スフェラのお家にいらっしゃーい 伍
どうも、こんばんは~。
今回はミュコス家の愉快な方々が登場します!
では、ごゆるりと~
「あ、スフェラ先輩じゃないっすか」
スフェラちゃんに屋敷を案内してもらっている廊下の途中で声を掛けられた。
女性の声だったのでどんな人か見てみると、そばかすが目立つ赤髪のメイドさんがいた。
「あら、メリィじゃない」
「どうもっす」
そばかすのメイドもといメリィちゃんは女の子らしくないしゃべり方だった。
まぁ、人懐っこそうだから・・・カワイイんじゃねえの?
「先輩や魔術師さんや見習いさんのお噂はスフィリ女王様から聞いてるっす」
「マジで!? 恥ずかしいわね~、初夜のこととか聞いちゃった?」
うぜえ。スフェラちゃん、超うぜえ・・・。
「初夜って・・・見習いさんとのっすか?」
なぜ俺なんだ。
「バッカじゃないの? こんな野郎じゃなくて愛しのアスモデウスさまとのよ❤」
「いや、聞いてないっすけど・・・。ルータ君は何か聞いてるっすか?」
メリィちゃんが名前を呼ぶと近くにあったドアから幼い少年が出てきた。
「ん? 聞いてないけど」
「スフィリ女王さまはスフェラ先輩の話はするけど本当に少しだけだよ」
「それは、姉としてどうなの?」
「ドMとしては嬉しいんだけどね・・・」
シェアラちゃんの問いにスフェラちゃんは悩みながら言う。なぜ、そこで悩むんだ・・・。
「あ、スフェラ先輩。ちょっとの間ここにいるのならレオ先輩に声掛けてあげてくださいっす」
「えー、アイツかぁ」
「なあ、レオ先輩って誰?」
俺はルータ君に尋ねた。ルータ君は営業スマイルで答える。
「レオ先輩はスフェラ先輩の元婚約者です」
「ふん、あんな奴アスモデウスさまと比べたらそこら辺に転がってる石ころ以下な男よ」
スフェラちゃんにそこまで罵倒されるほどなんだから相当な人間なんだろう。
と、そんな時スフェラちゃんの背後に2つの黒い影が!
「スフェラァ~~~~~! 逢いたかったぜ!」
「スフェラお姉さまと謎の美少女がいますわ!」
謎の男女に押し倒されたスフェラちゃんは2人に踏まれながら嬉しそうだ。
「あれが件のレオ先輩っす。もう1人はスフェラ先輩に恋するリリアナっす」
「あー、納得」
確かに相当な人間だな。ストーカーと百合ってとこか?
「スフェラ・・・どうして俺を置いてあんな淫乱王のとこにいっちまたんだよ」
「別にいいじゃないのよ! っていうか、もっと体重かけなさいよ!」
「お姉さまぁ~・・・。リリアナ、スフェラお姉さまがいないと夜、とっても寂しいんですのよ?」
「うっさい! この乳牛! もっと痛めつけなさい!」
・・・会話が変態だ。シェアラちゃんも心なしか引いている。
「スフェラ、お願いだ。俺のために毎朝味噌汁を」
「破ァ!」
「ぶふっ」
鬱陶しく詰め寄るストーカーにスフェラちゃんお得意の拳圧が炸裂した。
「お姉さま、淫乱王の所をやめてリリアナと百合百合な生活を」
「覇ァ!」
「はぅん!」
百合少女には少し手加減をしてなんか覇気的なものをお見舞いした。何気にすげえな、このメイド。
「さ、さぁ・・・行きましょうか」
「う、うん」「分かった」
俺たちは逃げるようにその場から走り去った。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回の更新は水曜日です。
水曜は時間があるのでもう一つの作品、リュミエールも更新する予定です。




