遅れてきた幼馴染 Ⅱ
お久しぶりです!
今回は幼馴染アスハちゃんとシェアラちゃんの修羅場回? のはずです!
では、ごゆるりと~
「レグ、あんたを勇者学校に連れ戻すわ!」
突然やってきて衝撃発言を言うのは幼馴染アスハ。
少し緑っぽい髪は漆黒の瞳によく似合っている。整った容姿をしていて、でも幼さが残っている。いわゆる童顔と言うやつだ。童顔に似合わず胸は大きい。
さっきからスフェラちゃんが自分の平坦な胸を押さえ落ち込んでいた。
・・・ちょっと話が逸れたな。けど、今更どうして俺を連れ戻しに来たんだ?
「アスハ、落ち着けよ。俺が卒業試験を受けずにおっさんのとこに来てから随分と時間が経ってる。どうして今なんだ?」
「わ、私だってもっと早くに迎えに来るつもりだったのよ! でも、先生たちは『卒業試験受けずに魔王のとこに行くとか勇者じゃね?』『レグ、マジ勇者!』『永遠に受け継いで行こうぜ!』とか意味の分からないことを言い始めたのよ!」
・・・・あー。先生たちなら言いそうだな。つーか、俺、なんか神扱いじゃない?
アスハはコホンと咳払いし、気を取り直してまた話始める。
「その後、何度も行こうとしたけど次期主席の子に引き継ぎ手続きしなきゃいけなかったし。アスモデウスの城の場所知らなかったし。そ、それにあんたが自分から帰って来てくれるって思って待ってたんだから」
アスハの目には涙が溜まっていた。ちょっと、酷いことしたかな・・・。
しかし、泣くアスハにも容赦しない少女がいた。
それがシェアラちゃんだ。
「あなたの理想をレグに押し付けるのはどうかしてる」
酷く冷たく、それでいて美しい凛とした声で言う。
「押し付けてないわ! でも、レグはあくまで勇者学校の1人だったのよ? なのに今は敵である魔族の王の手下なんかになって・・・。きっとそそのかされたよ!」
「それのことを言っている」
「え?」
「レグだって完璧な人間じゃない。勇者学校に通っていても魔王に憧れる生徒だっている。それに、今は協定により人間と魔族は仲がいい。あなたみたいな考えの人間は少ない」
す、すげえ。あの、優秀なアスハを完全にねじ伏せた。
でも、アスハも引き下がらない。
「あんたに何が分かるの、シェアラ・アムバンドリー? 私はレグと10年以上も一緒にいたのよ? だから、分かってくれるはずよ。ねえ、レグ」
「お、俺?」
突然話を振られたのでびっくりした・・・。
「そうよ。もう一度、卒業試験を受けなおしましょ? そして、わ、私と一緒に・・・立派な勇者になろうよ」
「え・・・」
アスハは悲しげに俺を見つめてくる。そんな目で見るなよ。
「ねえ、レグ」
「レグ、サタンとの約束はどうするの?」
一瞬、停止した思考がその一言で動き始めた。
声の主シェアラちゃんは俺を見た。そして、アスハに言う。
「レグと過ごしたのはあなただけじゃない。私だってスフェラだって過ごした。レグは誰のものでもない」
誰のものでもない。と言う部分だけ少し小さかった。でも、鮮明に聞こえた。
「ええ、そうね。でも、決めるのはレグよ」
「・・・分かった。レグ、あなたはどうしたい?」
2人から一斉に視線を受ける。俺は・・・。
「俺は・・・」
そして、答えた。
ここまで読んでくださってありがとうございます!
次回の更新は明日の予定です。




