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メイドの女王

「さあ、今日も魔王修行をがんばるぞ!」

 ・・・昨日のあれはね、うん、そう、幻想の俺なんだよ。つーか、恥ずかしいし! なんだよ、過去から連れ出すようにって! 俺、超ナルシじゃん! いやあああ!


「へえ、君が魔王見習いのレグ・ハーディアか」


「え?」

 ドアのところにメイド服を着た、栗毛のショートカットの幼女がいた。幼女って言っても年的には12歳くらいだろう。そう言えば、シェアラちゃんといいスフェラちゃんといい俺の部屋に勝手に入るのは勘弁してほしい。

「お前、誰?」

「わたしか? よくぞ聞いてくれたな! わたしはスフィリだぞ!」

「スフィリちゃんはどうしてここにいるんだ?」

「え? どうしてって・・・そんなの、わたしがメイドの女王だからに決まっているからだろ?」

「へー、すごいねー」

「むむ! ものすごくバカにされているぞ!?」

 ふ、所詮子供の戯言だぜ。

ぎゅるる~

「む、おなかが空いた」

「朝飯食ってねえ・・・」

「おぉ、レグもおなかが空いているのかー」

「スフィリちゃん・・・年上に呼び捨てはどうかな・・・」

「えー、仕方ないな。大人なわたしはレグのことを”レグレグ”と呼ぶことにしたぞ」

「レ、レグレグ・・・」

 まさかの恥ずかしいニックネームっすか!? この子、悪気もなく発言するから余計に・・・くる。

「というわけでレグレグのためにご飯を作ってくるぞ」

 スフィリちゃんは風のように去っていった。

「お、レグ、今日も早いな~」

「・・・おっさんか」

「おいおい、テンションの下がり具合が俺のガラスのハートを傷つけてるぞ」

「なあ、おっさん。この城には12歳くらいの女の子もいるのか?」

「12歳くらいの女の子・・・? ・・・やばいな」

「え?」

「スフェラのHPがやばい!」

 おっさん、全力疾走。



 おっさんを追いかけると調理場にスフェラちゃん・スフィリちゃん・おっさんがいた。

「おぉ! お姉ちゃんとアスモデウスさまだぁ! 久しぶりだなぁ」

「ス、スフィリ!?」

「スフェラ、逃げろ!」

 ・・・・え、スフィリちゃんとスフェラちゃんって姉妹なの?

「おい、おっさん。どうして、スフィリちゃんとスフェラちゃんが会ったらダメなんだよ」

「見とけば分かるって」

「スフィリ・・・どうしてここにいんのよ!?」

「え? だってわたしはここの『メイド長』だし」

「はぁん!」

 スフェラちゃん、10ダメージ

「全世界のメイドの頂点に立つ、メイドの女王だし」

「ぁん!」

 スフェラちゃん、20のダメージ・・・てか、快感?

「何より、お母さんたちがお姉ちゃんの監視をしてこいって言ったし」

「ふにゅうん!」

 スフェラちゃん、撃破

 あぁ、なるほど・・・スフィリちゃんは純粋に人の胸に刺さることを言うから・・・心が折れるな。かくして、アスモデウス城にメイドの女王、スフィリ・ミュコスが加わった。

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