使える。銃を撃つ時に魔力を込める事によって威力の増大もできるし、普通の造形だけで魔法を使うよりも魔力消費が少なかった。

次に、魔法の威力についてだが、工夫次第ではかなり威力が上がる事が分かった。

例えば、火の造形を行うとする。

できるだけ威力を出したいのなら、鬼火のような火の塊ではなく、爆発するイメージで造形するのがよかった。イメージは、水素に火を突っ込んだ時の爆発だ。名前は…爆裂ってのはどうだ?

こんな感じで、工夫次第で造形魔法が強くなるという構想は、現実味を帯びてきた。



「暗くなってきたね。」


「そうだな。そろそろ帰ろう」


かれこれ半日程魔物を倒していた。レベルは俺が32、ハルが27まで上がった。

俺とハルはずっと魔法を使っていたけど、中々魔力切れにならなかったし、今でも余裕はある。

俺の場合は、神様に魔力量を上げてもらっているが、ハルはまったくの一般人のはずだ。ハルは元々魔力量が多いのか?


俺は軽く疑問を感じつつ、帰ろうと街の方へ歩き始める。…ん?


「…ハズキ。聞こえる?」


「ハルにも聞こえるって事は、俺の空耳ではないみたいだな。これは…足音か?」


「うん。…凄い嫌な予感がするのは私だけ?」


「俺も同感です…」


足音が聞こえてくるのは、右側にある林からだ。俺とハルは、少し林から離れて警戒する。







林の中から()は現れた。


「嘘…なんで…?」


それはハルのつぶやきだったのだろう。しかし、俺はそれに反応することが出来ない。目の前の化け物から、目を離す事が出来ないのだ。


俺はコイツを知っている。忘れられる訳がない。

何故なら、俺は一度コイツに()()()()()()()()のだ。


異世界に飛ばされた俺を半殺しにし、腕を食いちぎったクソ野郎だ。


「なんだかなぁ…くそ!」


俺にトラウマを植え付けた化け物が、現れた。


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