表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

閑話 いつものこと

前回、次から第1章が始まる!!と言いましたが、今回は閑話です。すみません。

個人的に好きなキャラ。カエデ視点の話です!

サルビア王国。


その王都、ディモルフォセカを歩く少女がいた。この世界ではあまり多くない黒髪黒目の少女で、盗賊風の格好をしている。


少女の名はカエデ。一年前に起きた、グランヒルデの反乱を生き抜いた数少ない冒険者の1人である。

今ではより自分の力を磨き上げ、僅か13歳という若さでレベル50の大台に乗った、将来有望な冒険者だ。


グランヒルデの反乱…わからない人のために説明しよう。

今から約一年前。当時世界最強と呼ばれていた冒険者、グランヒルデが魔物を率いてフリージアという街を襲った。

表向きの理由は、フリージアの街に自分の国を作るとの事だったが、ホントの理由は、自分を殺してもらう為という、非常に迷惑な理由だった。

これにより、フリージアの街は壊滅。さらに、サルビア王国の最大戦力であった剣神を失うなど、かなりの被害が出た。

しかし、グランヒルデはある二人の冒険者相手に倒された。正確には違うのだが、そこは割愛しよう。


まあ、その反乱を生き抜いた少女ことカエデは、今は王都に拠点を移し、そこで冒険者として活動している。


さて、じゃあ視点をカエデに移そうか。



<>



季節は花。時刻は13時。その穏やかな昼下がりの街を私は歩いていた。


冒険者として活動している私は、午前中に簡単な仕事を終えて、今から家に帰るのである。


「あら。カエデちゃんお帰り。今日は早いのねぇ。」


「はい。今日は簡単なクエストだったので、午前中に終わったんです。」


「そうなの?まあ、カエデちゃんは強いから心配はしてないけど、あまり無理はしないようにね?」


「はい。ありがとうございます。」


近所の八百屋のおばあちゃんだ。この人はとても心優しい人で、私のことを孫のように優しくしてくれる。


「あ、カエデさんチーっす。クエスト終わりっすか?」


「はい。けど、何度も言いますけど、さん付けしなくていいですよ?あなたの方が年上なんですし。」


「いやいや。俺は尊敬する人は年下だろうとさん付けするんですよ!だから、これは変えれないっす!」


「…そうですか。」


今度は、近所に住むチンピラ冒険者の男、アウロが話しかけてきた。年齢は14歳。半年程前、ゴブリンの集団に囲まれていた時に助けたのだが、それ以来私の事をさん付けしてくるようになったのだ。年上なのに。


「それより、アウロは今日クエストしないのですか?」


「今日は休みっす!この前、装備が破損しちまったんで、少しの間休みにしてるんっすよ!」


「そうですか。怪我には気おつけてくださいね?」


「はいっす!カエデさんもお気おつけて!!」


そう言って、私はアウロの別れる。


…さて。もうすぐ着きますね。


私は目的地を確認すると、呼吸を整え、武器を抜く。

これは私の日課のようなもの。毎日の、挑戦だ。

ちゃんと心を落ち着かせ…


スキル 縮地を使った。


これは、相手との間合いを一瞬で詰めるスキルで、相手からしたら瞬間移動にも見える、上位スキルだ。


一瞬で家の扉を開け、中に突入する。ちゃんと玄関で靴を脱いでからだが。一瞬で。


家に入ると、リビングに目的の人がいた。私は、その人の首に短剣を突き立てようと…


「!?」


突然、短剣を持っている腕が動かなくなった。見れば、何やら氷によって固定され、さらにそれを木によって家に繋げて、簡易的な拘束装置を作ってる。


「ほいっと。」


「わっ!きゃあ!」


腕が固められたせいで動けなかった私は、何とか拘束を解こうとしてみるが、今度は両足を取られ、天井に吊るされた。


「ちょっ!私スカートなんですよ!?ぱ、パンツが見えます!ハズキさん!」


「ん?あぁ。ごめんごめん。けど、風を上手く操って見えないようにしたから大丈夫だよ。それと、俺のことは兄さんと呼べ。」


「…分かりました。じゃあ兄さん。降ろしてください。」


「ん?超断る」


「な!?え!?ずっとこのままですか!?頭に血が上っちゃいます!」


「大丈夫。風の造形を応用して、重力の向きを変えたから。普通にたってるのと変わらないよ。」


「…そうですか。相変わらずチートですね。」


ハズ…兄さんは化け物だ。こうしてよく奇襲をかけているのだが、レベル50になった私でも、手も足も出ない。

造形魔導師という、世間一般ではハズレと呼ばれる職業なのに、その卓越した戦闘能力と、類まれなる魔力量を使い、今や世界最強の1角に名を連ねる凄い人だ。

二つ名は«覇王»これからしてやばい人である。


「あ、カエデお帰り~お昼ご飯食べた?」


「ただいまです、ハル姉。…この状況に何か突っ込みは無いんですか?」


「え?いつものことでしょ?今日は何やら宙ずりだけど。しかも、何やら重力がおかしいことになってるけど。」


「それが分かってて突っ込まないハル姉…流石。」


「え?ありがとう?」


「褒めてませんよ…」


宙ずりのまま、こんなゆったりとした会話ができるハル姉だが、魔法の扱いや、戦闘は凄まじい人だ。

氷の魔法しか使えないというハンデがありながら、今やこの国最強…もしかしたら、世界最強の魔法使いかもしれない。二つ名は«絶対零度»かっこいい。


ハル姉は綺麗な銀髪を纏め、エプロンをつけながら料理をしている。ここだけ見ると、ただの綺麗なお姉さんなのだから、戦闘中とのギャップが凄い。

ちなみに、ハル姉はここに引っ越して来たばかりの頃は料理なんてできなかった。兄さんが教えたのだ。1から。基本的に兄さんは家事全般が出来る人で、始めの頃は全ての家事を兄さんがこなしていた。それにハル姉が対抗心を燃やし、それら全てを覚えていったのだ。今となっては、料理以外全てを兄さんより完璧にこなすようになったのだが、料理だけは兄さんに勝てないらしい。

兄さんいわく、数少ない才能の1つらしい。


さてと…


「…兄さん。もうそろそろ降ろして貰ってもいいですか?」


「俺のことをお兄ちゃんって呼んでくれたら降ろしてやらんこともない。」


「…兄さん。降ろしてください。」


「だからお兄…」


私は無言の圧力を兄さんに与える。今、恐らく私の目は、死んだ魚を見ているような目だろう。

私と兄さんの目線がぶつかる。

どうしてもお兄ちゃんと呼ばせたい兄さんと、それだけはしたくない私の対決だ。先に目を逸らした方が負ける。


…無言の時間が過ぎる。


私の、死んだ魚を見る目と、兄さんの、懇願の目がぶつかりあっている。


…くそ。いつもならあの目をすれば簡単に引き下がるのに、今日に限って引き下がらない。どれだけ私にお兄ちゃんと呼ばせたいんですか…


…しょうがないか。


私が諦め、お兄ちゃんと言おうとした瞬間…


チュッ


そんな効果音が響いた。

その、あまりにも場違いな音に、私は驚く。


いや、決して、兄さんが私にキスしたのではない。ハル姉が、兄さんのほっぺにキスをしたのだ。


「え?なに?どしたハル。」


「ご飯出来たよ~って呼びに来ただけ。そしたら、何やら二人が見つめあってたから邪魔しようと。」


「見つめあってた?あぁ。なるほど。別にそうゆう意味じゃないぞ?1種の勝負だ。」


「うん。そうですよ?どちらかと言えば睨めっこに近い感じですね。」


「あ?そうなの?じゃあ邪魔してごめんね?けど、もうご飯は出来たよ?」


それを聞いて、私と兄さんは顔を見合わせる。

もういい。…とりあえずこう言っとけば大丈夫だろう。


「…お兄ちゃん。降ろして。」


「!!!おう!分かった!!」


この一言で、兄さんは拘束を解いてくれた。うん。さっさと言えばよかったね。


体はどこもおかしくない。ホントに重力を操ってたんだ…。そんな事に感心しながらダイニングに向かう。


私の前では、兄さんとハル姉が何やらキャッキャウフフしている。そんな二人の姿はもう見慣れたはずなのに、今日は胸が少し痛む。何故だろう。


私はそんな二人に、いつも言ってる事を言った。


「ハル姉も兄さんも私の前でイチャイチャしてないで。ほら、早く行こ?」


そう言って、私は笑う。


するとハル姉や兄さんも、そうだな。とか言いながら机に着いた。

あまり大きくない机。

兄さんの隣にいるのは、いつもハル姉だ。



___________________________________________




何故だろう?今回からほのぼのした感じにしようと思ってたのに、書き終わったらなんか違う感じになってた。

…最後のなんて、まったくほのぼのじゃないじゃん!


まあ、閑話だから許してくれ。


さて、ここで恒例の文字数合わせを行う!!

突っ込みは受け付けない!!


では行こう!!


第1章からの設定。


ハズキ Lv? 誕生日 7月31日


種族 半吸血鬼


職業 造形魔導師


二つ名 «覇王»


説明


神の血を飲み、とてつもない力を手にしたハズキ。世界最強の1角と言っているが、残りの最強候補は二人。

1人はハル。もう1人は、この先登場する可能性がある魔王さん。

一応、魔王もいろいろ設定は考えてるから、出る可能性大。少なくとも、グランヒルデよりかは強い設定。


今の力は、グランヒルデを軽く倒せるレベルまでいってる。正直チート。どうしてこんなに強くなったかは本文で。



ハル Lv? 誕生日 8月9日


種族 半リッチー


職業 魔法使い


二つ名 «絶対零度»


説明


神が本気の本気でリッチー化させたため、とてつもなく強くなったハル。世界最強の1角。


リッチー化に伴い、元々高かった魔力がさらに跳ね上がり、その力は絶大。本気を出せば、世界の半分を凍らすことが出来る。永久に。



カエデ Lv53 誕生日 5月7日


種族 人間


職業 暗殺者(盗賊の上位互換)


二つ名 «夜の王(ナイトキング)»


説明


グランヒルデの反乱を生き残り、ハズキ達の仲間になった少女。ハズキの経験値リンクを頼らず、頑張ってレベルを上げた。


ハルのことをハル姉。ハズキのことを兄さんと呼ぶ。


作者が思い付きで追加してみたら、気に入ってしまったキャラ。恐らく今後の閑話でも主役となるだろう。


作者の中では、妹キャラにするか、年下キャラにするか悩んだ末、"主人公に強制的に妹キャラにされているが、そこまで妹キャラが嫌いじゃないと思っている年下キャラ”とした。



サルビア王国


フリージアが所属していた国。ようやく名前が明らかになった。


冒険者を大事にしている国で、多くの冒険者がこの国を拠点にしている。


魔王が住む大陸と唯一陸続きな国のため、軍事力が高いことで有名。しかし、魔王との戦争が数年前から始まり、今は何とか拮抗しているが、油断はできない状態。


お気ずきかもしれないが、この国や、この国の街の名前は全て花である。




ディモルフォセカ


サルビアの王都。街は非常に発展している。さらに、近くにダンジョンが多く、さらに、そのダンジョン全てが難易度が違うため、初心者から上級者まで幅広く活躍ができる街。

ちなみにこの街の近くには世界一深く、世界最高難易度と呼ばれるダンジョンと、世界で一番小さく、簡単なダンジョンがある。


また、犯罪発生率が非常に高いことでも有名。殺人事件が一週間に1回は起きる。(ほとんどがスラム街でだが。)



ハズキ達の住んでる家


決して大きくはないが、小さくもない普通の一軒家。3LDKの平屋で、日当たり良好で近くに商店街あり。さらに犯罪発生率が、王都では最も低い場所。

大きめの庭もあり、よくそこでハズキは日向ぼっこしている。もちろん天然芝。



ハズキ達の経済状況


月に5日ほど、3人で世界最奥と呼ばれるダンジョンにもぐり、そこで希少な鉱石や、希少な魔物の素材を取って売っている。

最近では、お金を稼ぐ必要すらなくなってきたのだが、体が鈍らないようにって必ず潜ってる。

ちなみに、現在の所持金は10億程。(単純計算で、5日間ダンジョンに潜るだけで、何千万も稼いでいる。)


ちなみにカエデは、ダンジョンに潜るたび、毎回死にそうな目にあう。



今後について。


今後、とりあえず1章はほのぼのした日常で、たまに何かあるくらいに留めておきます。けど、第2章くらいから、何か動きがあります。知らんけど。

魔王さんが出るのは、恐らく2章以降…かな?まったく考えてないから分からん。もし、あまり人気が出なかったら打ち切り漫画みたいな終わりになるかもね笑


「俺達の冒険はこれからだ!」てきなw





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ