「作戦協力依頼」
さて、マリに次ぐ二回目の女子に接近計画。今回は自分の力のみで計画・実行をしているのだから、相当難易度は高い。さらに、今回の場合前回のような特別な思い入れがあるわけではなく、聞いたら得かな程度の作戦である。
どう裁く、斉藤カズマ。
という妄想を自分の中で繰り広げながら、例の女子生徒に接近する。-後から聞いた話だと、この時の行動が完全に不審者のようになっていたらしい。-
「あ、あのー、ちょっといいかな」
「ん?何か用事でもある?」
少々棘のある言い方で、いきなりくじけそうになってしまう僕だが、何とか堪えて次の一言を繋ぐ。
「う、うん。さっき、君たちが話してたことなんだけど...」
「さっき?うちらが?」
「うん。佐藤...くんの事について、何か話してたでしょ?それを聞きたいなーと思って...」
話している最中、佐藤が気づいていないか細心の注意を払っていたが、やはり聞かれていないようだ。
「佐藤君の事...?あぁ、裏でヤバい奴と」
「ちょっと!声が大きい!佐藤...君に気が付かれたらどうするのさ!」
「えっ...あ、ごめん...。」
少し発言を強くし過ぎてしまったのか、女子生徒が若干驚いたような目でこちらを見てくる。
「で、その話題って本当なの?」
「本当も何も、噂だから何とも言えないわ、ね?」
「うんうん、カゼのウワサってやつ~」
「そ、そうなんだ。」
火のない所に煙は立たぬとも言うし、もしかしたら本当だという可能性もある。もう少し詳しく聞いてみよう。
「なにか、その噂についての詳細って知ってる?」
「うーん、私はこの子から聞いただけなんだけど...何か知ってる?」
「ワタシが聞いたハナシだと、ヨルにヘンなオジサンとコソコソ話してるって情報はあるんだけど...」
「そのおじさんについて、何か知らない?」
「もー、ヨクバリだなー。そうだねぇ、そのオジサンはコクジンで、チョーツヨそうなんだって!ちなみにスキンヘッドらしいよ~」
なんだその噂。まるで海外のスパイ映画に出てくるヤツじゃないか。とにかく、それについてもう少し調べる必要がありそうだ。
「なるほど...話してる場所とか、持ってる情報全部くれないか?」
「パフェ奢ってくれるなら良いよ?あっ、パフェの分のお金だけもらえればそれで大丈夫だから~」
またパフェか。最近、パフェに縁がある気がしてならない。
「うっ...わ、分かった。どんなパフェでも奢ってやろう。」
僕は、情報の価値を見込んで奢ることにした。しかし知らない人に奢るのは少し抵抗がある。もしも、マリがパフェを食べたいとお願いしてきていたら、僕は無条件にいくらでも奢るのだが。
僕は、財布の中のお金に謝りながら、女子生徒から聞ける情報をどんどん聞いていった。
今回はちょっと主人公のキャラが変わりました、齋藤和馬です。
若干のキャラ崩壊は許して下さい。カズマ君はコロコロキャラが変わるので。
今回も評価やアドバイスなどありましたら、ぜひお願いします。
では、今回も読んでいただいて、本当にありがとうございました!