アタシと勇者の恋の話 Ⅵ
こんばんはー。本日も書きまくっちゃいますよー!
今回は勇者とのデート(?)っぽいお話です。
では、ごゆるりと~
「ったく、アタシってばなんでこんなおしゃれしてんのよ・・・」
と文句を言っているけど、理由は簡単だ。
魔族でも人間に恋してもいいって思ったから。
アタシは勇者が、ラウスが好きなんだ。
答えなんて決まってるもん。
「ミアー!」
「あ、あら、奇遇ね。別にアタシは勇者に逢いに来たわけじゃないのよ。そう、買い物なんだから」
はぁ、なんで素直になれないかなー。
大体、昨日アイツに「また、明日」とか言ったくせにどうして「逢いに来たわけじゃない」なんて言っちゃったんだろ?
あぁ、絶対に悪印象じゃないの。
「嘘つくなよ。昨日、またなって約束したじゃないか。そ、それにさ」
「何?」
アイツは顔を真っ赤にしながら言う。
「俺のことはラウスって呼んでくれよ。なんかさ、お前に勇者って呼ばれると悲しくなるっていうかさ」
「・・・そ、そう。分かったわ。ごめんなさい」
すると、ラウスはぱぁっと笑顔になった。
「じゃあ、さっそく呼んでくれよ!」
「ふぇえ!? も、もう言うの!? そ、そんな心の準備とかできてないわよ!」
「え!? ダメなのか!?」
アタシの言葉に表情を曇らせる。
あーもう、その顔禁止よ・・・。
「ラ、ラウス」
「もう一回!」
「・・・うぅ、ラウス」
「もう一回!」
「しつこいのよ!」
恥ずかしさで死ねそうだ。
「悪い悪い。でも、かわいかったぞ」
「ッ・・・。あ、ありがとう」
不意打ちも禁止していいかしら?
「なあ、ミアって魔族のことどう思う?」
「え?」
歩き始めたラウスは唐突に話題を切り替えた。
「ア、アタシは・・・」
どう言おう。アタシも最近までは人間が嫌いだったから、いまいち分からない。
どう伝えようか。
「俺は本当は勇者なんかになりたくなかった」
「え」
また不意打ち。ラウスの表情は真剣そのものだった。
「でも、なんかいつの間にか勝手に決められてさ。仲間とかは好きだぜ? でもさ、なんで人間の思い込みで魔族を倒さなきゃいけないんだって思う」
「ラ、ラウス」
あんた、知ってたの?
魔族だけが悪いんじゃないって分かってたの?
「今まで誰にも言わなかったけど、実は俺、魔王とは話し合おうと思う」
「!」
じゃあ、お父様は死なずに済む!
「話し合えばわかると思うんだ」
「アタシもそう思うわ」
興奮してついそう言ってしまった。けど、ラウスは気にせず笑う。
「ミアが言うと大丈夫そうな気がするよ」
「そう」
そう言ってもらえたら嬉しいわ。
「話、聞いてくれてありがとな」
「別にお役に立てて嬉しいわ」
「じゃあ、飯でも食いに行くか」
「えぇ」
また、歩き出した。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
次回の更新は多分土曜日です。




