危険な大掃除
こんにちはー! 今回はもうすぐ大晦日なので掃除ネタにしてみました。
少し、休憩の合間に読んでほしい一話ですね。
では、ごゆるりと~
朝、俺たちはおっさんに言われて城の客間に集まった。俺は手に雑巾を、シェアラちゃんはモップを、スフェラちゃんは箒を構えている。
おっさんは妙に似合うサングラスと葉巻というダンディスタイルで腕組みをしていた。
今から何をするかって? 決まってるじゃないか。
「今から、大掃除を開始する!」
「「「おう!!」」」
年末恒例行事の1つ、大掃除だろ? 俺にとっては初めての大掃除だからちょっと気合いを入れているのだ。
「まず、シェアラとスフェラは食堂で掃除。俺とレグは2階廊下だ。いいな?」
「分かった」「うぅ、アスモデウスさまじゃないのは悲しいですけど分かりました」「がんばるぜ!」
3者三様の反応を見せ、大掃除が始まった。
「汚いな・・・ほこりだらけじゃねえか」
「いかにおっさんたちが掃除してないかだよな」
自分の城なのにぶつぶつ文句を言うおっさんに嫌味ったらしく言ってやった。
おっさんは「うぐぐ・・・」と呻く。
「て言うかだな。レグ、お前が来てからというもの、何かと忙しいんだよ。ご多忙なの、だって、俺、淫乱王だもん」
「責任転嫁かよ・・」
「いや、でも、まぁ、お前には感謝してるんだぜ?」
「え?」
おっさんは雑巾で廊下を拭く手を止めた。
「お前が来てから、シェアラとの会話も増えたし、《七つの大罪》のみんなとも会えたし、この城も明るくなったような気がする。俺も毎日楽しくなった」
おっさんはサングラスを外し、ニッと笑ってみせた。
あぁ、そういえばおっさんは昔、孤児だったんだ。でも、俺のじいちゃんのハデスに助けてもらって・・・そのあと、勇者にハデスが倒されて、大切な人を失って・・・。
おっさんは大切な人を2回失ってるから、まだ辛いんだろうな。
「おっさ・・・」
ドゴォォォン!
「「え?」」
食堂から破壊の音が聞こえた。
つまり、シェアラちゃんとスフェラちゃんに何かがあったということだ。
「「レグ! どいてぇぇぇぇ!!!」」
で、問題の2人はなぜか俺の方目掛けて走っている。しかも、凶器を持って。
シェアラちゃんは包丁を、スフェラちゃんはハンマーを持って。
「ま、待って2人とも? 落ち着こう!」
「「黒光りするG!!! ぶっ殺す!!!」」
ちなみに黒光りするGとは俊足の足を持つと言われる幻のモンスター、ゴキブリンのことだ。
「シェアラ、そっちよ!」
「分かった、スフェラ、行くよ」
2人は息を合わせ、ゴキブリンを抹殺する。
これなら、ここではい、めでたし~。となるのだが、問題はこの後だ。
大量のゴキブリンが食堂から現れたのだ。
結局、シェアラちゃんとスフェラちゃんがゴキブリン退治を開始したため大掃除は破壊活動に変更になった。
最後は俺とおっさんがゴキブリンの後始末。壊れた城を直すはめになったのは言うまでもない。
読んでくださってありがとうございます!
次回の更新は土曜日を目指しています!




