さすらいの着ぐるみ PART1
今回は六人目の魔王もしくは姫が登場します!
誰か気になる人は本編へGO!
地獄のような修行から一週間が立った。その間にシェアラちゃんは色々、あったみたいだがそれを語ろうとはしなかった。
「で、今日は俺とシェアラちゃんだけ?」
「そうみたい。アスモデウスは憤怒姫を探しにちょっとの間、城を空けると言っていた。スフェラは付き添い」
スフェラちゃんならしそうなことだな・・・。
・・・・・ん? もしかしてこれは、当分シェアラちゃんと二人っきりということなのでは!? いやいや、でも、変な気でも起こしてみろ、あのおっさんに死刑にされる!
「レグ、顔がにやけてる。・・・エッチ」
「べ、別にそんなこと考えてないよ!」
しまった、顔に出ていたか・・・盲点だったな。しかし、あれだな~。久々にシェアラちゃんと二人きりかぁ。楽しみだなー。
ドンドン!
「「!?」」
突然、門が激しく叩かれた。
「・・・私が開ける」
と言うシェアラちゃんは微妙に顔を顰めていた。
「いや、俺と一緒に行こう」
「レグ・・・」
シェアラちゃんはぱぁっと顔を輝かせて俺の手をきゅっと握る。ちょっと、ドキッとした。
「せーの、で開ける。OK?」
「うん、じゃあ・・・」
「「せーの」」
一緒に開ける。そこに、いたのは・・・
「あ、あの・・・! アスモデウスくんは、いますか?」
「「・・・・・・・」」
着ぐるみだった。しかも、ハーデーランドのマスコットキャラ、スライムのライムちゃんのだ。
ライムちゃんには胴体がないので訪問者の胴体はミトハとかの故郷に多い、キモノという服だった。恐ろしいことにその腰には太刀が2対、差されている。
「誰?」
先に言葉を発したのはシェアラちゃんの方だった。
「はぅっ! すすすすみません! わたくしの名前はサタンと申します」
「サタ、ン・・・?」
シェアラちゃんは首をかしげた。この世界でサタンと言ったらただ一人しかいない。
それは、《七つの大罪》が一柱、憤怒姫サタンだ。しかし、現在俺たちの目の前にいる自称サタンは顔だけなんか被ってるし、腰低いし、おどおどしてるし。
全てが本物の憤怒姫サタンとは反対の女性だ。疑っても仕方ないだろ。
「は、はい! 事情がありまして、このライムちゃんを被らないとダメなのです・・・。うぅ、疑われても仕方がないですよね・・・」
「あ、あの! 俺は信用してますよ!」
なんだか、疑うのが申し訳なくなってきた。しかし、そこで止まらないのがシェアラちゃんだ。
「でも、信用できない。サタンの名を騙ってるかもしれない、《七つの大罪》の名を騙ることは私が許さない」
「ひぅ! で、でも!」
「証拠を見せて」
シェアラちゃんはそう言って自称サタンさんの被っていたライムちゃんを無理やり脱がせた。
「ダメぇ!」
「うわぁ・・・美人」
「本物のサタンだ」
そこに現れたのは艶やかな黒い髪をお団子にまとめあげた口元にほくろのある美女だった。少し、青みがかった瞳は宝石のように輝いている。
と、いうかなんかセクシィな人だ。
多分、優しいだろうなと思い俺は笑顔で、
「とても、きれいですね。東の方の人ですか?」
と聞いてい見た。
「うっせぇな、クソガキ!」
「えぇ!?」
父さん。なぜ、俺の周りの女性はこう個性の強い人ばかりなのでしょうか?
俺はもうそう思うしかなかった。
次回の更新はできたら明日の木曜です!




