アタシと勇者の恋の話 Ⅳ
どうもこんにちは~。本日も始まりました、勇魔の時間です。
今回は仲間探しを始めた2人のデートじみた行動に注目してもらいたいです。
では、ごゆるりと~
・・・で、どうしてか魔王の娘であるアタシは勇者と一緒に行動してるわけなんだけど。
なんで、こうなったのかしら。一刻も早く城に帰りたいのに。
「そうだ、ミア。ついでだから美味い店とかねえの?」
「知らないわよ」
「そー言わずにさー。俺腹減ったんだ、ミアもじゃないの?」
「そんなわけ」
グゥ~
「う」
「ほら、お腹空いてるじゃん。食べようぜ!」
や、やばい! 恥ずかしさで死ねる。いや、別にコイツに聞かれたのが恥ずかしかったとかじゃなくて!あれなの! 周りの人に聞かれてたらって誰もいない! え? じゃ、じゃあアタシはコイツに聞かれたから恥ずかしいと思ったの? ま、まさか・・・このモヤモヤは・・・。
「ミアー?」
う、ううん! そんなわけないわ! 相手は勇者よ!? お父様の命を狙ってる男よ!? 勝手に魔族を悪と見なす人間の男なのよ!? ダメよ、ルミア。落ち着きなさい。そう、落ち着くの。
ひっひっふー。ひっひっふー。
「ミア!」
「きゃ!」
び、びっくりした・・。気づかなかったわ。
「てか、顔近いし!」
「あ、ごめん」
後少しでキスしちゃうところだったじゃないの!
「・・・はぁ、美味しい店って言ったらあの店よ」
アタシはたまたま見えた食堂っぽい店を指さす。
「なんの店だ?」
「食堂みたいな所、らしいわ」
「らしいって・・・。行ったことないのか?」
「当たり前でしょ、だってアタシは・・・」
そこまで言ってしまったと思った。もうすぐで自分が魔族ってことをバラすとこじゃなかったの!
危なかったわ・・・。ここでボロを出すわけにはいけないのよ。
「アタシは、なんだ?」
「ア、アタシはこの街には住んでいないもの。知ってるわけないでしょ」
「そー言えばそんなこと言ってたな」
よかった、コイツがアホで。・・・しっかし、こんなんで勇者がよく務まるわね。心配になってくるわ。
「んじゃ、入ろーぜー」
「えぇ」
アタシたちは入って行った。
ふぅ・・・美味しかったわ。人間の手作りもいいわね。いつか、人間と魔族が仲良くなれる日が来たならまた、みんなで食べに行きたいわね。
「美味かったー。悪かったな、おごってもらっちゃってさ」
「まさか、1Gもないとは思わなかったわ」
「この借りは仲間と再会してからするから、それまでは一緒にいてくれないか?」
「い、一緒に!?」
な、なんなの、その誤解を招く言い方は!
「つーか、ミアと一緒にいると楽しいんだよな」
「・・・バカじゃないの」
「お前は俺と一緒じゃ楽しくないか?」
「そんなことは言ってないけど!」
あーもう、どうして素直に言えないのよー!
「よかった、嫌われてなかった」
そんな顔で笑わないでよ・・・。この気持ちを認めちゃうでしょ・・・。
認めたくない・・・勇者のこと好きなったなんて・・・。
「見つけたよ、ラウスさま!」
「あ、ミサハじゃねえか」
振り向くと1人の女騎士がいた。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
次は明日更新しようと思います。




