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モブ→ヒーロー計画  作者: 齋藤和馬
計画実行と日常
9/14

「朝」

 朝。

 僕はいつもの電車に乗り、いつもの通学路を歩き、いつもの教室に入る。

 でも、いつもとは確実に違うものがあった。

 マリの存在。

 マリのおかげでポジティブになれた。マリのおかげでモブをやめる覚悟が出来た。そんなマリの事を、誰よりも近くで見ていたいとも思った。

 今日は、また雑談程度で終わっておこう。前回のような失敗をしないように、話題は三つ持ってきた。これをうまく組み立てて話すことが出来れば、楽に会話が進められるはず---

「あっ、おはよう!カズマ君!」

「っ!?あっ、ぉ、おはようマリ」

 心臓が止まるかと思った。いや、一瞬止まった自信がある。

 まさかマリの方から話しかけてくれるなんて、思ってもいなかった。ここですかさず、僕は雑談用の話題の一つ目を提示する。

「この街、どう思った?」

 一番無難な質問だと思う。昨日考え込んだ結果、一番に持ってくるべきがこれだと思った。それに対してマリは、

「そうだね、とってもいい街だと思うよ!人も優しいし、みんなフレンドリーに接してくれるの!」

「へぇ...ちなみに、マリが前にいた場所はどうだったの?」

「私が前いた場所はねぇ...田舎すぎて人があまりいなかったから...で、でもね!いい人ばっかりだったんだよ!人は少なかったけど...」

「へ、へぇ...」

 田舎出身という事実は初耳なので驚いた。なるほど田舎出身と聞くとこの性格の良さは納得できる。

 僕は、これ以上話を広げるとこちらの会話が続かなさそうだったので、急いで次の話題に切り替えようとした。

 その時。

「おはよう、マリちゃん」

 佐藤が会話に割り込むように強引に入ってきたが、僕は抵抗できない。この人は、喧嘩になるととても怖いと聞いたことがある。

「おっ、おはよう、佐藤君...」

 少し歯切れが悪い挨拶だった。昨日、何かがあったのだろうか。いや、いくら佐藤でもそんなことはしないだろう。きっと気のせいだ。

「そ、それでねマリ」

「マリちゃんは、この学校にはもう慣れた?」

 佐藤が割り込んだままマリとの会話を始める。マリも少し戸惑いつつ、会話に応じていた。

 当然だ。まだ彼氏になったわけでもないのに、主人公様になんて敵うはずがなかった。

「ちょっと...ちょっとカズマ!こっちこっち!」

 と、少し落ち込んでいたところに奈留が腕を引っ張ってきた。

「何やってるの、昨日の威勢は何処へ行ったの!?」

「お空の上...かな」

「もっとガンガン攻めたらいいのに、なに佐藤なんかに負けてるのよ!バーンと行け!バーンと!」

「バーンってなんだバーンって!大体交友関係には順序ってものがあるだろ!それを一段ずつ踏んでるの!」

「順序、順序...あ、そうだ!」

 とても明るい顔をしながら、奈留は突然こう言った。

「作戦、中止しよ!」

どうも、齋藤和馬です。

今回もアドバイスや評価などございましたら、ぜひお願いします!

それでは!今回も読んでいただいて、本当にありがとうございました!

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