表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/140

さすらいの着ぐるみ  PART2

さてさて、憤怒姫サタン様はアスモデウスに何の用できたのでしょうか?

では、本編、スタートです!

「だから、ライムちゃん取ったらダメだっつっただろーが!」

「・・・二重人格」「すみません・・・」

 超美人でエロイお姉さま、憤怒姫サタンさんはこんな感じで二時間くらい説教をしている。

 ライムちゃん被ってるときはおどおどした人だったのに、取った瞬間からドスの効いた低めの声で怒鳴るから怖いわー。シェアラちゃんの言うとおりこの人、二重人格者っぽいな。

「ったく、折角、城出てから三ヵ月で着いたってのにアスモの野郎もいねーしよぉ。どうなってんだよ、あぁ?」

「おかしい、サタンの城はアスモデウスの城とそんなに離れてない。歩いても五日もあれば着く」

 シェアラちゃんに指摘されたサタンさんは「うっ」っと小さく呻いた。

「えっと、じゃあ、もしかして・・・・サタンさんは方向音痴なんですか?」

 俺がずばり言うとサタンさんは顔を真っ赤にし、うるうると目に涙を溜めながら、

「し、仕方ねえじゃんかよ! 昔っからアホだったから方向とか分かんねえだもん!」

 と抗議した。何これ、何このカワイイ生き物。

「大体よぉ・・・剣術ばっかやってたから転送魔法(テレポート)なんて使えねえしよ・・・」

「え、じゃあ、おっさんが言ってた剣豪って・・・」

「おぅよ! プレイグの剣豪とはこのサタン様のことだぜ!」

 剣豪と言われたのがよほど嬉しかったのかサタンさんは満面の笑みで太刀を振り回す。そのたびに俺の髪が散っていくのは気のせいなのだろうか?

「で、サタンは何をしにきた?」

「おぅ、そういえば・・・・何しに来たんだっけ?」

「「おい」」

 姉御サタンさん(今、命名)は忘れっぽい人らしい。そんな彼女にイラッとしたらしいシェアラちゃんはライムちゃんを被らせた。

「うぅ・・・すみません。憤怒姫がご迷惑をかけてしまい・・・」

 と優しいサタンさんがペコペコと頭を下げる。

「別にいい。もう貴女が本物のサタンだってことは分かったから。とにかく、何をしに来たの?」

 許されて嬉しいのか、優しいサタンさんは女神のような微笑を浮かべ

「はい。なんとなく、アスモデウスくんの顔が見たくなったんです」

 と言った。

「本当にそれだけ?」

 シェアラちゃんは考えられないという顔で聞いた。ただ、それだけの理由でこの人は三ヵ月も彷徨っていたのか・・・・。恐ろしいな。

「えぇ、あの子はわたくしのかわいい弟のような方ですから」

「まだ、名乗ってなかった私はアスモデウスの娘。シェアラ、よろしく」

「お、俺は魔王見習いのレグです!」

「まぁ! アスモデウスくんったらこんなカワイイ娘さんと頼りになる見習いがいたのですね!」

むぎゅう

 俺とシェアラちゃんはサタンさんにぎゅっと抱きしめられた。

 ・・・意外と大きいな。じゃなくて、ライムちゃん被って帯刀してる人に抱きしめられる俺たちって。

「では、アスモデウスくんが帰ってくるまで待っていましょう」

 そう言ってサタンさんがソファに座った瞬間、ドアが大きく開け放たれた。


「「サタンさまっ」」


 そこにいたのはおっさんとスフェラちゃんに肩車されてる男の子と女の子だった。

次回の更新は土曜日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ