表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/140

淫乱王の苦悩

一挙2話更新の2話目はおっさんことアスモデウス視点のお話です。

親バカなおっさんの苦悩とは・・・?

 今、俺は極度の緊張に追い詰められていた。手に握られているのは魔族オーケストラのチケットだ。

 誰を誘うかって? 愚問だな。シェアラだよ! シェアラ! 俺が娘以外誘うなんてありえん。

 そして、今いる場所はシェアラの部屋の前だ。絶対に嫌な顔するだろうな・・・・。アイツ、俺のこと嫌いだもんな・・・。思春期で反抗期だもんな・・・。

「うぅ、シェリー・・・」

「アスモデウス、私の部屋の前で何をしている」

「うわぁ!」

 いつの間にか、隣にシェアラがいた。うわ・・・やべ、俺の呟き聞こえてたかな・・・。

「驚くのはいいけど、質問に答えて」

「えっと・・・あの、シェアラ! 俺と一緒にオーケストラ・・・」

「嫌」

「即答!?」

 早かったな! 俺の心も傷だらけだけどな!

「恋人でもないのにどうして行かないといけない?」

「そ、それは・・・親子だし・・・」

 俺はシュンとした顔で俯いた。シェリー・・・お前と俺の娘はとても冷たいです。お前がデレる前みたいだぜ。

「・・・・分かったから、そんな顔しないで。私が悪いみたいで胸糞悪い」

 シェアラはため息をつきながらそう言った。俺は目を輝かせて、

「本当か!?」

 とシェアラの手を握る。

「勘違いしないで。私はまだ、怒ってるから」

 シェアラは手を振り解き、自室のドアを開けた。

「おい、シェアラ・・・?」

「出掛けるのならそれなりの服を着るべき。アスモデウスもさっさと着替えて」

「お、おう・・・・」

 全く、アイツもシェリーも似てるな。考えることとか、超似てる。

 俺はニコニコしながらすぐに着替えた。



 シェアラの服は初めてシェリーとデートしたときの服装と似ていた。白のカーディガンに淡い緑のワンピースだ。アイツは綺麗な空色の髪をしているからよく似合う。

「ジロジロ見ない・・・恥ずかしい」

「わ、悪い・・じゃ、行くか」

「うん」

 シェアラは俺の服の袖をキュッと握りしめた。お父さん的に超嬉しいイベントなんですけど。

「あれが、オーケストラの会館?」

「おう、結構近かったな」

「うん」

 俺とシェアラはすぐに会館に入った。



 1時間くらいでオーケストラは終わった。・・・どうしよう、終始寝てたんだけど。シェアラちゃん、超不機嫌だわ。

「自分で誘っておいて寝るなんて最低」

「すみません・・・」

「お詫びとしてパフェを奢る」

「分かった!」

 と、言ったものの・・・シェアラが入った店は女性が多く、男なんて数人しかいなかった。

 恥ずかしい。

「許してほしいなら羞恥に耐える。アスモデウスのいびきが凄かったせいで私は恥ずかしい思いをした」

「すみません・・・」

 シェアラの頼んだパフェは山盛りだった。ひ、1人で食べるのか?

「何をしてる? 一緒に食べなきゃ意味がない」

「え、いいの?」

「当たり前。だって・・・・」

「だって?」

「・・・別に何もない」

 俺はふとメニューに目を通した。

 シェアラが頼んだパフェの名前は特盛姫パフェ ファミリーサイズ。

 胸がじーんと熱くなった。だって、娘が家族って認めてくれてたんだぜ? こんなに嬉しいことはねえだろ。

「食べよ、お父さん」

「あぁ!」

 シェリー、俺はシェアラと上手くやってるよ。これからも、ずっと見守ってくれよな。

 俺はパフェを食べながら心の中でそう想った。

次回の更新は金曜日です。

66話にも書いたのですが来週から期末テストが始まるので更新ができなくなります。

代わりにテスト最終日の金曜日にがんばって更新しますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ