スフェラのお家にいらっしゃーい 参
お久しぶりです。今日もがんばって書きます!
内容は前回の続きです。グングニルを止めたレグの力の正体も分かる予定です。
では、ごゆるりと~
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
スフェラちゃんのことを『お嬢様』って言ってたリチャードさんが先代メイドの女王の夫!?
「あら、リチャード。あなた、レグさんに言っていなかったのですか?」
「スフェラがいたからね」
戸惑う俺をよそに2人は話を進める。
「えと、スフェラちゃんの前じゃ言っちゃダメなんですか?」
「はい、ミュコス家では男性よりも女性の方が権力がありますから。ミュコス家トップである”女王”の称号を得た者の夫は女王本人しか知らないのです」
リィさんは微笑みながらそう言った。
「リチャードさんもそれでいいんですか?」
「はい。メイドの女王と結婚するということは覚悟が必要ですから」
リチャードさんも笑顔で言う。
「ならいいんですけど・・・」
俺はしぶしぶ黙る。
「・・・・」
リィさんの見定めるような視線が怖い。リチャードさんも俺をじっと見る。
そんな沈黙が5分間続いた。俺を見定め終えたリィさんは「ほぅ・・・」と息を吐き、口を開く。
「かの英雄リオン・グングニルが使っていた神槍グングニルを止めるほどの力・・・。どのような、恐ろしい潜在能力を秘めているのかと思っていたのですが」
リィさんはそこで言葉を切り、唸る。
「リィ、どうしたんだい?」
「いいえ。確かにレグさんが魔王ハデスの孫で魔族と人間のハーフであることは分かりました。しかし・・・レグさんの中には強い魔王の素質と共に別の何かがあるのです」
「別の何か?」
俺が尋ねるとリィさんはこくっと頷いた。
「はい。レグさんを守る優しい魔力というかなんというか・・・そのようなものが宿っているのです」
「優しい魔力・・・・」
「おそらく、グングニルを止めたのはレグさん自身が『誰も傷つけたくない』という強く想ったためにあなたの中の魔王の素質と優しい魔力が発動したのでしょう」
リィさんは微笑んだ。優しい笑顔だ。
「さすがはリィだね。最高の妻だよ」
「あなたったら」
「あ、あははは・・・」
俺の目の前でイチャイチャしないでください。
「危ない力ではありません。安心してくださいね」
リィさんは立ち上がり、屋敷に向かって歩き始めた。
「さぁ、2人とも。戻りましょうか」
俺たちはリィさんを追いかけた。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回の更新は土曜日です。




