Character Material
注意。
本ページはキャラクター紹介及び、裏話。他色々と、作品の根幹に関わる盛大なネタバレを多量に含んでおります。
基本的に8章最後まで読み終わった後に見ることを推奨します。
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年齢は8章終了時点
滝沢辰
性別:♂
年齢:20歳
趣味:オカルト系全般、読書、旅行。
特技:料理。失踪
苦手:球技など、走る以外のスポーツ全般。
備考:本編主人公その1。殆どの語り手を務める男子大学生。容姿は相棒のメリー曰く長すぎず、短かすぎない黒髪(ほんの僅かだけ、暗めなアッシュブラウンのメッシュが入っている)で、身体は全体的に細身。が、ただヒョロいノッポという訳ではなく、それなりに筋肉あり。所謂細マッチョ。顔立ちは中性的で整っており、虚ろな美青年といった感じ。
能力:強い霊感と、幽霊をはじめとしたオカルト現象に干渉出来るという特殊な体質を持つ。幽霊に触れられるのは勿論のこと、成仏させたり、正邪を問わずに加護や呪いの類いを破壊。一時的ならば他者に幽霊が見えるようにする事まで可能である。が、人の域から外れたそれには相応のデメリットも存在し、無理に使えば文字通り骨が折れるような苦痛が伴う。
メリーとは互いの力を増幅し合う関係にあり、共にいる時間を重ねるごとに能力の範囲は広がり、他の霊能者の体質にもある程度干渉が可能にもなった。例)メリーの幻視の強制終了。ミクちゃんの降霊をサポート等。
その本質は幽霊に身体を近づける事で触れたりしつつ、精神のイメージも同調させ、霊体の骨子まで作り替える事を可能とするデタラメなもの。成長すれば無機物(例えばナイフなど)すら霊体に変え、火力不足を補えたり。果ては条件が整えばオカルトを作り出す事までも可能なのだが、まだそこまでには到達していない。
元々渡り歩く性質を持つ能力であり、最終的な能力保有者となっていたある獣の幽霊から辰に譲渡されたものである。
由来:名前に非常に重要な意味がある。物語に使用する暗号もとい謎が生まれ。そこから逆接的に彼の名前が完成した。
滝・沢→水。すなわち竜のイメージ。
辰→蛟が吐く蜃気楼から。また、辰年=竜
裏話:ifルートもとい当初は月が綺麗ですねを使わない告白により、最終話にて死亡。その上でメリーは狂気に打ち勝ち、涙を流しながら彼を愛し続けることを誓う(愛に殉じる)予定だった。流石にメリーに恨まれそうなので消滅。
②メリー
性別:♀
年齢:20歳
趣味:オカルト系全般、読書、旅行、日記をつけること。
特技:お菓子作り。寝ようと思えばどこでも瞬時に眠れる。
苦手:雷、地震。
備考:本編主人公その2。たまに語り手を務める。相棒の辰曰く。人形のように整った顔立ちと、白い肌。ウェーブのかかった亜麻色のセミロングヘアにアメジストのような青紫色の瞳をもつ美人さん。
容姿はおもいっきり洋風だが、日本生まれの日本育ち。
メリーはあくまでもオカルト的な都市伝説を自ら語っただけの渾名。口上でそれっぽく見せているが、実際はただのバッタもんである。語り始めた理由は彼女自身の幼少時代に起因する。
本名はシェリー・ヴェルレーヌ・リスチーナ・松井・クリスチェンコ。という、本人曰くアホみたいに長いもの。故に気に入った相手以外にはあまり本名を名乗りたがらない。
また父が日本とフランスのハーフ。母がロシアとウクライナのハーフである。血の影響かスタイルはかなりよく、桃源郷とも喩えられる立派なお山を有する。
能力:強い霊感を持ち、また幽霊をはじめとしたオカルト現象をリアルタイムで観測できるという特殊な体質をもつ。見え方は俯瞰的に状況を眺めるか、オカルトな存在の視界をジャックし、その目を通して視るというもの。全てが現実に起きたあるいは起きている事であり、絶対的な真。尚、場面が頻繁に切り替わることがあるものの、基本的に一つの怪奇現象に関わるものを連続で視る&関わりがある場所に赴けば高確率で視る事が出来るので、実は無差別と見せかけてある程度作為的に情報を集める事が可能。辰曰く、推理ものの小説にいたら、物語が破綻する能力。
辰とは互いの力を増幅し合う関係にあり、共にいる時間を重ねるごとに能力の範囲は広がり、オカルト現象に限れば未来視すらやってのけ、終盤には平行世界での出来事すら観測が可能になった。なお、本編では描写がなかったが、平行世界の観測時、映像は白黒になるんだとか。
体質自体は物心ついた時に有していたらしい。遺伝か。辰と同様に譲渡によるものかは不明である。
由来:メリーは言うまでもなく、都市伝説『メリーさんの電話』より。クソ長い名前の方も一部には意味があったりする。
シェリー→『フランケンシュタイン』の作者として有名なメアリー・シェリーから。伴侶を求めて暴走する、名も無き怪物に成り果てる事を暗示している。また、日本姓『松井』は、別作品の好奇心に狂った男と同一。関係は親戚。他は国の名前辞典から適当に。
裏話:最初はただのシェリー・名前長いさんで行く予定だったが、いまいちパンチに欠けたので、都市伝説か、オカルト的な存在になりきり、名乗らせよう。という発想からこうなる。
なので語る怪奇の候補はメリーさん以外にも多数あった。
・口裂け女→口上『私……○○?』→ヒロインが常にマスク。顔に傷あり。萌えるけどマニアック過ぎるのでボツ
・テケテケ→口上『てけてけ…………私をつれてけー』→ヒロインが下半身無し。辰に車椅子を押してもらうorおんぶ抱っこスタイルで移動→流石にオカルトは追いにくいのでボツ。
他色々。
③黒部深雪
性別:♀
年齢:?歳
趣味:霊能グッズ採集あるいは製作。煙管片手に物語を聞くこと。
特技:暗記。一度呼んだ本は絶対に忘れない
苦手:まんじゅう怖い
備考:辰のバイト先、暗夜空洞の店主。
容姿は一本だけカチューシャのように編み込みが入った、腰まで届こうかという綺麗な黒髪。目元は覆い隠された、所謂目かくれ女子。その為表情をしっかりと伺うことは難しいが、瞳はエメラルドか翡翠を思わせる深い緑色。血管が透けて見えそうなくらいの白い肌。儚げな若奥様か、深窓の令嬢然とした雰囲気ではあるが、その実性格は結構な気紛れかつ自由であり、快楽主義。
かつて訪れた風変わりな人間二人……要するに辰とメリーによって店的には結構な損害を出されるも、それ以上に興味を抱き、以来時に優しく。時に妖しく見守っている。
能力:因みに人間ではなく、怪奇の類いである。その正体は……?
由来:実は名前自体は適当に付けた。
④竜崎綾
性別:♀
年齢:20歳
趣味:カメラ、雑貨屋巡り、ポストカード作り
特技:格闘技全般。コーヒーを入れること。
苦手:ホラー系のもの。料理。
備考:辰の幼なじみ。地元の大学に通う女子大生。肩より少し下ほどの綺麗な黒髪が自慢。髪に関しては相当気を使っているらしく、ただ一度の敗北もなしだとか。
友人ら曰く美脚で美乳な和服とか似合いそうな美人さんとのこと。
大学に上がると共に故郷を離れ、都会に出る事になった辰を心配しつつも、あれだけ鈍感なら大丈夫だ。と、送り出し……。見事に鳶に油揚げを持っていかれ、歯噛みすることに。また、然り気無く苦手なホラーは辰によってトラウマを植え付けられたからだったりする。
能力:霊感は欠片もない。趣味にある通り格闘技を嗜む。両親――特に母の影響で始めたらしい。修得技はキックボクシング、ムエタイ、テコンドー、カポエラ、マーシャルアーツ等、他たくさん。
単純な肉弾戦ならば、間違いなく作中最強。尚、本作では辰に制裁を加える以外の使い方はされないが。
由来:綾という名前だけのキャラだが、辰と幼なじみということで、〝竜〟崎の苗字が入った。
裏話:構想時は、別作品主人公だったりした。『珈琲店、モチモチの木』喫茶店にてアルバイトしている女子大生が色んな人のお悩み相談を受けたり、無自覚でお客さんをメロメロにするというお話である。お悩み解決後、「彼氏が欲しいな……」と嘆く主人公という、結構あんまりな設定だった。あと、然り気無くクリソツでちょっぴり年上の従姉妹がいる。
⑤滝沢来蘭
性別:♀
年齢:十歳
趣味:兄で遊ぶ。兄を煽る。兄の恋人や友人に甘える
特技:兄をイラッとさせる事。兄をキュンとさせる事。水泳。
苦手:茄子、大根
備考:辰の妹。ちょっとおませさん。サイドテールが印象的な鳶色の髪伽特徴。綾曰く、ミルクみたいな香りがする。
色々とウザイ子。全ての行動の根底には兄で遊ぶ。兄を困らせる。兄を弄る。兄を煽る。といった理念が存在する困った少女。でも兄大好き。
また、それなりに周りを見る子なので、辰。メリー。そして綾が直面する未来をいち早く察し、どちらも大好き故に中立を保つ。兄? 爆発すればいいと思います……まる。
由来:名前は作者の飼い猫(故)
裏話:最初はかの謎解きヒント役は綾と一緒に来る予定だった。が、その場合綾は帰らず、終盤までいる→SAN値ピンチになるので、少しだけいるララちゃんのみとなった。
⑥魔子
性別:♀
年齢:?
趣味:願いを叶えて対価を貰う。かつて愛した男を悼む。
特技:暇潰し。
苦手:目を狙ってくる存在。豆料理
備考:猿の手の悪魔。ランプの精。湖の女神。流れ星等、古来より存在する願いを叶えるアイテムや現象の一つ。ただし彼女自身は願いを歪んだ形で叶え、その悲劇の魂を頂く。という行程を存在意義とする呪われたモノである。その最中で人間に恋して、歪んでしまった結果、形成されたのが魔子である。
低級悪魔とされるが、あくまでも自意識が低かったり、相手が深雪さんだからだったりが原因なだけで、実際は中級の少し下程度。
⑦コウト
プロフィールは基本的に辰と一緒。何故ならば平行世界の彼であるため。
ただ、猿の手によって怪奇としてバックアップがあるため、霊能者としては辰の上位互換。彼はまた、別の物語もとい別の世界にて活躍する。故にここで語られるのは望まないだろう。
由来:名前は辰が生まれたと同時に、対となる彼も生まれた。蛟が吐く。で、コウトである。
裏話:払った代償は霊感、干渉する体質。彼のメリーから受け継いだ観測の体質。メリーの形見のアミュレット。そして、片目の視力。急にではなく緩やかに失われていくようだ。
⑧偽メリー
こちらもまた、基本的にメリーと一緒。
ただ、例によって完全に霊能者としてはメリーの上位互換。
語るべき物語は本編。そして……。
裏話~炎に消え逝く~
「…………ああ、ダメだね。あんたは――成人を迎える前に、死ぬよ」
絶望的な宣告が路地裏に響く。それを受けた女性は目を見開き。それでいて、少しだけ肩を竦めた。
「…………もう一度、言って」
「……あんたは成人を迎える前に死ぬよ」
「どんなふうに?」
「さあね。だが、たまにいるんだ。どうしようもない星のもとにある、そんな人間が」
「……確定なの?」
「ああ。あんたはどうやっても死を受け入れるだろう。それが……結末だ」
女性はうつむいた。私はそれを遠くから見つめるしか出来なくて。訪れる結末を予感し、歯を食い縛った。
祈るよりもう他にない。私を脅かす私はもういなくなる。そこまで考えて、私はふと気づいた。
彼処にいた。私を救ってくれた彼の私も……まだ死を乗り越えた訳ではない。つまり……。
『…………!』
声を出したくても出ない。もはやどうすることも出来ない。
ただ、〝私〟は恐怖した。どうしてそんな、酷い結末ばかりなのか。私が……〝私〟以外の私達が、何をしたというのか! こんなの……! こんなの……!
「そ、死ぬのね。〝どんな形かは知らないけど〟」
その時だ。私はそこにいた女性が、あっけらかんとした表情でそう答えるのが見えた。
思わず驚愕する、私と路地裏の母。それを女性はおかしそうに眺めながら、そっと自分の目を指差した。
「今朝……長くて素敵な幻視ヴィジョンを見たの。あれを視たらね。……勝ちの可能性は低くても、やってみようって……思えちゃったの」
柔らかい笑み。祈るように胸の前で指を組み、女性は恋する乙女の表情で宣言した。
「愛に殉じるとか、こんなこじつけはどう? どう受けとるかは当人次第な占いに対する、最高の解答だと思うわ。彼を手に入れるか。私が負けるか。どちらにしても、死よ」
「そりゃあ、まぁ……凄い話だねぇ」
ひきつった笑みを浮かべる路地裏の母に背を向けて、女性……メリーはその場を引き返す。「彼も占って貰わなくっちゃ!」そう楽しげに呟きながら、離れた場所で待つ、彼女の相棒の元へ歩く。
何コレ。どうなってるの? 欠片も予想していない展開に思わず〝私〟が放心していれば、不意に再びの頭痛がして……。
今度視えたのは公園だった。
後ろから抱き締められた女性は顔が真っ赤っか。だが背後の男性も大概で……。
「ねぇ、見てメリー……」
一呼吸置いて囁かれた言葉。それは……。
「〝月が綺麗だ〟」
私にとっての福音だった。
※
業火の中で、私は確かに自分が涙を流しているのを感じていた。
ああ、なんてこと。こんな幸せは他にない。
救いはちゃんとあったのだ。ただ、どう捉えるか。それが自分は出来なくて……。
故に彼女は真の意味で、自分の罪を再び刻む。
取り返しのつかないことをした。この世に地獄があるなら、そこで何度でも償って。そして……。
『あ……』
燃え盛る紅蓮の向こうに人影がある。長すぎず、短かすぎないほんの僅かだけ、暗めなアッシュブラウンのメッシュが入っている黒髪。身体は全体的に細身。が、ただヒョロいノッポという訳ではない、ほどよい筋肉がついているのを私は知っている。顔立ちは中性的で整っており、虚ろな美青年といった感じ。
滝沢辰。私の相棒の姿を見た。
『し、ん……』
『迎えに来た。さぁ相棒、次は何処へ行く?』
微笑み、手を差し伸べる彼に、私は精一杯手を伸ばす。何処にだって行けるわよ。そう答えながら。だって……。
『貴方とまた、並んでいたいもの……!』
~fin~
⑨工藤ミク
性別:♀
年齢:19歳
趣味:通販、茶道
特技:柔軟体操
苦手:いやらしい人
備考:アへ顔ダブルピース降霊系スーパーイタコさん
尚、平行世界の辰に告げられた占い結果。
母「あんた、女難の相が出てるよ。死ぬね(色んな意味で)」
辰「!?」




