「作戦決行...?」
「用意はいいか、奈留?」
「あぁ、もちろんだ少佐...死ぬ準備はいつでも出来てる」
奈留のおふざけに突っ込むのはいい加減飽きてきたので受け流す。というか突っ込みようがない。
「で、あの寺の前って意外と広いよね?どこに隠れるの?」
「あぁ、そこは問題ないよ。作戦を考えてある。僕に任せて」
寺の周辺には、確かに隠れられそうな場所は無い。
「だから、隠れる場所を作るんだよ」
悪代官さながらの笑みを浮かべながら言うと、奈留はこう返した。
「How to make?」
「Oh,you are crazy.」
適当に受け流しつつも質問に答える。
「寺の周辺には木がたくさんあるだろ?だからその周辺の葉っぱになりきる」
そう言いながら僕がリュックから某未来ロボットばりに取り出した道具は、
「く ー さ ー 」
「もしかしてカズマ、私と同じくらい頭が大丈夫じゃなくなってるんじゃ...」
「えぇい、うるさいやいっ!」
強引に作戦決行。この際思考が後ろ向きになったら負けだ。
「今回は一場面で終わらないんだねぇ~」
「?...なんの話だ?」
この世界の核心を突いたような発言を自然に受け流し、寺の周辺の森に身を隠す。が。
「やっぱりちょっと、アレだったかなぁ...?」
明らかな手作り感あふれる、ギザギザした緑色の物体の後ろに身を隠す僕たちは、ここにいるぞと言わんばかりの存在感を発揮していた。
「だから言ったじゃん、それじゃダメなんだって!!」
奈留がキレた。久々にキレる所を見た。
「うるさいなぁ、ここまできてどうしろって言うのさ!!」
「いったん帰ればよかったでしょうが!!!」
「うわぁん、正論は聞かないぞぉ!!!」
半分泣きそうになりながら、必死に抵抗する僕であったが、この後僕はビックリし過ぎて変な声を上げることになる。
「...?カズマ君に、奈留ちゃん?どうしてここに?」
「あっひんひん!?」
「草」
なんと、佐藤がもう来ていたことに全く気が付かないまま、僕たちは勝手に喧嘩をしていたらしい。
「どうした、カケル」
「あぁ、兄さん、友達がこんなところにいたからちょっとね」
そこには、ハリウッドと言う言葉がこれ以上に合う人はいないというほどのゴツゴツした男が立っていた。
「ん?...兄さんって...」
「あぁ、紹介するよ、俺の兄さんだ。」
「ボブだ、カケルが世話になってる」
「あっ、えっ...?はい...」
「状況を読み込めていないカズマであった...」
「奈留はちょっと黙っててくれ...」
その後聞いた話によると、こういう事だったらしい。
佐藤が「会っている」と言われていた人は義兄で、トレーニングに付き合っていたらしい。なんだか色々と、馬鹿らしくなってきた。
それで、それをたまたま見かけた女子生徒ひとりが肺活量トレーニングの話を聞き、変な勘違いをして周囲に広めたらしい。かなりの無駄足を踏んでしまったと思っていると、佐藤が目の前のギザギザした緑色の何かを見て、こういった。
「それでカズマ君、そんな変なものここにあった?」
「...あったはずだよ、うん」
これ、持ってくるべきじゃなかったかな...?
なかなか話がまとまりません、齋藤和馬です。
今季のアニメ豊作ですね。見てて本当に楽しいです。13本見ているのですが、すべて面白いですね。一押しはプリキュアです。
では、今回も見て下さってありがとうございました!