「綾瀬=クリスティーナ・マリー」
「ただいま...イテっ」
家に到着した私、綾瀬=クリスティーナ・マリーは、早速玄関前でこけた。それも結構痛い感じに。
私は、この街に引っ越してきてからは、一人暮らしだ。親から解放されて、最初こそ解放感があったものの、少し時間が経つと親の重要性がよく分かる。お父さん、お母さん、本当にありがとう。
制服を脱いで、部屋着に着替える。水玉模様の水色パーカーに、薄紫色のステテコを履く。自分でもなかなかミスマッチな服だと思うのだが、これでも割と気に入っている。誰かに見せる訳でもないから、これでいいだろう。
着替えてから私は、少しだけ、コミュニケーションツールを使って前の学校の友達と連絡を取り、それからお風呂に入る。
入浴中は、今日一日あった事が思い出された。
私の手を引いてくれた佐藤くん。明日からはショウくんと呼んでもいいだろうか。周りがそう呼んでいたので、多分大丈夫なのだろう。
そして、私に初めて自分から声を掛けてくれた、カズマくん。正直、自己紹介の後に何か言っていた人物としかイメージが無かったので、少し意外だった。
それでも、それ以上に嬉しかった。
この学校に、初日から居場所が出来た気がして。
そんな事を考えていると、少し頭がのぼせてくる。
すぐにお風呂から上がり、ドライヤーをかけてのぼせかけた頭を正常な状態に戻す。
「カズマ君...仲良く出来そうっ!」
この学園で、初めての友達になれそうな人の一人だった。佐藤君の場合、少し友達にはなりにくそうな雰囲気だった。少しだけ、笑顔に「壁」のようなものを感じたから。
それはともかく。
「お父さん、お母さん...私、この学園でも楽しくやっていけそうだよ...!」
良い一日だったのは、私にとって、一番の事実だった。
感慨深くベッドに潜り込み、私の転校一日目が幕を閉じた。
どうも、齋藤和馬です。
今回も読んでいただいて、ありがとうございました!
今回はヒロインの綾瀬=クリスティーナ・マリーちゃんを登場させてみたのですが、いかがでしたか?
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それでは!今日も読んでいただき、本当にありがとうございました!