「計画」
佐藤とマリが教室に戻ってきて、いつもの授業が始まる。
2人の様子を見るとギャルゲー的展開は起こらなかったようだ。まずは一安心。
マリが頬を更に赤らめて恥ずかしそうに手を繋ぎながら戻ってきていたら、僕は発狂して教室を出て行ってしまっていただろう。
さて、主人公になりたいと宣言したは良いが、本当に主人公になんてなれるのだろうか。
正直今までモブだった僕がいきなり主人公になるなんて、無理だ。
主人公の素質を持っている訳ではないし、得意なことも特に無い。そもそも主人公の素質を持っていたら主人公を嫌うことはないだろう。
その上この時の僕は全く目立つ術を持ち合わせていなかった。もちろん、佐藤のようなキザ男に自分から寄せに行くのは自分のプライドが許さないし、そんな度胸は無い。
だからといって「どうすれば目立てると思う?」なんて相談できる人がいるはずもなく。
あれ---?
「僕、もうすでに詰んでる?」
「何を積んでるって?」
「あっ、なんでもないですなんでも」
しまった。先生が全く違う解釈をしていた事も驚きだが、思わず授業中に大声で独り言を話してしまった。
(このままだと「授業中にクソでか独り言話す奴」評価がついて僕の平和で平均的な評価値が下がってしまう...なんとかしなければ...ん?)
僕は一つの間違いに気が付いた。それも、長い間気が付かなかった間違いだ。
うるさいのは僕だけではないはずだ。それなのにネガティブな考えのせいで、さも自分だけうるさくしているような妄想をしてしまっていたのではないか。
そう、ネガティブな思考を繰り返すことで、クラスの迷惑にならない程度の静かな生徒が出来上がってしまったのではないか。
ならば最初の一歩はおのずと見えてくる。
ネガティブな思考をを捨てて、ポジティブな人間になるのだ。
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