遅れてきた幼馴染 Ⅲ
こんにちは! 幼馴染編も終了です! レグはなんと答えたのか・・・?
期待を裏切るのが彼の特技ですからね・・・。
では、ごゆるりと~
「俺は・・・」
俺は未だに落ち込んでいるスフェラちゃん、願うように見つめるアスハ、そして、ただ見据えるシェアラちゃんに向かい合い言う。
いや、言おうとした。
「うひー、疲れたー。シェアラでもレグでもいいからお茶淹れてくれー」
張りつめた空気もおっさんのゆるい一言で終わりだ。
一瞬で緊張が緩む。本当に空気読まないな・・・。
「ん? 誰だ?」
「わ、私はレグの幼馴染のアスハ・リンドウザンと申します!」
「つーことはあれか。追っかけてきたのか」
「違います!」
おっさんのKY発言に顔を真っ赤にしながら答えるアスハ。やめろ、勘違いするだろ。
「そう、そいつはレグの彼女なんかじゃない」
「あんたもでしょ!?」
ぐるるるる・・・とにらみ合うシェアラちゃんとアスハを無視して、おっさんに説明する。
「俺を勇者学校に連れ戻しに来たみたいだ」
「随分、はしょったな・・・」
「面倒だし」
おっさんは苦笑いしながら俺の肩を叩いた。同情されてる。う、うぜええ。
「しっかし、あんな美少女幼馴染がいるなんてなー。上手く言葉にできるか分かんねえけど、お前爆ぜないかな」
「言葉にできてるじゃねえかよ・・・」
「まぁ、あれだけど? おっさんも美人な妻とシェリーの次に可愛いシェアラがいるから互角だけど? でも、運命って時に残酷だよな」
「ただののろけ話かよ・・・」
微妙に拗ねているのが鬱陶しい。
「ついでに美人な再婚相手もいますしね!」
「シェリーの墓に行かないとなー」
「無視はなしな方向で!」
復活したスフェラちゃんは相変わらずおっさんLOVEだった。
助けを求めるおっさんを放置してシェアラちゃんたちを見た。
「レグは返してもらうわ!」
「誰にも渡さない。・・・力づくでも帰ってもらう」
「いいわよ。私に勝てるものならね!」
魔法陣を描き始める2人。
あぁ、今日も俺は犠牲になるのか・・・。
「わー! やめろー!」
「「はぁぁぁ!」」
「ぶふっ」
はい、予想通り吹き飛びました。
「ん・・・」
目を覚ますと俺の部屋だった。もちろん城の方な。
「レグ、大丈夫?」
「シェアラちゃんか・・・。アスハは?」
「帰った。看病するって駄々をこねたけど帰らせた」
「ははは、シェアラちゃんらしいや」
俺が笑うとシェアラちゃんがぎゅっと抱きついてきた。
「シェアラちゃん・・・?」
「痛かった?」
「まぁまぁ。でも、慣れたし」
「ごめん」
「いいってば」
シェアラちゃんは生きていることを確認するように俺を抱きしめる。正直、苦しかったが彼女を安心させるために今はこのままでいようと思った。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
次回の更新はクリスマスになる予定です。
クリスマス=サンタさん。つまり、主人公はあの人!
楽しみに待っていてください~




