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アタシと勇者の恋の話  Ⅰ

こんにちは、今回からルミアさん視点で描く昔話になります。

生きていたころのハデスさまや若かりし頃のおっさんたち、そして勇者ラウスも登場します。レイさんとの出会い話も込みなので少々長くなりますが読んでいただけたら幸いです。

では、ごゆるりと~

 いつもの朝。いつも通り、アタシは自然に目が覚めた。

 朝の木漏れ日、窓から吹きぬけてくるそよ風が気持ちよくて目を細める。

「・・・今日も寝坊か」

 時間を確認すると10:59。いやー、我ながらよく寝ますなー。

 ん? じゃあ、もうそろそろアイツら(・・・・)が起こしに来るわね。そう思いつつ時間を見ると11:00ジャスト。

コンコンコンコンコン

『ルミアー! 寝坊だよー!』

 ほら、来た。お父様が連れてきた7人の孤児たち。

 別に頼んでもないのにわざわざ起こしに来てくれる・・・優しいアタシの友達。アタシの大切な大切な家族で兄妹たちである。彼らが来て一緒に過ごしてからもう8年も経つのかぁ。アタシももう18歳になるんだな。

「ん、今行く」

 アタシはベッドから出て簡単に着替えてからドアを開ける。

 開けると、そこには7人の同い年の男女が目を輝かせて立っていた。

 みんなの名前は左からルシファー、サタン、ベルゼブブ、レヴィアタン、ベルフェゴール、マモン、アスモデウス。過去の名前を捨てて、お父様が付けてあげた名前らしい。

 そう言えばお父様の昔の幹部にそんな名前の魔族がいたような気がする。確か・・・《七つの大罪(セブンス・クライム)》とか呼ばれてたわね。

「ルミア、おはよう!」「おはようございます、ルミア」「俺様、参上だぜ!」「くくく・・・今日も美しいな姫」「・・・お、おはようござ、います」「おはよう、ルミア」「おはようだよ、ルミアちゃん」

「うん、おはよう。えーと、レヴィ、サタン、ルシ、ベルフェ、アスモ、ベルゼ、マモン」

 何せ人数が多いのだ。名前を省略しないと息が疲れる。

「で、今日はお父様が予定入れてるの?」

「いいえ、あ、そう言えば食料が切れたのでルミア1人で街まで買い物に行かせろと仰っておりました」

「そう、ありがとサタン」

 サタンは二重人格でいつも狐のお面を掛けてるから素顔を見たことが数回しかない。

 別に強引なサタンでも魅力的なんだけどなー。

「他には? なんか言ってた?」

「何も言ってなかったよルミア。ボクらは今日はお留守番だからね。たまにはルミアにもがんばってもらわなきゃ」

「うー・・・ベルゼ、妹のくせに冷たいー」

「逆転の発想だよ。妹だからこそだらしのない姉を立派な人間にしないとってがんばってるんだよ」

 く・・・! このボクっ娘めが! かわいいなこんちくしょう!

 アタシは見守る7人に手を振りながら街へと飛び出した。


 そこで勇者と運命の出逢いを果たすとは知らずに。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

次回の更新は水曜日です!

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