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アタシと勇者の恋の話  Ⅲ

こんにちはー。今日も勇魔の時間がはっじまーるよー!

今回はルミアさんに芽生える不思議な感情のお話です。

では、ごゆるりと~

「さっきは本当にすまない! だから、俺の話を聞いてくれ!」

「・・・・・」

「なあ!」

「・・・・・」

「ミア!」

「誰が名前呼べっつったんだよ!?」

 どうも魔王の娘ルミアです。現在、勇者ラウスから逃げてる最中なのですが・・・。

 しまった、レディが汚い言葉づかいをしてしまったわ。

「やっと、答えてくれたな」

「・・・何? 言っておくけどさっきのアレ、まだ許してないわよ」

 さっきのアレとは勇者がアタシの胸を揉んだ件のことよ。

 ・・・まあ、許してないと言いつつも勇者の頬にできた赤い手形を見て胸が痛むアタシもアタシよね。

「うぐ・・で、でも、お返しにお前は殴ったじゃないか! それでアイコじゃダメなのか?」

「そ、その件に関しては謝るわ。でもね、それで借りはナシ。あんたとアタシはもう関係ないのよ? なんで追いかけてくるのよ」

「だって、お前美人だからまたナンパされるだろ」

「んなっ!?」

 な、な、な! 何を当たり前のように言ってるの!? そんなことお父様以外の男からは言われたことないわよ!

「さっきは、俺が通ったから大丈夫だけど次は誰かが助けてくれるとは限らない。だったら、俺がお供っていうのじゃダメか?」

 ・・・あ、そういうことか。

「あんた、仲間とはぐれたのね」

「うぐ!」

 図星みたいね・・・。つまり、助けたお礼にアタシにこの街の案内人をさせたかったってことか・・・。

 危ない危ない。危うく言葉に騙されるところだったわ。

「た、確かに俺はみんなとはぐれた! で、でも、さっきの言葉に嘘はないぞ」

「はいはい、分かったわ。でも、お生憎。アタシはこの街の人間じゃないわ。残念ながら案内人はできないの。はい、これで終わり。さよなら」

 一刻も早く城に戻ってみんなに勇者のことを報告をしないと。

「そ、そっか・・・」

「い、意外とあっさりしてるのね」

 もうちょっと、引き留めてほしーなー。じゃなくて! なんちゅーことを考えてるの!?

 相手はあの勇者なのよ!? あーもー! 何よこのモヤモヤした感情は!?

「いや、元々お前は嫌がってたのに無理やり詰め寄った俺が悪いんだ。ありがとな」

「・・・う」

「でも、どーしよっかなー。行くあてもないし」

 な、なんか罪悪感が・・・。う、もう! 仕方ないわね!


「いいわよ! 案内してあげるからついて来なさい!」


「ホントか!?」

「ええ、仕方なくだからね」

 だから、その笑顔でアタシを見ないで。モヤモヤがもっと酷くなるでしょ。

 こうしてアタシはなぜか勇者と共に勇者の仲間探しを始めることになったのだ。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

次回の更新は明日になります。

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