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さすらいの着ぐるみ  PART3

前回、登場した謎の子供の正体とは・・・?

次のお話くらいでサタン編終了の予定です!

 おっさんとスフェラちゃんに肩車されている男の子と女の子はまだ9歳くらいだ。しかし、着ているものは結構立派で男の子の方は執事服。女の子の方はゴッシクロリータと呼ばれるフリルだらけの服を着ている。

「「サタンさまっ」」

 2人はおっさんとスフェラちゃんの肩から降りると泣きながら優しいサタンさんに抱きつく。 

 シェアラちゃんはわなわなと震えながら「よ、よかった・・・2人の隠し子じゃなくて・・・」と呟いている。よっぽど、心配だったんだろうな。

「ヨシュア、レミリア・・・迷惑を掛けてすみません」

「うぅっ・・・僕、とっても心配したんだよっ!」

「・・レミリアも心配した」

 ヨシュアはハンカチで顔を拭きながら、レミリアちゃんはどこからかウサギのぬいぐるみをキュッと抱きしめながら優しいサタンさんに文句を言う。

 サタンさんは本当に申し訳なさそうな声で謝る。

「サタン姉ちゃん、久しぶりだな」

 そんな光景の中におっさんが入って行った。久しぶりと言うおっさんの顔は安堵に包まれている。

「アスモデウスくん、三ヵ月ぶりね」

「・・・うん、でその2人の子供たちはなんだけど」

 おっさんがそう尋ねるとヨシュアとレミリアちゃんは待ってましたと言うようにおっさんや近くにいた俺たちの前に立つ。

「よくぞ、聞いてくれたな! 僕はヨシュア・セバス、サタンさまの執事なんだよ!」

「・・レミリアはレミリア・アウィス。・・サタンさまの専属魔術師」

 一同、一斉にサタンさんの方向に顔を向ける。サタンさんは明後日の方向を見つめていた。

「なっ、アスモデウスさまもそこの下僕3人も信じてないんだな!」

「・・ヨシュア、先輩たちにそれはない。・・でも、心外」

 と2人は一生懸命自分がサタンさまの執事と専属魔術師だということを訴えかけてくる。

「分かった、私は信じる」

 不意にシェアラちゃんが言った。2人は目を輝かせて、

「やった!」「・・よかった」

 と喜びを隠せないようだ。しかし、シェアラちゃんはサタンさんに言う。

「サタン、事情を説明して」

「あぅ・・分かりましたので、メイドさん」

「はいっ」

「その子たちの相手をお願いします」

「分かりました!」

 スフェラちゃんはヨシュアとレミリアちゃんを連れてどこかへ消える。

 4人になった部屋は静寂に包まれていた。サタンさんが口を・・・ライムちゃんで隠れて見えないけど、開く。

「あの子たちは孤児なんです」

「孤児・・・」

 その言葉におっさんは唇を噛みしめた。

「もうすぐで潰れる孤児院からヨシュアとレミリアを引き取りました」

「姉ちゃん・・・道、迷っただろ」

「そ、それは・・・」

 迷ったんだな。確実に迷ったんだな。

「まどっろこしい、ライムちゃんを脱ぐ」

「あぁっ」

 シェアラちゃんがまたライムちゃんを脱がせ、再び姉御サタンさんが出てくる。


「おらぁ! アスモこの野郎! このサタンお姉さまが来てるってのにいねえたあ、どう言うことだ! あぁ?」


 おっさんは姉御サタンさんに押され、その場に倒れる。

「姉ちゃん、やめてくれ!」

「・・・あたしの気が済むまで許さねえよ?」

「ぎゃああああああああ!」

 俺とシェアラちゃんはお仕置きタイムの間、仲良く紅茶を飲んでいた。

次回の更新は明日です。

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